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知らない空間

顔をぺちぺちと叩かれて、はっと目が覚める。

辺りを見回すと真っ白で何もない空間とサヤという女性がいることだけがわかった。


「起きた?」

「おい、ここは······!!」


立ち上がろうとして自分の腕が椅子に固定されていることを知る。


「まあまあ落ち着いて落ち着いて。それはボク特製の絶対壊れないシリーズ第2弾の絶対壊れない鎖だから何をしても無駄だよ」

「······何が目的だ」

「目的?そうだね強いていえば······」


あっけらかんと、ただ会話をするかのようにサヤは言い放った。


「世界征服の一環かな?」


そして今まで感じたこともないほどの憎悪が込められた声で「あとは嫌がらせ」と。

誰に対してのとか、なんで俺を、なんてくだらない質問が出来る筈なく俺はただその空気に圧倒されていた。


「あぁ、ごめんね。怖がらせちゃって」


それじゃあお茶なんてどうかな、なんて言いながらサヤは椅子をもう1脚とお菓子にティーポットが乗ったテーブルを創り出す。


「銘柄はユーカウスティでいいかな?」


お茶の銘柄なんて一切知らないので黙っていたらサヤは肯定と受け取ったようでカップに紅茶を注ぎ始めた。


「さあどうぞ」

「············」

「毒は入ってないよ。ほら」

「······鎖が邪魔で飲めないんだが」

「おっとそれは失礼したね」


腕に絡みついていた鎖が解けて地面に落ちる。

やっぱりなんでも言ってみるに越したことはないな。


「どうだい?美味しいかい?」

「まあまあかな」


スイーツタワーからクッキーを1枚貰い、冷静に今の状況を打開できる方法を考える。

恐らくこの空間はサヤの創った絶対壊れないシリーズのひとつ、もしくは精神だけを飛ばした世界。

今のところ前者の方が有力だ。

さてどうやって抜け出すか。


「なあここから出してくれたりしないか?」

「ダメだね」


やっぱり無理か。

それなら分霊を飛······


「レルさん、迎えに来ましたよ」


突然耳元で聞いた事のある声が聞こえ体が凍りついてしまう。


「ミア······」

「何こっち見てんですか気持ち悪い」

「ちっ、相変わらずの減らず口ですねえ」

「カス妖獣はさっさと私の視界から往ね」

「そっちから出てきた癖になんなんですかねえ」

「はっまた殺してあげましょか?」

「上等!」


ミアが重心を落としサヤに爪を振り上げた瞬間、サヤがフィンガースナップをしてミアを消し飛ばした。


「ふぅ······ここがボクの創った世界じゃなきゃ死んでたのはこっちだったね」

「今のは?」


極めて冷静に感情を表に出すことなくサヤに尋ねる。


「この世界から退出してもらったんだよ。安心して今ごろ元の世界で癇癪を起こしてるだろうから」


一つ、頼みの綱が消えてしまった。

さあここからどうしようか。

ユーカウスティは今後も出てくるかもしれないけど特に重要じゃない単語のひとつです。

何も固有名詞が思いつかないときに出てきます。

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