災害の対処と後処理
デカめの肉塊は刀を持ったヒューマンや亜人によって1メートル弱まで切り刻まれ、それを俺がさらに細かくしていく。
その細かくなったものを誰かの傀儡が集め焼却している。
そんな作業を続けていると大きなガラスを割ったような音が響き渡る。
「コア割っちゃいました〜!!!」
先程聞こえた大きな声が状況報告をする。
······こいつが死んだらこの巨体が街に落ちるのか。
半分くらいしかこいつの身体は残ってないがそれでも相当な被害が出る。
壁が全て受け止められるならいいが恐らく無理だろう。
『浮遊班はアノマロカリス本体を浮かせてください!そしてその間に全員最大出力で叩いてください!』
墜落しかけていたアノマロカリスが徐々に軌道修正をしていく。
それを確認した瞬間にポケットから対物ライフルを取り出し指を引いた。
数瞬後にビリビリと大気が震え爆炎がアノマロカリスを包み込む。
駄目押しと言わんばかりに雷が落とされそして身体が真っ二つに引き裂かれた。
「······あ、報酬ないなったな」
「レルおつかれー!」
「お疲れー」
カレンさんがイルさんに肩車されながら話しかけてきた。
「おつかれです。報酬目の前で燃えてるんですけどどうなるんでしょうね」
「うーん、多分お金にな······」
地響きがカレンさんの言葉の続きを遮っ
た。
下を見るとアノマロカリスの一部が街に落ちて炎を広げていた。
3人の視線が合う。
「「「あちゃー」」」
よく伝わったな。
頭上がすぐさま暗くなって痛いほど大粒の雨が降り注ぐ。
「ひゃ〜!翼だせ翼だせ」
「ほい」
「あざーす」
イルさんの翼の下に入って雨を凌ぐ。
するとものの数十秒で雨が止んだ。
街では炎がほとんど鎮火されていた。
「誰か雨降らせるのがいたのかね〜」
「まあ建物が押し潰されるだけで済んで良かったんじゃ無い?死者もそんな出て無さそうだし」
「あとは対策課がなんとかしてくれるんじゃないんですかね」
「ちょっとだけ手伝ってから帰ろっか」
「はーい」
死骸の近くにいくと予想通り対策課が到着していた。
「すみませーん、手伝えることありますかー?」
「それなら死骸を小さくしといてくれ」
「はーい。······だってさ」
「じゃあやりますか」
「うーす」
死骸を削るなら何がいいかと一瞬考えたがとにかくミニガンを設置しておいた。
他の2人はというとイルさんは太刀で、カレンさんは槍でさっそく切り刻んでいた。
半分ほど片付いたころにグールみたいな人達が来て残りはその人たちに任せて各自解散となった。
しかし建造物を修復出来る人達は残って元通りにするらしい。
「二人ともそろそろ帰ろっか」
「うん!」
「あーい」
なんか今日は久々にめっちゃ働いた気がするけど別にいつもとそんな変わらないなと思ったが頭の片隅に追いやった。
働いたことには変わらないのだ。
さてこれでそろそろ借金が返済できそうかな。
そしたら正社員として雇ってもらえるよう頭を地面に擦りつけないといけないな。
······まあ対策課よりマシか。