アノマロカリス狩り
「おはようございます」
「おはようです!」
「おはざーす」
「せっかく店に来てもらって悪いんだが、今日はさっそく別の仕事だ」
竹林さん曰く、なんと今珍しいことにアノマロカリスが上空で大量発生してるらしくその調達を頼みたいということだ。
なるべく生け捕りで傷付けたやつと殺したやつは食用にするらしい。
「これアノマロカリス入れな。イルに渡しとくか」
「わかりました」
限定空間拡張型の虫カゴか。
時間は······どうなんだろ、遅くなるのかな。
まあいいか。
「じゃあ頼んだぞー」
「はーい」
「行ってきます」
「うーす」
アノマロカリスなんて本当に発生しているのか。
「あそこのビルのやつってアノマロカリスじゃない?」
2キロほど先のビルの上層に何か黒いものが見えない気がしないでもない。
「ほんとだ。アノマロカリスってあんなんだった気がする」
「じゃああそこのビル目指そ」
「おー」
しばらく歩いて近くから見てみるとそれっぽい生き物がいる。
「私は先行って見てくる」
「私も〜」
イルさんは空を飛んで、カレンさんは壁を走ってる。
ヒューマンのことを考えろよ。
結界を出して足をかける。
一枚出して一枚消してを繰り返して一歩ずつ上へ進む。
「はぁ······はぁ······」
流石に数十階まで来ると疲れてきた。
「俺はもう無理だ。乗せてってくれ」
「キュル?」
「頼む」
「キャル!」
背中に乗っかって進み、すぐさまビルの屋上に降り立つ。
「多すぎだろ······」
数百匹のアノマロカリスが悠々と空を飛んでいる。
それを二人の亜人が次々と撃ち落としている。
「あっレル来た」
「ここ終わったら他のビル行くわよ」
周りの景色を見てみると所々ビルの屋上に黒い影が見える。
「うへぇ」
アサルトライフルの弾を殺傷能力の低い物に変えて構える。
屋上から落ちないように頭上のアノマロカリスだけを狙う。
ふと二人がどうやって狩っているのか気になって周りを見渡す。
「ていっ!」
カレンさんは手刀でいけるのか。
強すぎるだろ。
イルさんもバカ長い棒で叩き落として虫カゴに入れている。
······俺は散らばったアノマロカリスを集める役割をするか。
「よーし!ひとつ終わりぃ!」
落ちたアノマロカリスを全て回収してから腰を下ろす。
「じゃあ次行きましょうか」
「おー」
いやまだ休みたいんだけど。
あーあ先行っちゃったよ······。
面倒だし少し経ってから行くか。
今回ちょっと短くて申し訳ありません。
次回は元の長さに戻すよう頑張ります。
以上羊木なさでした。