ビル上での狙撃
「勝者なり」
目の前の天使がこれでもかと勝利を自慢してくる。
「だからわかりましたって」
「ンンッ······ではレルの護衛だが、私が引き受けよう」
「えぇ······」
「だって暇だし」
「まあいいんじゃない?」
「レルが死んだらソノをぶっ殺すからねー」
「任せとけ」
俺に拒否権は与えられることはなく、ソノさんが俺の護衛になったのだった。
その数時間後、俺はまたビルの屋上でスナイパーライフルを構えていた。
「レルレルー、それはどこのスナイパーライフルなの?」
「これですか?これはセールで売ってた名前も知らない銃です」
「じゃあ昨日使ってたアサルトライフルは?」
「あれは知人が新調するからって譲ってくれたやつです」
「じゃあ霊刀は?」
「それも閉店セールで売ってたんですよ。せっかくなんで買っておきました」
「大太刀は?」
「道端に落ちてたやつです」
「君は本当にものにこだわりがないな······」
「そっちの方が気が楽ですよ」
戦場じゃあ武器は使い捨てなんだよ。
「というか武器とかってどっから出してるの?」
「簡単な構造のものは能力で顕現させて、複雑なのは格納ポケットに入れてます」
「へー」
「あ、ターゲット発見」
「撃っとけ撃っとけ」
「はーい」
サイレンサー付けてるから音はそんなだけど避けられてしまった。
『私行きまーす!』
『援護行くー』
2人の分霊がそう言って静かになった。
「援護行きますー?」
「いや、逃げた時のために待機」
「はーい」
分霊が急に騒ぎ出した。
『おら死ねぃ!』
『じゃあ四肢切り落としますねー』
なんだか物騒な事が聞こえて来たな······。
どうするか。
「······援護行きますかぁ」
「はーい」
ターゲットが死ぬ前に辿り着かなくては。
分霊をしまってビルから飛び降りた。
昨日弾丸と一緒に買った生き物を右ポケットから出す。
また借金が増えちゃったな······。
そろそろ友人に連絡取って今までの借りを返して貰わないと。
そうすればいくらか金欠からは抜け出せるだろう。
「あっちの方までお願いな」
「キャゥルルル」
「えーなにそれー」
「ドラゴンの幼体です。知り合いの武器屋が安く売ってくれたんですよ」
「······そういえばカレンちゃんって虹竜の鱗が好物だったような」
「まだ小さいから流石に食べないでしょ」
「まだわかんないよー」
「キュルルル」
「······お前は虹竜にはしないから安心しろ。するならスピード特化のやつだな」
風龍か晴竜か、それとも光龍か。
まあ時期が来たら考えるか。
「じゃあ天龍にしよう!」
「勝手に決めないでください」
天龍もスピードはなかなか速かった気がするしそれでもいいんだけどな。
「おーい!」
カレンさんがこちらに手を振っている。
そしてターゲットは無惨な姿になっていた。
「これ生きてる?」
「「ギリ」」
「はぁ······」
ソノさんのため息が妙に大きく聞こえた。
関係ないですけどドラゴンの成長先は2つあって1つは『龍』でもう1つは『竜』です。
『龍』は概念的に広い方を見に宿してて、『竜』の方が1つの概念だけを宿してる感じです。
わかりやすく言うと『天』よりも『晴』のほうが特定しやすいみたいな感じです。
わかんなくても何も問題ないのでこれはただのおまけです。
ついでにそろそろ用事があって『小説置き場』の方にストックを投稿するかもです。
そのときは忙しいんだなって思っててください。
それではまた会いましょう。