13/67
二人の王子
とても名君と呼ばれた国王には、二人の王子がいました。
一人は、正妃から生まれた男の子。
第一王子でしたので、王太子となりました。
もう一人は、国王の幼馴染みから生まれた男の子。
第二王子は、とても国王にそっくりでした。
第一王子は、人並に優秀でした。
第二王子は、神がかりに優秀でした。
できの違う二人に、正妃は分け隔てなく愛情を注ぎました。
名君と呼ばれた国王は、王子二人の教育は正妃にまかせ、北の砦の国境を守る戦いに出ました。
国王の力はすさまじく、国王が生きている間は停戦する条約が結ばれました。




