第二の人生へ
「これで最後だー!」
「ぐへぇ!」
「ふぅー、魔王軍最後の四天王、案外あっけなかったな」
「勇者様が強すぎるんですよ!」
「このままサクッと魔王もいっちゃいましょう!」
「そうだな、魔王討伐も遠くない!みんな俺に着いてこい!」
「はーい!」
それから数十年が経った。とある遺跡の研究所
1人の男が目を開ける
「あぶね〜、最後に魂移魔法掛けといてよった〜」
そう、俺は勇者に殺される前日に保険として魂移魔法
自分に掛けといたのだ。
「魂移魔法」俺が作った魔法だから名前は適当
肉体が死ぬと魂が別の肉体に宿る魔法
そして魂の移動先は俺がクローン技術で作った人間の魔族のハーフの肉体だ。
そうしないと器として持たない気がしたから。
100%魔族でも良かったんだけど、死んだのなら違う人生歩みたい。
そして見事、魔法は成功。第二の人生始めちゃおうと思います。
とりあえず近場の街に赴いて情報収集だな。俺が死んでから数10年は経ってる。
あの勇者の強さならひょっとしたら魔王様死んでるかもな。
町に行く前に魔法で体の魔族の部分は隠さないとな。
カッコつけで角とかつけちゃったし。
「お、近くに程よい大きさの町があるな」
「名前は『サンタカル』かよし行ってみよう!」
町に到着。
「とりあえず情報と後は仕事を探さないとな」
「まずは、酒場でしょ!」
ギィーっと酒場の扉を開ける。
中では人相の悪い輩や、普通の人まで様々な人が居た
とりあえず空いてる席に座って隣の奴に話しを掛けてみよう。
(お、ちょうど奥に座れる場所あるな、あそこにしよう)
座ってお酒を注文する。
隣の奴に話し掛けてみるか。(ちょっとドキドキするな)
「あの」
「あ?」
「なんでもないです」
「ちっ」
(いや〜、人間こわ!もう無理心折れそう)
(諦めるな、俺は魔王の四天王だった男これぐらいのことどおってことないさ)
今度は反対の奴に声を掛けてみる。
「あの」
「あぁん?」
「魔王様ってまだ生きてます?」
沈黙が辺りを埋め尽くした。
(あ、やばい、人間なのに様を付けてしまった)
(バレたか?逃げる準備しとくか)
「わっはは〜」
「今の聞いたか?魔王だってよ」
周りがざわつき始めた。
「あんちゃん、田舎から出てきたのか知らねーが
魔王は数十年も前に勇者様に討伐されたぜ」
(まじか、やっぱりな〜、だって勇者めっちゃ強かったもん)
「あはは〜」
(とりあえず笑って誤魔化そう)
「あんた名前は?」
俺の名前?四天王時代の名前は使えないから、
「ウィル・シール」(今適当に考えた)
「この町じゃあ聞かない名前だな」
「最近この街に来たんだ、おっさん名前は?」
「おっさんってまだ30だ」
(見えねーよ)
「俺の名前は『トニ・マース』トニって呼んでくれ」
「じゃあ俺はウィルって呼んでよトニ」
「よろしくな」
「ところで早速で悪いんだがトニ、仕事ないか?」