窓辺
窓からの
ひかりの柱が
いいようもなく頽廃して
わたしは
わたしにすらならない
夏の終わりをぬるく寂れる
廃墟じみた身体
魂のぬけおちていく感じ
純粋な夢はベッドにとけて
すこし汗のにおい
かなしみを
主張するほど
かなしくない
夏の終わりの窓辺
ひかりが
部屋を灼いて喉を焦がして
ばらばらになった記憶どもの端くれは
次第にすべて嘘にみえた
意味を懇願するいきものとして
愛するもののない窓辺
この部屋はすでにもぬけの殻で
わたしはここにいない
ここにいない
誰かの顔した写真が色褪せていく
夏の終わりだ