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カボチャの記憶

作者: ばんらん

ふっと考えてぱっと書いた内容です


とある世界のとある国のとある貴族だった人間の話


その者に名前は存在しない、人だったころに名前はあったはずだ。

でも今のそれには、名前という概念はどこにもない。

自分の名前も声も忘れてしまった、しかし残酷なことに愛する家族だったかもしれない人間の事は忘れられないでいる。

ほんの軽い気持ちでカボチャのお面をつけて息子を驚かせようとした、妻も横にいたはずなのに横にいたのは妻かもしれない女性だった。 

でも横にいる女性は、泣いていた。

何で泣いているんだろう?

どうして私を見て泣いているんだろう?

どうしてって思っていたら奥にある鏡を見て男は確信した。

男は、カボチャになったのだと。


横にいる女性は、「貴方、ごめんなさいごめんなさい」とずっと言っている。

なんで謝っているのか、どうして泣いているのか理解はできないでいるとカボチャになった男が女性に対してこう言った。

「また泣かせちゃったね、ごめんね」と。

はて?カボチャは思った、「また」とはどうゆう意味だろうと、目の前にいる女性は誰かわからないのになんで言ったのかがわからないが

カボチャは、ここにいても目の前の女性が泣いてしまうのでどこかに行こうと。

私は、カボチャだが足も手もある体は子供ぐらいだが服も着ている。

きっと時間がたてば何か思い出すに違いないと勝手に解釈して泣いてる女性がいることをなかったのように屋敷を出ていってしまった。


カボチャは、いろんな場所に行った。

西へ東へ北へ南へ色々行った。

でも行く先々でカボチャは、泣かれ叫ばれ誰も近寄ろうともしなかった。

でも時間がたつにつれ、少しずつ少しずつ話す人が増えてきていた。

そんな時、とある辺境の所にいると近くの領主が街に住んでみないかと言ってきた。

なんで?っと思っていたら領主は、難しい顔をしてこう言った。

「お詫びだと」

カボチャは、意味がわからなかった。

なにかしたことのされたこともなかったが初めて街に住んでみないかと言ってくれる人に会えたのでそんなこと考えずについていった。

きっと何とか住めるような家なんだろうと考えていたらそこにあったのは、領主の敷地内にあるキレイな家だった。

カボチャは、困惑した。

でもお礼を言わずにいるのは失礼なので「ありがとうございます」というと領主は、ひどく悲しい顔をして「いいんだよ」と言ってくれた。

カボチャは、どうしてっと思ったが何年ぶりかの家に嬉しかったのか気にしなくなった。

久しぶりの布団、屋根にカボチャは嬉しかったのかその日は久しぶりにゆっくり寝れた。


翌朝、カボチャのもとに一人の女性が来た。

女性は、「今日からあなたの世話をいたします」と言ってきたがカボチャは「大丈夫だよ」と言って断りました。

その後すぐに領主が来られて世話役がいたほうがいいと言われたからいてもらうことにした。


彼女の名前は知らないけど聞くこともなかった。

ただいつも近くにいてくれて食事の時も寝る時も近くにいてくれた。

そんな彼女にカボチャは、ふっと「いつも一緒にいてくれてありがとう」と言うと彼女は領主と同じように悲しい顔になってしまった。

カボチャは、「何が悲しいの」と聞くが彼女は答えられなかった。

その日は、そのまま聞くこともできず寝ることにした。


朝になるとその日は、いつもと違ったことがあった。

彼女がいなかった。

料理はあるがそこには誰もいない。

いつもいた人がいないだけでこんなにも変わるんだと思った。

しばらくすると領主が来て、彼女の体調が悪いので今日は来れないと言われた。

カボチャは、残念と思った。

今まで一度でもそんなことを思ったことがないのに初めてそう思った。

カボチャは、領主にお大事にと伝えてほしいと言ったが領主はまた悲しい顔をしていた。

どうしてそんな悲しい顔をするのかわからないカボチャには、表情存在しないからどうしていいかわからない。

それから三日、五日、七日、そして十日過ぎても彼女は来ずカボチャは、彼女に会いに行こうと領主がいる屋敷に歩いて行った。

屋敷に着くと領主が驚いていた。

どうしたのかと聞かれたが、お見舞いに来たというと喜んでくれたがまた悲しい顔に戻ってしまった。

領主に案内されてついていくと「ここです」と言われ部屋を開けるとベットの寝ている彼女を見つけた。

彼女は、いつもより顔色が悪いようで辛そうだった。

近くにいる領主も辛そうだった。

そんな時彼女が目を覚ましたがカボチャを見るとまた悲しい顔をしてしまい泣いてしまった。

カボチャは、そんな彼女に「また泣かせちゃったね」と

この言葉はどこかで言ったことがある言葉だと思っていると彼女も領主も泣いてしまった。

でもいつもと違うのは、笑顔で泣いていることだった。

カボチャは、少し昔を思い出した。

カボチャにも家族がいた両親がいた。

涙もろい妻と世話焼きな父が。

でもカボチャは思いだせない、目のまえにいるのがその二人だと。


その夜カボチャは、手紙を書いていた。

お世話になった二人にだ。

本当に楽しかった、悲しい顔をしたのは、残念だったけれどもあの日から生きてきたけどこんなにも嬉しい日はなかった。

でもカボチャの時間は、おしまいが近づいていた、

見た目がカボチャでも中身は、人と変わらないので体の衰えはわかってしまう。

ホントは、領主に声をかけられた場所でと思ったけどこんないい場所で終われるのが嬉しかった。

領主も彼女も悲しい顔をしないでくれたら嬉しいなっと鼻歌交じりの声で手紙を書いている。


翌朝、カボチャはいなかった。

どうしたのかと捜すも見つからず、あったのは手紙と椅子にある小さな灰の山。

手紙には「楽しかった」と書いてあった。











そのカボチャはどこにいる?


きっと近くにいないけど


街のどこかで笑ってる


夜は、一人で森の中


笑った顔を見せたなら


夜は陽気な鼻歌が聞こえてくる


                                           おしまい





カボチャで例えたが書いている最中に現代にもありそうな内容に見えてしまいちょっとテンションダウン。

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