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第九十二話 フトッチョが魔物化!?

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇ジランド王国城・謁見の間◇◇


 ネクラ、騎士貴族の妻たち、正体不明の団体が謁見の間に入場し、玉座を見るなりに口をあんぐりする。


「ば、馬鹿な!!何故、生きている?!」


 額に血飛沫を上げて倒れたはずのランドルフ王が玉座にてふんぞり返っていたのだ。 


「お前たちが国家反逆者たちだな。」


 ランドルフ王が手を挙げると近衛騎士団の騎士たちが一斉に登場した。


「(馬鹿な馬鹿な馬鹿な!?最強暗殺者はしくじったのか?!い、いや、近衛騎士たちの数が多い!!準備されていたとでも?!ま、まさか罠?!)」


「に、逃げ・・・」


 ネクラたちが一旦逃走を図るも、造形散りばめられた大きな扉は強固に閉まる。


「フォルトゥナ創造神様の御力、お借りします。」


 ランドルフ王が畏まり、敬意を表するポーズを取り、次の瞬間、手をかざす。その背後にフォルトゥナ創造神が幻影として現れる。


「王の威光・ひれ伏せ!!」

※王の威光はランドルフ王にだけ持つ王たるスキルで発動範囲はジランド王国内に限る。


 ネクラたちが体のいう事を聞かないのか、土下座体勢を強制的に取らされた。どうやら国民たち向けの演説で騒いでいた国民たちを黙らせたのもこのスキルあってこそのことだったようだ。


「拘束せよ。」


 ランドルフ王が冷静に近衛騎士たちに指示し、ネクラたちを捕まえる。


「な、何故、生きているのですか?!確かにあなたは頭を貫かれたはず・・・。」


 ネクラの疑問にランドルフ王が答える。


「お前たちの行動は筒抜けだったと答えよう。」


 その答えにネクラは最強暗殺者の裏切りが確定された。


「(やはり最強暗殺者は信用ならなかった!!私はランドルフ王暗殺に興奮したが故に歴史の転換を立ち会いたく、ここまで来てしまった!!大人しく傍観していれば、フトッチョ様に押し付けることが出来たのに・・・。)」


 ネクラはがっくりと肩を落としてしまう。


「騎士貴族の妻たちに、国政貴族のいくつかの顔ぶれです。見覚えあります。」


 近衛騎士たちが一人ずつ顔を確認すると捕まえた正体不明の団体は国政貴族も含まれていたようだ。


「やはり協力者がいるとは思っていた。大方、権力や金に目が眩んだのだろうな。芋蔓方式で処分するとしよう。」


 ネクラたちが「ち、違うんです!話を聞いてください!!」などとその場紛れの言い訳を述べるが、ランドルフ王は耳を貸さない。


「終わったのか。お疲れさん。」


 近衛騎士団長を務めるカインズが登場した。


「カインズ、遅いぞ。」


「ウルスたちの蜥蜴族使節団の安全を優先してたんだぞ。」


「あぁ、そうか。・・・どっちつかずのオウギがこちらについてくれたのは感謝する。」


「ジランド王国の未来を憂慮してくれたんだろ。」


 最強暗殺者オウギはランドルフ王暗殺を成功したように見せかけて、国家反逆者の炙り出しを行っていたのだ。


「しかし、オウギは自らを犠牲にジランド王国の未来を・・・。」


「いや、オウギのことだ。逃げるに決まっているだろ?俺を前に土下座したくらいだ。」


 カインズが余計な心配はするなとランドルフ王に見晴らしの高台に親指を差す。


「国民たちが心配している。早く行け。」


「あぁ。」


 ランドルフ王は再び、見晴らしの高台へ。そして国民たちの前に立つ。


「皆の者!!騒がせて申し訳ない!!私はこの通り生きている!!」


「ら、ランドルフ王!ランドルフ王!ランドルフ王万歳!!」


 ランドルフ王がガッツポーズを取ると悲劇こもごもしていた国民たちが歓喜に変わるが如く歓声が上がった。これでさらにランドルフ王と国民たちとの絆が深まったことだろう。ここまでがランドルフ王の想定内と言えるシナリオだったのだ。だが、その想定は時には悪意が超えていくのである。


「(フトッチョ様、助けてくださいよ・・・。)」


 拘束されているネクラは藁にすがるかのように思い馳せるのであった。


◇◇◇◇◇



 フトッチョの屋敷が半壊し、魔導人形ガーディアンがスクラップになった。そしてボコボコ顔のフトッチョはジランド王国騎士団によって手錠をはめられ、拘束されていた。


「ば、馬鹿な、ランドルフ王が生きているだと・・・。」


 国中に響き渡る音声魔道具にて、ランドルフ王の生存を知ったフトッチョが口をあんぐりした。


 ジランド王国騎士たちもリーゼたちも安堵の表情であった。


「(ランドルフ。心配は杞憂に終わったのか?)」


 リュウがランドルフ王暗殺騒動の一部始終が全く見えず、最終的に生きているということだけはわかった。


 ラインゴッド騎士団長が経緯確認のため、リーゼと話し込む。


 その間、リュウは拘束されてるフトッチョを忌々しく見る。


「・・・フトッチョが捕まった今、俺の怒りのやり場はどこに向ければいいんだ?」


 リュウがわなわな震える。※魔導人形ガーディアンとの戦闘で早々に離脱してしまったのだ。


「そこのガラクタにぶつけたらぁ?」


 クレアがスクラップとなった魔導人形ガーディアンに指差した。


「・・・こいつはどうだった?」


「見かけ倒しね。せいぜいBランク魔物くらいね。」


 クレアが大したことないと言わんばかりに肩をすくめた。リュウが「・・・これがさらに強くなれば脅威だな。」と顎に手を当てる。


「リーゼとクレアの大喧嘩、すごかったニャ・・・。」


 ひゃぁ~とおどけるメイファ。アイリンもコクッと頷いた。


「クレア。リーゼと仲良く・・・とは言わんが、喧嘩はほどほどにな。」


 リュウがクレアをたしなめた。


「リーゼが突っかかってくるのよぉ~。だけど、それがまた面白いのよねぇ。」


 クレアがクスッと笑う。クレア自身がドラゴン故にこれほど突っかかってくる人間が面白く感じてるようだ。


 リーゼに経緯確認したラインゴッド騎士団長が言葉を発する。


「なるほど。ランドルフ王暗殺はフトッチョの差し金。さらに多くの魔導人形ガード、そして魔導人形ガーディアンを使って、クーデターを企てていたのか・・・。」


 リーゼと話終えたラインゴッド騎士団長がジロッとフトッチョのほうを見た。


「国家反逆罪も追加となれば、死刑は確定だろう。お前は罪を重ねすぎた。この儂自らの手で首をはねてくれよう!!」


 ラインゴッド騎士団長が冷酷な表情で背にある大剣を取り出した。


「ひ・・・待ってくれ!!我輩を殺すのか!!昔からの付き合いだろう!?」


 拘束されてるフトッチョが恐怖のあまりにバタバタする。


「お前は騎士伯爵貴族にあるまじき傍若無人な振るまいに頭を痛めていた。私利私欲の限りを尽くした。そのツケが返ってきたんだ。」


 ラインゴッド騎士団長が見下すと同時に周囲にいたジランド王国騎士団の面々も冷たく見下していた。リーゼたちも自業自得と言わんばかりだった。


 フトッチョがギリッと悔しがるかのような表情した。過去に若かりしフトッチョの陰口を叩く言葉が思い起こされる。


◇◇若かりしフトッチョの回想◇◇


「フトッチョは先代ギルドマスターの息子なのにデブなんだな。実力ねーのに威張るなっつーの。」


「フトッチョが嫉妬からカインズばかり威張り散らしてみっともねぇ。」


 同年代の騎士貴族がフトッチョに陰口を叩く。そして先代ギルドマスターの父も穀潰しの存在となったフトッチョを見下す。


「お前は騎士伯爵貴族の恥さらしだ。カインズを見習え。カインズは素質がある。やがてジランド王国の守護たる騎士になるだろう。」


◇◇回想終了◇◇


 ラインゴッド騎士団長がフトッチョの首に大剣を当てる。


「何か言い残すことがあれば聞いてやろう。」


 その一部始終を見届けるリュウとクレア。


「ふぅ~ん。人間が悪事を働いた人間を断罪するのね。」


「あぁ。弱肉強食の世界を生き抜いた俺たちと力を合わせて生きる人間とは考えが違う。人間になったからには強ければ何をしていいというわけではないぞ。クレア。」


「あらぁ?強ければそれもまた正義になることもあるわよぉ?」


「・・・俺たちは過去に人間を殺しすぎた。いずれ人間が俺たちを断罪する日が来るかもしれん。」


 リュウはカインズがディモール王国のハゲデブ王の首を取ったときのことを思い出す。普段はおおらかで豪快に笑い飛ばすような人間だが、ハゲデブ王の首を取った時のカインズは非情に冷酷だった。(第一章 三十二話参照)


「そうならないために人間と仲良くしようって話~?まぁいいけどねぇ。」


 リュウとクレアはドラゴンとしてのあり方を話し合っていた。


 ジランド王国騎士団によって囲まれる中、フトッチョが懐に手を入れる。


「我輩を・・・見下すなぁぁぁ!」


 フトッチョは魔物化の玉・・・グロテスクな玉を取り出した。そしてそれを飲み込む。


「!?」


 ラインゴッド騎士団長がフトッチョの不審な行動に気付き、即座に首をはねようと大剣を振りかぶる。途端、フトッチョから白い煙が噴出した。


「な、なんだ・・!?」


 ラインゴッド騎士団長が思わずのけ反る。リュウとクレアが見覚えあると言った表情した。


「あら?白い煙?・・・人化魔法に似てるわね?」


「まさか・・・変身か?」


 白い煙が晴れるとフトッチョの異形な姿が現れた。その姿は全長5Mの大蜘蛛で左右に三本の足が付き、地に這う。その胴体に上半身の半裸フトッチョが乗っていた。


「な、なんだこりゃぁ!!人間が・・・魔物になった!?」


 ラインゴッド騎士団長が驚き、リーゼたちもまた驚いた。


「これはSランク魔物のヘル・デーモンスパイダー!?」


 知識博識のアイリンが目を見張る。


「半分が人間で半分が魔物なんて異形ね・・・。」


 リーゼが剣を構える。魔物化したフトッチョが自分の姿を眺め、「ふふふははははー!!」と高らかに笑った。


「力が漲る!!これなら欲望のまま思い通りに生きられる!!」


 ラインゴッド騎士団長とリーゼ、メイファ、アイリン、周囲を囲んでるジランド王国騎士団が構える。


「そうはさせないわよ!!」


 フトッチョがリーゼたちを含め、周囲に囲まれているジランド王国騎士団の面々を眺める。


「やれ!ヘル・スパイダーデーモン!!」


 フトッチョにくっついてるヘル・デーモンスパイダーに指示した。


「蜘蛛魔法・蜘蛛粘着陣!!」


 地面に蜘蛛の巣のような陣を発生させ、その場にいた全員の体を蜘蛛の糸で絡み取り、動きを封じ込めた。


「動けないニャー!!」


 メイファがジタバタしながら、絡みつかれた蜘蛛の糸から脱出を試みる。


「これはまずいわ・・・!!」


 リーゼが焦る。


「ははははー!!ヘル・デーモンスパイダー!!腹減ってるだろう!!さぁ食え!!」


 ヘル・デーモンスパイダーがウキウキしながら、ジランド王国騎士団の一人に近づこうとする。


「そうはさせるか!気合い衝撃波!!」


 蜘蛛の糸によって、体を封じ込められてるラインゴッド騎士団長が衝撃波で糸を破り、フトッチョに斬りかかる。


 ヘル・デーモンスパイダーは器用に前部の左右一本足で白刃取りをし、ラインゴッド騎士団長に向けて口を開く。


「糸鋼線!!」


 糸を束ねた光線のようなものがラインゴッド騎士団長の全身鎧の胸部分をぶち破る。このまま致命傷を与えんばかりの勢いだった。


「まずい!!気合い防御!!」


 ラインゴッド騎士団長が咄嗟に防御スキルを発動し、吹っ飛ばされた。


「ははは!カインズに次ぐ実力者のラインゴッドを圧倒するとは!!さすがヘル・デーモンスパイダー!!」


 フトッチョが高らかに笑いながら、リーゼに向く。


「リーゼぇぇ!さっきは我輩をよくも殴ってくれたなぁぁー!!お前から食ってやる!!」


 蜘蛛の糸によって動けないリーゼに近づくフトッチョ。


「火魔法を・・・誰か火魔法で糸を燃やして!!」


 リーゼが焦り、叫ぶ。


「火魔法(下級)(弱体化)・ファイア。」


 リュウが蜘蛛の糸で絡まれてるリーゼを軽く燃やした。


「すまない。俺たちも動きを封じ込められ、手間取った。」


 リーゼが残った蜘蛛の糸を無理矢理引き剥がし、リュウとクレアと並び立つ。


「ジタバタしてて面白かったわよぉ~。」


 クレアがリーゼをからかった。


「クレアもジタバタしてたがな。」


 リュウがツッコミを入れた。


「それは言わないでよぉ~。」


 クレアが頬を膨らませ、リュウにペチと軽く叩いた。


「はははー!誰が来ようとも負ける気がせんわー!!さぁ、ヘル・デーモンスパイダーやれ!!」


 フトッチョがヘル・デーモンスパイダーに指示するも動かない。


「・・・ん?どうした!?やれ!!」


 フトッチョが騒ぐが、ヘル・デーモンスパイダーはリュウとクレアを見て、「・・・・。」とバッと身を翻し、逃走した。


「な、な、なんだぁー!?」


 ヘル・デーモンスパイダーの胴体にくっついてるフトッチョが訳わからないといった表情した。


 どうやらヘル・デーモンスパイダーはリュウとクレアがドラゴンということを感じ取ったようだ。


「逃げた!まさかSランク魔物が?!」


 リーゼが唖然とした。リュウとクレアがあちゃーと原因が自分たちとわかったようだ。


「国中を動かれると国民たちに被害が出てまずいわ!!」


「ここの強硬突入に多数の騎士を投入したから、城下町の警備がいつもより手薄だ!!」


 リーゼが焦り、ラインゴッド騎士団長が慌てる。


「アタイたちを解放してニャー!!」


 メイファ、アイリン、ジランド王国騎士団が蜘蛛の糸に絡めとられ、動きを封じ込められたままだった。


「くっ・・・。」


 ラインゴッド騎士団長とリーゼはフトッチョを追いかけるべきかこの場で態勢を建て直し、追いかけるか判断を迫られていた。それを見たリュウとクレアが声をかける。


「リーゼ。俺たちが追いかけるから、この場は任せた。」


「ゆっくり来るといいわぁ。」


 リュウとクレアがバッと駆け出していった。


「リュウ!クレア!!」


 リーゼが後ろ姿を眺め、「・・・わかったわ。」とメイファたちを蜘蛛の糸から引き剥がしにかかる。


「気配探知(弱体化)!!」


 リュウが気配探知スキルを使い、フトッチョの行方を調べて、追いかける。その頃、ヘル・デーモンスパイダーとフトッチョはリリスのいる孤児院に向かっているのであった・・・。

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