第八十七話 ジランド王国騎士ロックの仕事
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
◇◇ジランド王国◇◇
二つの角付きの強面顔でしゃくれ顎の屈強な男性ことロックがジランド王国の騎士として、警備に奔走していた。ロックはジャイアントロックドラゴンが人化魔法により、変身した姿である。そしてジランド王国騎士団に入団し、実力は瞬く間にラインゴッド騎士団長に次ぐNO.2の立場に登り詰めた。
そんなロックは副団長を前に騎士たちと共に整列していた。
「今日はデモ行進申請により、警備は通常より厳重となる。いいか。小競り合いになっても手を出すんじゃねぇぞ。守るべき国民たちに傷つけるとあっては、問題になるからな。」
副団長が部下たちに通達を出す。
「・・・以上だ!解散!!」
副団長がその場を立ち去るとロックが首を捻る。
「でも?デモ?何ダスか?」
デモ行進の言葉に意味がわからないロックの疑問に身近にいた騎士たちが答えてくれる。
「あー、デモンストレーションって言ってな。権利の主張ってやつだな。」
「今回はあれだよな。戦争で没落しかけている騎士貴族の妻が騒いでるんだよな。」
「生活があるのはわかるが、そこまで貴族にしがみついてみっともねぇって。」
騎士たちが面倒くさそうに苦笑いしていた。
ロックが「???」とますます訳わからなかった。
「まぁ見てりゃわかるさ。うるせぇってだけだ。」
騎士たちの言葉を受けて、ロックはとりあえず頷いた。
「(見ればわかるダスか。)」
ロックは騎士としての仕事である警備でデモ行進を目撃する。
◇◇デモ行進◇◇
ジランド王国城に向かって声を張り上げる騎士貴族のヒステリック母達とそれに同情する正体不明な団体。
「ランドルフ王様!私たちをお見捨てになられるのですか!?」
「私たちの夫、子供たちは国に命を捧げました!その仕打ちがこれですか!?あんまりではありませんか!!」
「救済策について、再度考慮を!!私たちの生活の保障を!!」
貴族としての生活保障を!!の垂れ幕を手に持ち、行進していた。それに加え、批判のチラシをジランド王国の上空から振りまいていた。鳥人がアルバイト感覚でチラシを上空から配っているようだった。
その様子を見たロックは困惑することになる。
「(貴族と国民たちの温度差があるダス。)」
デモ行進で騒いでいるのは騎士貴族の妻と正体不明の団体だけで遠巻きに眺める国民たちは失笑したり、我関せずを決め込み、いつも通りに生活していた。
◇◇ジランド王国城◇◇
「何か騒いでますな。」
「やれやれ、騎士貴族は阿呆ばかりですな。」
「相手にするまでもないでしょう。放っておきなさい。」
ランドルフ王の周辺の国政貴族たちがデモ行進に呆れて、自らの仕事に勤しむのであった。
◇◇フトッチョ邸宅◇◇
「言う通りにしましたがねぇ・・・。」
ネクラがフトッチョに対して、肩をすくめ、もっと言いたげな表情であった。
「うむ。デモを起こさせて、ランドルフ王の求心力を削ぐ。」
フトッチョは計画通りの進行と微笑む。
「孤児院の助成金を打ち切ったことでリリスが困るだろう。やがて我輩にすがりつくことは間違いないだろう。」
フトッチョは紫色のワインが入った透明なグラスを高々に上げながら、色合いを楽しむ。確かにその段階でリリスは助成金を打ち切られ、悩んでいた。だが、のちにガイアスとクレアに助けられることとなる。そのことをフトッチョはまだ知らないのである。
「そろそろ部下が魔香瓶を使い、蜥蜴族を殲滅した頃合いか?カインズの落胆ぶりが目に浮かぶ!!」
フトッチョの成功絵図としてはこうだったのだろうが、リーゼの奮闘により、失敗することとなるが、その段階でフトッチョはまだ知らないのである。
「これで宙に浮いたオリハルコンとミスリルの鉱床をなんとしてでも手に入れねばな!!よし、我が親衛隊を至急に送り出し、占領しよう!!おい!」
フトッチョの側近である元締め代理に指差す。
「我が親衛隊を西のルクテシア方面、蜥蜴族の住み処だったであろう鉱床に向かわせて占領するように!!」
「は、はい!」
元締め代理が指示通りに奔走すべくフトッチョの部屋を後にする。
「ふふふ・・・はーははは!もうすぐだ!王族をひれ伏し、リリスを我が妻になる瞬間がな!!」
フトッチョが高らかに笑った。その大声に側近の元締め代理は手を顔に当て、天を仰いでいた。
「(妄想じみた引きこもり野郎めが!最強暗殺者の言う通りかも知れねぇ!)」
元締め代理は流石に今後の自らの身の振り方を考えるようになった。
影ながら、そのやりとりの様子を目撃している最強暗殺者は「リリス・・・。」と呟くのであった。
◇◇数日後◇◇
デモ行進であれだけ世間を騒がせたはずが、効果はイマイチのようで次第に通常の生活に戻りつつある。
「どういうことだ!?」
フトッチョの想定に大幅な乖離があったようで大声でめわく。ランドルフ王の求心力を削ぐに至らなかったようだ。
「キヒ、時期尚早でしたねぇ・・・。」
ネクラはわかっていたのか動揺すらしなかった。
「このままではデモ行進を続けても金をいたずらに消費してしまう!!ならば、王家の秘密を暴露する!!」
「キヒヒヒ。それならばダメージは与えられるでしょう。」
「おい!王家の秘密を証拠と共に流せ!!」
「わかりました。」
またもや元締め代理に仕事を押し付け、フトッチョの部屋を後にする。
「我輩がランドルフ王に正義の鉄槌を下してくれるわ!!」
その大声に元締め代理は焦る。
「(だめだ!!機を見て逃げ出そう!!それがいい!!)」
影ながら潜む最強暗殺者は「(事を起こすか。ならば・・・。)」とその場から立ち去る。
◇◇◇◇
翌日、新聞の見出しに王家の血筋に疑いあり!!と大きく載っていた。おまけに王家の家系図も。
その新聞の記事によると
「ジランド王国の王であるランドルフ・アルフリート五世は初代ジランド王の子孫ではない!王家の家系図の証拠を載せてあるように初代ジランド国王の配偶者はアルテミシア。これは我々が学んだ歴史ではエリエリザベート王妃となっていたはずだ。アルテミシアなどという名前は聞いたことがない上にその者が王家の配偶者として存在している。」
「これは初代ジランド国王が国賊という説に現実味が出てきてしまう。何故なら、ジランド王国の前身がワルーイ王国の名称であり、その国を覇竜が滅ぼした。その国をジランド様が乗っ取ったのではないか。また、魔物を使ったクーデターの見方もある。その為、初代ジランド国王が国賊説という話に繋がってしまう。そしてジランド王国は総力を挙げ、覇竜を神格化にするように誘導されている。」
「ディモール王国との戦争に、亡国ルクテシア王国とのアンデッド大群の戦争にしても、覇竜が出てきているあたり、おかしいと思わないだろうか。これらの首謀者ダークに目を向けさせ、裏ではジランド王国と覇竜は繋がっている。つまり芝居による戦争ではないだろうか?ジランド王国の謀略のために国民を殺したのではないか?となれば、真の敵はジランド王国ではないだろうか?」
まるで週刊誌の飛ばし記事のような書き方ではあったが、戦争で多数の死者、そして王家の家系図という証拠が効いたのか、疑いを持ち出す国民たちが次々と出てきた。
そして何度も繰り返されたデモ行進が息を吹き返すかのように騒ぎが大きくなってきた。
「ランドルフ王様に初代ジランド国王の血は引いてないのか?!」
「俺の友人が亡くなったんだ!それがジランド王国の謀略となれば、ランドルフ王様に信じてついていっていいのか?!
」
「ランドルフ王!これは真実か!?嘘なのか!?」
ジランド王国城の前で騒ぎ立てるデモ行進者たち。その中には我関せずを決め込んんでいたはずの国民たちも含まれていたのだ。
その様子に警備していた騎士たちも動揺が走る。中には自らの国に対して疑いを持ってしまった騎士もいるようだ。
「(数日前とは違って、勢いがあるダス。無理矢理押し通されたら、まずいダスな。)」
城門を警備していたロックもデモ行進者の勢いを抑えるのに苦労していた。
◇◇ジランド王国城◇◇
「これはちょっとまずいんじゃないでしょうか。」
国政貴族たちに数日前にあった余裕が今はなくなり、焦りが出てきていた。
「皆の者よ。静まれ。国民たちに向けて、会見の場を作ろう。」
ランドルフ王は淡々と周辺の国政貴族たちを指示していた。
「(フトッチョめ。やりおったか。)」
ランドルフ王は想定通りだと言うべき行動を起こしていたようである。
◇◇リュウ邸宅◇◇
「五月蝿い。」
「今日は特段、騒がしいわねぇ〜。」
ガイアスとクレアは連日、響き渡るデモ行進の声が煩わしく感じていた。
「ねぇ。これは何事なのよぉ〜。」
クレアが控えているメイドのカミュに訊いた。
「えっと、王家のスキャンダルのようです。なんともランドルフ王様が初代ジランド国王の子孫ではないとの話ですよ。」
「ふぅん?私たちには関係ない話だしぃ。」
「いえ、未来には大きく関係してくるかもしれませんよ。王が変わるだけで、体制が大きく変わったりすることもあります。今でこそ種族差別なき国家を大きく掲げていますが、王が変わったら、人族至上主義に転換するかも知れませんという・・・ラビット執事さんのお話です。」
カミュは鳥人族。ガイアスとクレアは蜥蜴族と人族のハーフ。さらにリュウの使用人には様々な種族がいる。その立場がどうなるかを危惧している。
「・・・面倒ねぇ。」
クレアが顎に指を当てて、考える仕草する。
「つまり、事を大きくしたい馬鹿がいるってわけねぇ。」
クレアが黒幕を探り当てようとする。そのタイミングでガイアスが何もないところに視線を送る。
「・・・そこの者。最初から跪いているから敵ではないと思うが・・・。」
「え?」
カミュが視線を送るとそこに跪いている最強暗殺者がいた。
「あら、最強暗殺者じゃないの?何か用かしら?」
クレアが言葉を投げると「は。」と最強暗殺者は反応を見せた。
「クレア様は政治に関心はおありでしょうか?」
「ないけどぉ。」
「では少々、騒ぎを起こしますゆえに、首を突っ込まないでいただきたいのですが。」
「え〜面白そうだったら、首突っ込もうかな〜。」
クレアが小悪魔な笑みを浮かべる。
「さすれば、あなたが王になるだけですよ。」
「あ、そういうわけ?面倒よ〜。」
クレアは最強暗殺者、そして黒幕の狙いを理解したのか肩をすくめた。
「その馬鹿についていくのぉ?」
「えぇ、何せ、金が必要なもので。」
最強暗殺者は跪きながら、ガイアスの方に目を向ける。
「ガイアス殿。あなたのことは多少知っている。」
「・・・む?」
ガイアスが話を振られると思っていなかったのか、反応がやや遅れた。
「・・・これも何かの縁。妹のリリスを頼む。」
「む?」
「では、これにて失礼する。」
最強暗殺者はそう言い残し、姿を消した。
「え、えぇー。これって何かあるって事ですかぁ?!」
カミュは聞いてはいけない場面に遭遇したようで慌てふためいていたのであった。
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