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第八十話 スライムの潜在能力

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇西のジランド関所◇◇


 リュウたちは自前の馬車で数日間を経て、西のジランド関所にたどり着いた。


 目的はウルスたち蜥蜴族の使節団の護衛のために迎えに行くのだ。


「そういえばBランク以上の冒険者で二つ以上のチームでないと通れなかったんじゃないか?」


 リュウが西のジランド関所を通る条件を思い出す。


「ゾンビなどのアンデッド系魔物がいなくなったから、冒険者であれば自由に通れるようになったわ。まだまだ先のことだけれど、環境資源などの開発が入ると思うわ。」


 今や西のルクテシア方面は蜥蜴族以外に人がおらず、魔境のようなところであった。ジランド王国主導で資源開発を進めようという話が上がってる。だが、戦争続きだったジランド王国は生活の再建を優先しているのであった。


 リュウたちは関所を守る警備兵に身分証を見せて通ろうとすると呼び止められる。


「そういえば怪しげな巨漢三人が通っていったな。冒険者にしては怪しかったなー。注意してくれ。」


「そう。ありがとう。」


 リーゼが答え、リュウたちはウルスたちの住み処である湖に向かう。


 その道中は森林が生い茂って、整備がなされていない山道で歩きづらい。


「怪しげな巨漢三人って気になるニャ。」


 メイファが皆に振る。


「目的がない限り、来ることはないところ。それに詳細な地図もまだない。」


 アイリンが答えた。リーゼが思案顔をし、ぽつりと漏らす。


「・・・宝があるとわかっていたら?」


 リュウ、メイファ、アイリンがまさかという表情をした。蜥蜴族の住み処である鉱床が狙われているのではと思い当たった。


「・・・杞憂だといいけど、とりあえず急ぎましょう。」


 リュウたちは山道を登る。するとスライムが複数出現した。


「スライムニャ!!」


 スライムは丸くゲル状でポニョポニョしていた。中心に球状の核が入っていた。核が弱点でFランク冒険者ならなんとか倒せるといった魔物だ。


「アタイがやるニャー!えーい!!」


 メイファが爪を伸ばし、一人で複数のスライムを切り刻み、核を潰した。するとスライムがゲル状に散らばった。


「楽勝楽勝ニャ~。」


 メイファが余裕綽々といった表情だった。だが、アイリンが注意する。


「スライムといえども多種多様なスライムがいる。特に上位種のアシッドスライムやボイズンスライムなどは警戒すべき。」


 アシッドスライムは腐食液を放ち、溶かす。ボイズンスライムは毒液を放ち、毒にさせる。こういったスライムだとBランク冒険者のメイファでさえ一人だと手こずるだろう。


「うっ・・・わかってるニャ。」


 メイファが反省するかのような表情を見せた。リーゼがゲル状に散らばったスライムを見やる。


「賢者マクスウェルが言うにはスライムは潜在能力が高く下手すると四大竜を凌ぐかもしれない・・・とお父様から聞いたことがあるわね。」


「えー!スライムが四大竜を凌ぐ?!あり得ないニャー!!」


 リーゼの言葉にメイファがブンブンと否定の意味で手を振った。


「ダークの手により開発されたブラックスライムは暴竜を乗っ取り、脅威的だった。それを考えるとないとも言い切れないわ。」


 リーゼがスライムの可能性を言及した。


「最上位種にスライムキングという魔物がいる。Aランク冒険者のチームで組まないと倒すのが難しい。スライムキングは滅多に出会わないけど、スライムごときと侮ったらダメ。」


 知識豊富のアイリンが再度、注意を促す。


「わかったニャァ。」


 メイファがコクッと頷いた。一連の話を聞いたリュウが心の中で同感した。


「(多種多様にいるスライムは基本的に核が弱点。だが、スライムキングとなると分厚いゲル状で覆われているため、打撃も剣による斬撃も通りにくい。魔法で攻めて削って核を潰すやり方が多いだろうな。)」


 スライムキングの一般的な倒し方を思い起こした。


「(それにしても四大竜を凌ぐ・・・か。)」


 リュウがふっと笑う。


「(そんなスライムがいたら戦ってみたいぞ。マクスウェルよ。)」


 今は亡きマクスウェルを思い、リュウたちは改めて山道を登る。



◇◇場面転換◇◇


A「蜥蜴族の住み処ってどこなんだ・・・。」


B「わからん・・・。」


C「疲れた・・・。」


 荒くれ巨漢三人がぜぇぜぇと山道を登っていた。


A「水が飲みてぇ・・・。」


 荒くれ巨漢Aの願いが通じたかのように偶然、湖にたどり着いた。


B「うっひょぉ!水!!」


C「待て!誰かいるぞ!!」


 荒くれ巨漢三人が湖に人影を見つけ、茂みに隠れた。


A「・・・あれは蜥蜴族か?」


 爬虫類の顔をした蜥蜴族の一人が湖の側に佇んでいるといきなり湖に向かってジャンプして潜っていった。


B「潜っていったぞ・・・?」


C「???」


 荒くれ巨漢Aがハッと気付く。


A「蜥蜴族は鉱床を住み処にしているという話を聞いたな・・・。まさか湖の底に鉱床があるのか?!」


B「潜るのか??」


C「泳げねぇよ!!」


 荒くれ巨漢Aが「慌てるな!」と二人を落ち着かせた。


A「たった三人では蜥蜴族を皆殺しに出来ない。それでフトッチョ様からこれを頂いた。」


 ジャーンと効果音を出しながら、瓶を取り出した。


B「それは・・・?」


C「なんか匂いがするな・・・。」


 瓶を眺める荒くれ巨漢B・C。荒くれ巨漢Aが悪どい笑みを浮かべる。


A「これはな・・・。魔物を引き寄せる魔香瓶だ。昔にレベル上げに必須アイテムとして流通していたが、危険性が高く禁止になった代物だ。」


B「これを使って魔物を呼び寄せるんだ!」


C「しかし、この辺の魔物はスライムばかりでしたぜ。」


A「当初は集落を見つけたら魔香瓶を投げつけて、魔物を襲わせればいいと考えていたが、湖の底とは予想外だった。ただちょうどスライムなら潜れる。スライムごときの魔物でも数多く集まれば蜥蜴族を皆殺しにすることも可能だ!!」


 荒くれ巨漢Aがドヤ顔しながら魔香瓶を掲げる。だが、その魔香瓶から何やら漏れている。


B「ん・・・?」


C「瓶の蓋がゆるんで・・・ないか?」


 荒くれ巨漢BとCが魔香瓶から液体が漏れているのに気づいた。


A「なに!?」


 荒くれ巨漢Aが慌てて魔香瓶の蓋を締める。だが、時遅し、背後に気配がした。荒くれ巨漢三人がビビりながら、後ろを振り返る。するとそこはスライムが多くいた。どうやら魔香瓶につられてやってきたようだ。


A「あれ・・・。」


B「オレたち・・・。」


C「絶対絶命?」


 多数のスライムが荒くれ巨漢三人に襲いかかるのであった。



◇◇蜥蜴族の住む地底湖◇◇


 蜥蜴族は爬虫類顔で二つの角が付き、人型で体表が鱗肌のようにゴツゴツし、尻尾が付いていた。そんな蜥蜴族は湖の底に繋がる洞穴で生活をしていた。光の苔により明るく空気があった。


「またオリハルコンが出たぞ!」


 ウルスたち蜥蜴族の数人が生活の場である洞穴より先に入り組まれた迷路かのような通路で掘削作業に精を出していた。


 オリハルコンとミスリルの入った箱が数箱置かれていた。


「これが金になるのか?」


 鉱石の価値を知らない蜥蜴族の者が首を捻る。


「そうである。」


 ウルスが縦に首を振る。


「そろそろ我輩たちはジランド王国のカインズ・トランスロッドという者と契約するために出発する。」


 ウルスがそう言うと民族衣装を着た長老ロウがやってくる。


「その契約に儂ら蜥蜴族の保護を強く求めるようにな。」


 蜥蜴族は過去にルクテシア王国の欲深き人間たちによって集落を滅ぼされた。原因は鉱石を狙ってのことらしかった。その二の舞を危惧する長老ロウ。


「あぁ了解したである。」


「儂がもうちょっと若ければ、ジランド王国を見てみたかったが・・・。」


「無理しないである。その代わりに我輩たちが見てくるである。皆、鉱石の入った箱を運べ。護衛に来る恩人であるリュウの収納魔法で運ばせる段取りである。」


 契約の証としてオリハルコンとミスリルの入った数箱をカインズに献上するのだ。


「た、大変だー!!」


 蜥蜴族の一人が駆け付けてくる。


「どうしたである!!」


 ウルスが対応する。


「スライムが侵入してきた!!それも数が多い!!」


「なんだと!」


 ウルスたちが槍を持って、生活の場である洞穴に駆け付けるとスライムが数多くいた。


「戦えない者たちは避難せよ!」


 ウルスを中心に戦える者が武器を持ち、スライムと戦いを繰り広げる。


「(しかし・・・何故、多くのスライムが?通常は一匹あるかないかくらいのはずであるが・・・。しかも我輩たちが出発するタイミングに?)」


 ウルスがあまりのタイミングさに背後に絡んでいる見えぬ陰謀に不審を抱くのであった。

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