第七十話 VSダーク
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
◇ジランド王国◇
火山の噴火によって巨大な火砕流がジランド王国にが迫る。
「うわぁぁーもうだめだー!!」
ジランド王国騎士団と冒険者有志たちが急ごしらえの土壁と空堀を作ったが、火砕流はあっさりと侵食するように乗り越えてきた。
「撤退だ!正門に入れ!!」
カインズの掛け声でジランド王国騎士団と冒険者有志たちが急遽にジランド王国内に撤退した。
カインズとラインゴッド騎士団長、セバスチャンが城壁を囲む正門の上に立つ。
「城壁がどこまで持つか・・・。」
巨大な火砕流を前に城壁がどこまで耐えられるかどうかといった状況になった。
前を見上げると手負いの魔竜が飛んでやってくる。小型炎竜とスイリューが追随してきた。
「魔竜!!」
カインズが魔竜を見上げる。ジランド王国騎士団や冒険者有志たちが武器を取ろうとするが、ラインゴッド騎士団長が「手を出すな。」と制した。魔竜が正門の上空を飛ぶ。
「ドラゴン魔法・重力操作、重力百倍!!」
重力をかけることで火砕流のスピードを落とした。さらに噴石もジランド王国の正門の手前に落とした。
「な、なんで魔竜が俺たちを助けるんだ?」
魔竜の行動にジランド騎士団と冒険者有志たちが騒ぐ。
「とりあえず助かったぜ・・・。」
カインズが声をかけると魔竜が首を横に振る。
「いえ、時間稼ぎに過ぎないわ。私の体力が持たないのよ。」
魔竜は暴竜とやり合って満身創痍に近い状態であった。
「・・・覇竜頼みか。」
「そうなるわ。」
その時、覇竜が暴竜と共に火山の噴火口に突入するのを目撃するカインズたちであった。
◇◇場面転換◇◇
リーゼたちVSダーク
リーゼたちとダークとの戦況においてリーゼたちがダークを前に倒れていた。
「ば、ばかな・・・。」
ソルが剣をつき、膝をつく。
ダークがよそ見するかのようにジランド王国に目を向ける。すると黒いローブで顔がはっきり見えないが、口元を釣り上げているようだ。
「ふっふっ。見たまえ。ジランド王国が滅ぶ様を。」
それはダークの願望があと一歩で成就されようとしていた。
「くっ!」
「無駄だ。」
リーゼが剣で斬りかかるが、すり抜けた。その上反撃を喰らって膝をつく。解せないといった表情をした。
「お前・・・人間を捨てている?」
「おや、わかったのかい?」
「リッチと同じ気配がするわ・・・。」
ダークが「ハーハハハッ」と高笑いする。
「あぁ、そうさ。リッチと魔法技術取引をしたのさ。リッチに魔物を操る技術を教え、リッチからは人間を捨て、魔物となる技術を貰い受けた。」
ダークは自らを魔物だと公言した。その上に恍惚な笑みを浮かべる。
「気分は良い!万能感に酔いしれている!!まさに私が世界最強だと思えるくらいだ!!」
そのダークの後ろに二人の影が差す。
「ハッ、魔物か、どうりで匂いがおかしいと思ってたワン!!」
「魔物討伐ニャ!!」
メイファが爪を伸ばし、ポチが力一杯に拳を握りしめて、不意打ちで攻撃するもすり抜けた。
「ちょっと鬱陶しいよ。闇魔法(中級)・闇の衝撃波!!」
二人が黒い衝撃波によって吹っ飛ばされた。
「魔物なら、なんの魔物?」
アイリンがシンに目配せする。
「あのリッチから考えると、死霊魔法に属する可能性が高い!攻撃を無効化するなら、ゴーストでしょう!!」
先の戦場でうようよいたゴーストを思い出す二人。
「だけど、あいつは人間と変わりない形。人魂ではない。ゴーストの上位版か。ならば魔法で。」
アイリンとシンが目配せし、魔法を唱える。
「土魔法(中級)・ロックショット×3!」
「水魔法(中級)・アクアショット×3!!」
それぞれの系統の弾が一斉射撃するが、それもすり抜けるように効かなかった。
「闇魔法(上級)・魔力吸収」
「ぐっ・・・力が抜ける・・・。」
アイリンとシンの残り少ない魔力を奪われてしまった。
「あとはお前たち二人か。」
リーゼとソルが倒れた仲間を庇うように前に立つ。
「攻撃や魔法も無効化となると光魔法くらいしか手立てがないぞ?」
「せめて魔物の正体がわかれば手の打ちようがあるんだけれどね。」
ダークの正体が掴めずに万策尽き果てた感があった。
「ハーハハハ。」
ダークの無敵感に高笑いする。
「ソル。魔力を全て私に渡してくれない?消し去る威力ならあるいは・・・。」
リーゼの持つ魔力を集めて放つ「究極技・アルテマソード」でダークを消し去る提案していた。
「・・・僕は相手を消し去る技を持っていない。いいだろう!!」
同時に火山が再び大きく噴火しながら、リーゼとソルがダークが相対する。
◇◇火山噴火口◇◇
覇竜VS暴竜との決着がつき、火山から脱出するためにマグマの中を泳ぐ。
『すまないな。おかげで正気に戻った。感謝する。』
暴竜が謝意を示し、『ときに・・。』と続ける。
『水竜に似た子を見たような気がする。』
『あぁ、スイリューか。お前と水竜の子だ。』
『なんだと!』
覇竜が地底湖にて蜥蜴族の案内の元、水竜と出会ったときの詳細を話す。
『・・・そうか。水竜がゾンビと化していたとは気付けなんだ。お前には借りが出来たようだ。』
『その借りを今、返してくれまいか。』
火山の噴火口から脱出する覇竜と暴竜。ジランド王国に巨大な火砕流が迫っていた。
『お前の力であれを止めてくれ。』
暴竜がジランド王国を見る。
『・・・何故だ?あそこは人間が住む国だろう?』
暴竜がグルル・・・と覇竜に睨み付ける。
『我が妻、水竜は人間に殺されたんだぞ!!』
『その水竜が過去に縛られずに前を向いてほしいと言った。それにお前の敵だったルクテシア国民はもういない。』
『・・・。』
暴竜が水竜との過去を思い出す。
◇◇回想◇◇
かつて暴竜と水竜との話のやりとり。
『何故、蜥蜴族の守り神とやらになるのだ?』
『いやいや、蜥蜴族が勝手に私を崇めてるんだよー。魚をたくさん献上してくれるから、まぁいいか・・・的な。蜥蜴族は私の住む湖近くに集落を作ってるから。』
リュウたちが訪れた湖に水竜が住んで、その付近に蜥蜴族の集落があったのだ。
『そうか。』
しばらくすると水竜が心変わりする。
『蜥蜴族と仲良くするのも悪くはないなぁと思うようになってきたな~。なんていうか愛着沸いてきた。』
『・・・蜥蜴族と言えども人間だ。あまり深入りはするな。敵対するとも限らん。』
暴竜が冷や汗をかく。
『人間とドラゴンが仲良くなる未来が来たら面白そうじゃん!!』
だが、その未来は来ずに水竜は蜥蜴族を守ろうとして、ルクテシア王国の人間に殺されたのだった。
◇◇回想終了◇◇
『お前は何故、守りたいのだ?』
暴竜が覇竜に問う。
『人間が好きだからな。』
それは水竜と同じ志を持った答えであった。
『・・・わかった。』
暴竜が「ドラゴン魔法・火山鎮火!!」と火山の噴火を止める。
『お前がドラゴンの未来を変えるかもしれんな。』
さらに暴竜が魔法を繰り出す。
「ドラゴン魔法・大地操作、地割れ!!」
巨大な火砕流が地割れにより、飲み込まれる。それによりジランド王国の滅亡危機は去ったのであった。
魔竜が「助かったわぁ~。」とホッとした。
『火砕流や火山灰の影響で植物が死に至り、地面の質も悪くなる。すまないが、それも頼む。』
覇竜が注文をつける。
『注文が多いな。』
「ドラゴン魔法・大地操作、大地創成!!」
暴竜が広範囲に地面をこねくりまわし、地面の質を戻した。
『植物を戻すのはオレは無理だ。』
『私がやろう。』
覇竜が積乱雲により、強風にあられがとめどなく吹き荒れていた天候を鎮める。太陽が差し始める。
「ドラゴン魔法・天候操作、植物の成長を促す雨!!」
太陽が差している中、雨を降らした。すると植物が生え、急速に成長し、戦争が起きる前の環境に戻った。
◇◇ジランド王国◇◇
「さすが覇竜様だぁぁー!!」
ジランド王国内は「戦争が終わったー!!」と歓喜の声を上げる。だが、カインズとラインゴッド騎士団長、セバスチャンが苦い表情をする。
「・・・ダークはどこだ?」
暴竜やリッチを使い、再び戦争を引き起こした首謀者ダークを捕まえないことには安心が出来ず、正門の上からキョロキョロ見回す。
「あそこね!」
いち早く魔竜が反応し、ダークに目掛けて飛んだ。スイリューも小型炎竜も遅れながら続いた。
◇◇◇◇
「チッ・・・覇竜め!ダークスライムによって支配されていた暴竜をマグマに潜らせることで追い出したのか。」
ダークがよそ見しながら、舌打ちを打つ。その前方にはリーゼとソルは膝をついていた。
「アルテマソードが効かないなんて・・・。」
魔竜やリッチに絶大な威力を発揮した技がダークには効かなかったのであった。
「あと一歩でジランド王国を滅ぼせたが・・・。」
ダークはリーゼたちに向き直る。
「さて、お前らを殺して、退散するとしよう。」
リーゼたちにとどめをささんばかりに歩を進む。
「そうはさせるか。」
その背後に覇竜が現れた。
「ドラゴンクロー!」
ダークの背後を斬った。だが、リーゼたちと同様にすり抜けて、手応えがない。
「これは・・・。」
「ふふふ・・・。」
黒いローブを羽織ってるダークがゆらゆら浮かぶ。依然としてフードを被っており、顔ははっきりと見えなかったが、口元は明らかに余裕の笑みがあった。
『オレを操りおってぇぇぇー!!』
暴竜が「ドラゴンブレス!!」とダークを消し去るほどの威力のエネルギー弾を放った。だが、すり抜けてしまった。
「ゴーストか何かね!こういう敵は魔法よ!氷魔法(上級)・氷河!!」
魔竜が氷魔法を繰り出すもすり抜けてしまった。
「どういうこと?!」
「覇竜様!光魔法を!!」
リーゼの声に呼応し、覇竜が「光魔法(上級)・大いなる輝き」を唱える。
「おっとそれは勘弁してくれ。」
明らかにダークは嫌がるように「闇魔法(上級)・大いなる闇」と相殺した。
「四大竜の三体が現れてはさすがに無理だ。退散するとしよう。」
ダークが逃げるように闇に紛れる。
「覇竜!またもや邪魔するとはな。何故だ?」
「マクスウェルから頼まれたのでな。」
生前の賢者マクスウェルは覇竜に対して、世界を滅ぼす者を止めるように頼んだことがあった。その世界を滅ぼす者がダークと確信に至った。
「我が師マクスウェルが・・・。ならば戦う運命にあるようだな。」
ダークが「闇魔法・闇移動!!」で消えていった。
「・・・。」
この場にいた者全員がダークを逃がしたことでこの先、また良からぬことが起きるだろうと思ったのであった。
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