第六十八話 魔竜VS暴竜
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
「・・・というわけなんですよ。」
カインズたちと暴竜での出来事を話し終えた副騎士団長。
「地面の中から魔竜が出てきたのは驚いたんですが、何故か私たち人間の味方をするかのような行動を取っています。」
首を捻る副騎士団長。
「さっきの炎竜もそうだったニャ。」
メイファも同じく首を捻る。
リーゼが訝しげにソル、ポチ、シンの方を見やる。
「・・・あなたたちは知ってるでしょ?」
リーゼの問いにギクッと三人とも挙動不審になり、目が泳いでいた。覇竜や魔竜、小型炎竜の正体がリュウ、クレア、エンカであることを知っていたがために。
「さぁ?なんのことやら・・・。」
ソルがとぼける。その反応から、リーゼは追求しても三人は吐かないと感じたのだった。
「リーゼ。私たちはどうする?」
アイリンがリーゼに行動方針を訊く。
「・・・あの戦いに私たちは入り込めないわ。」
リーゼたちが魔竜と暴竜の戦いを見やる。巨大怪獣同士の激しい戦いになっていた。そこにリーゼたちというちっぽけな人間たちが割り込むのは厳しい。
「あの戦場は覇竜様がなんとかしてくれると思うわ。」
魔竜と暴竜の間を割って入れる力のある覇竜に期待を寄せるリーゼたち。
「だけれども、覇竜様に頼りきりでは私たちの立場がないわ。それにダークがいる。全ての元凶であるダークを倒すことで暴竜が止まる可能性があるわ。」
リーゼが皆に「ダークを討ち取るわ。」と行動方針を固めて、帯刀している剣に手を当てる。
「ついて来てくれるわよね?」
メイファ、アイリンがコクッと頷いた。
「ふっ・・・僕たちの力も必要だろう。」
金髪をくし上げ、歯をキラッとするソル。そしてポチ、シンも頷いた。
「行くわよ!!」
リーゼたちがダークを倒すべく、行動に出た。
◇◇場面転換◇◇
魔竜VS暴竜
魔竜と暴竜が激しい戦いを繰り広げていた。
「ドラゴン魔法・重力操作、重力百倍!」
暴竜の動きを封じ込めようとする。だが、暴竜はグググッと耐え、動こうとする。
「氷魔法(上級)・氷河!!」
暴竜を氷付けにせんと足から凍らしていく。重力と氷の魔法同時行使で暴竜の動きを封じ込める。世界最強生物となると魔法も同時行使出来るようだ。
「ドラゴン魔法・噴火!!」
暴竜の足元から噴火が起き、氷を溶かした。続いて「ドラゴンブレス!」と魔竜にエネルギー弾を放った。
「ドラゴン魔法・暗黒の渦!!」
魔竜が重力の磁場を歪めて黒い穴を出現させ、ドラゴンブレスを吸収した。
『昔、あなたが水竜を泣かせた時に喧嘩したわね!!覚えてるかしら!?』
魔竜がドラゴン語で話しかける。
『・・・・。』
反応がない暴竜。
『まったくもぉ~。』
魔竜が近寄って、暴竜の顔にパンチをする。
『目を覚ましなさい!』
暴竜が魔竜と取っ組み合いになる。
『こんなところを亡き水竜に見られたら、浮気と誤解されるわよ!離れなさい!!』
魔竜が「ドラゴントゥース!」で暴竜に噛みつくが、ダメージを与えられていない。
「(チッ、接近戦では劣るのよねぇ。私、メスだし。)」
魔竜が何度も噛みつく。だが、効かずに逆に暴竜に噛みつかれ、ダメージを受けた。
『いったいわねぇ!ドラゴンブレス!!』
至近距離で暴竜にエネルギー弾を放った。
その衝撃と煙が吹き上げる中、間合いを取る魔竜。だが、暴竜はその煙をかき分けながら、間合いを詰める。
「ドラゴンクロー!」
暴竜の攻撃に『ぐっ・・・。』と受け止める。魔竜が劣勢になりながらも持てる力を駆使しながら戦い続ける。
◇◇場面転換◇◇
「なんで魔竜が・・・?」
ダークは魔竜と暴竜の戦いを見ながら、考える。
「心当たりはさきほどの角つきの女だが、あれが魔竜の人間の姿なのか!?」
「カインズは言った。あと数体のドラゴンがいると。まさかあと数体のドラゴンが人間に成り済ましているのか!?」
そしてハッと気づく。
「覇竜か・・・。どこまでも私の邪魔をするのかっ!!」
ギリッと歯を噛み締めるダーク。
◇◇場面転換◇◇
『がはっ・・・。』
とうとう暴竜にやられ、ダウンしてしまう魔竜であった。
『水竜・・・私では暴竜を元に戻せなかったわ・・・。』
暴竜が魔竜にとどめを差さんばかりに近寄ろうとするが、その間を遮る小さな影があった。
『おとーさん!やめてよ!!』
それはスイリューだった。
『家にいなさいって言ったでしょ・・・。』
『ごめん!!』
暴竜がスイリューを見た途端、動きが止まる。
『・・・水竜?』
暴竜がここに来て初めて言葉を発した。
『まさか正気に戻ったの?』
魔竜が暴竜に呼び掛ける。だが、暴竜は「ガガガ・・・。」と頭を抱え、苦しむ仕草を見せる。
『(幻でもいいなら、水竜を見せることで正気に戻る可能性に懸けるわ。)』
魔竜が力を振り絞り、立ち向かう。
『(水竜、ごめん!ちょっとだけ姿を借りるわ!!)』
魔竜が自らの体に魔法をかける。
「幻惑魔法(初級)・幻影の愛!!」
魔竜の黒い体表がみるみる水色の体表に変化し、顔つきもかつての暴竜の妻であった水竜に変化した。水竜の幻を見せて、暴竜を正気に戻そうと試みる。
『私よ。この子はあなたと私の子なの。だから、正気に戻って。お願い!!』
『ギギギギ・・・。』
暴竜は水竜の幻を凝視している。
魔竜は水竜の幻を見せているが、効果の見込みがあるのかわからず、スイリューに目配せする。
『お母さんは怒ると怖いんだよ!!』
スイリューが駄目押しに協力する。だが・・・。
『オ、オマエ・・・匂イ、声、チガ・・・ウ!』
ドラゴン特有の嗅覚、そして声の違いによって、幻だとすぐ見破られてしまった。
『(もう!そこは騙されてよぉ!!)』
魔竜が心の中で地団駄踏む。
『お、おとーさん!』
暴竜は目障りだとばかりにスイリューをバシッとはたく。
『ギャッ』
スイリューが飛ばされ、ぐったりしてしまう。
『スイリュー!この野郎!!』
魔竜が未だに水竜の幻を見せながら、飛びかかる。だが、暴竜はそんな幻に意に介さず、魔竜を仰向けにダウンさせた。その拍子で水竜の幻は解けた。
暴竜はとどめとばかりに鋭利な鉤爪を魔竜に見せた。どうやら殺す気満々のようであった。
『暴竜、覚えておきなさいよ!?』
魔竜は恨み言を呟いた。仰向けたからこそ気付いた。天候に異変が起きていることに。
空に積乱雲がグルグル集まり、ポツポツ雨が降りだしてきた。
暴竜が「?」と異変を感じ、上空に顔を上げた。
「ドラゴン魔法・天候操作!!」
雷が鳴り響き、強風が吹き荒れ、大雨が降りだした。
「魔竜から離れよ。風魔法(極大)・風神!!」
強風が大きな弾丸となり、暴竜を吹き飛ばす。
「ガァァッ!?」
暴竜が大きな弾丸を受け、地面をこすりながら、長い距離を飛ばされていった。
『お姉さま!!』
魔竜の元に小型炎竜が現れた。
『これは覇竜なのね・・・。』
『はい!』
覇竜が現れ、スイリューに回復魔法をかけ、魔竜の側に置く。
『スイリューを頼む。』
『えぇ。暴竜を正気に戻してやって。』
『あぁ。』
覇竜がゆっくり歩き、体勢を整えた暴竜と対面する。
『お初にお目にかかる。私は覇竜。四大竜の新参者だ。』
こうして史上最大の戦いが始まるのだった・・・。
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