第六話Dランク冒険者試験①
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けていることが多いと思いますが、よろしくお願いします!
 ̄ ̄ ̄冒険ギルド・修練場 ̄ ̄ ̄
「が、頑張ってね。」
おそるおそるリュウに声をかけるリーゼ。「ステーキ・・・」と後ろ髪を引かれながら、Dランク冒険者の試験に臨むリュウの姿があった。
冒険ギルドの修練場は広く、観客席も用意されていた。観客席に暇潰しに観戦する者がちらほらいた。その中にリーゼ、メイファ、アイリンの姿があった。
「では、Dランク冒険者試験一回戦を始めまーす。両者前へ!」
アンリ受付嬢が審判を務めるようだ。リュウが修練場の真ん中に立つと筋骨隆々の巨漢三人が出てきた。見覚えのある顔だ。先程、食堂で喧嘩を売ってきたドラゴンキルチームだった。三人全員、大剣を装備していた。
「我らドラゴンキルチーム!よく逃げずに来たな!」
「我ら三人はEランク冒険者!」
「いっちょ前にDランク冒険者試験を受けるなんて生意気だ!叩き潰してやる!!」
どうやらランク付けの嫉妬心から叩き潰そうとするらしい。
「真剣での勝負。ギブアップ宣言か動けなくなったとき試合終了。死ぬことになっても責任は持ちません。それでは試合はじめー!」
アンリ受付嬢の試合開始宣言と同時に巨漢三人は大剣を構え、「剛力!!」とスキル発動し、筋骨隆々だったのがさらに増す。スキルにより、パワー増強したようだ。それに対してリュウは考え事する。
「(そういえば人間姿での戦闘は初めてだ。体がなじんでないから、どうなるやら・・・。)」
人間になりたてホヤホヤのリュウが戦闘で上手く動けるかこの一戦で確かめようと思い至る。その間に巨漢三人はリュウを囲む。考え事していた隙を突かれ、防御体勢に入るリュウ。
「悪く思うな!」
「これは合法!!」
「死ねぇぇぇー!!!」
巨漢三人が同時に斬り込む。だが、ガキッと鈍い音がし、三人の大剣には刃こぼれがしたのだ。
「バカな!」
「き・・・斬れない!!」
「体になにを仕込んでる!!!」
巨漢三人が驚愕し、観客からも「あいつは蜥蜴族か?皮が厚いから斬れないのか!?」とざわついていた。リュウは自らの体に傷はさほどないようだと確認する。
「(人間になって弱体化したとは言え、この程度なら問題ないという事はわかった。)」
リュウが自身の頑強さを理解したようである。
「なまくらな素材だな。次は俺の番だ。」
リュウは巨漢一人にビンタを食らわす。すると「うわぁぁー」と吹っ飛んで倒れた。その様子に「・・・・」と黙る残りの巨漢二人。
「なるほど。ビンタ入れただけで吹き飛んでしまうくらい力はあるな。」
リュウがグーパー握って開いて、自らの力の感触を確かめる。
「お・・・おい。ボクシングベアー倒したのは本当なんじゃ・・・。」
「俺もそう思っていたところだ・・・。」
残り巨漢二人がようやくリュウの実力を認識し、焦る。
「さぁてぇ〜。食べ物の恨みは怖いぜぇぇぇぇぇ!」
ボギボギと手を合わせ鳴らししながら、ふふふふふとリュウの目が怪しく光る。巨漢二人がビクッとする。リュウはその二人を目掛けて勢いよくジャンプしながら、何故か体を回そうととする。
「ドラゴンテイル!!・・・あ。」
リュウがドラゴンの時に多用したであろうという尻尾攻撃を繰り出そうとしていた。だが、今は二本の角がついた人間。尻尾がついてないことを忘れていたため、バランスを崩してヒップアタック風に二人を攻撃。「うげぇっ!」「ぎゃぁっ!」と叫び声を聞きながら巨漢二人の上に倒れこむリュウ。
アンリ受付嬢が「それまで!」と一回戦終了する。同時に観戦者から爆笑が起きる。
「あははは、面白いニャ!」
「トリッキーな攻撃に注意・・・。」
「うーん。強さがはっきりしないわね。」
メイファが腹を抱えて、アイリンは冷静に分析し、リーゼは不満そうに呟いていた。
「続いて二回戦!両者前へ!」
アンリ受付嬢の号令に巨漢一人が大斧を持って出てくる。これもまた見覚えがあった。
「ドラゴンキルチームリーダーだ!我は下級竜ワイバーン討伐実績ありのDランク冒険者だ!我は世界に散らばるドラゴンを討伐し、最終的には四大竜と謳われる覇竜、魔竜、暴竜、神竜を倒す者だ!!」
興奮気味に夢を語る巨漢リーダー。
「・・・夢は好きだ。だが、倒されるわけにはいかない。」
リュウが意味深に返す。巨漢リーダーは四大竜の一角の覇竜が人間になって目の前にいるのだが、当然知る由もないのであった。
「試合はじめー!」
アンリ受付嬢の試合開始宣言と同時に「剛力よりさらに上の豪腕スキルを見せてくれよう!!」と巨漢リーダーが巨大化し、すべての筋肉が肥大していた。見るからにドーピング打ちまくった感がありまくりの雰囲気を醸し出していた。
「ふしゅぅーふしゅぅー攻撃力は2000を超える!!死ねぇぇぇ!!」
大斧を上に振りかぶる。
「(これは生身で受けるとまずい。)」
リュウは腕を交差し、「ドラゴンスキン(弱体化)!」を発動する。そして大斧を受け止める。ドガァッと激しい衝突音が鳴り、踏ん張った地面が割れる。
「馬鹿な・・・・。」
無傷で受けきったリュウ。
※人間姿の「ドラゴンスキン(弱体化)」スキルはドラゴンの鱗を体にまとわりつかせ、防御するスキル。
「お、お前・・・本当に人間か・・・?」
青ざめる巨漢リーダーにリュウは首を横に振って、まだまだという表情する。
「この程度の攻撃力じゃ、強い竜にキズはつけられない。」
自身がドラゴンであるためにそうアドバイスした。
リュウは拳を作り、「この一発は・・・・」と振りかぶる。
「ステーキの分だぁー!!」
食べ物の恨みを晴らすべく、巨漢リーダーを殴る。巨漢リーダーは「ぐはぁぁっ!!」と宙を舞って観客席に激しく音を立てながら落ちた。
アンリ受付嬢が「それまで!」と二回戦終了。観客たちはリュウの強さにざわついてた。メイファとアイリンが席から立ち上がる。
「ニャハハ、リュウ、強いニャ。」
「攻撃力も防御力も高い。底が見えず、生半可な物理攻撃は通用しない。魔法中心の戦法でいく。撹乱お願い。」
「わかったニャ。」
メイファは獣を狩るかのような目をし、アイリンは杖を持ち、静かに燃えていた。
「二人とも、瞬光の戦乙女の名に恥じぬ戦いをしてらっしゃい。」
メイファとアイリンを送り出すリーゼ。修練場の真ん中にリュウと瞬光の戦乙女二人が相対する。
「アタイは瞬光の戦乙女のメイファ!Cランク冒険者!手加減はしないニャ!!」
メイファが手の甲をみよがしに見せ、爪を伸ばす。どうやら爪の伸縮ができるようだ。20センチあろうかというところまで爪を伸ばした。そしてその爪に魔力を込める。
「このままでは鉄の爪と同じニャ。だが魔力を流すと鋼以上の爪なるのニャ。これが私の武器の魔爪ニャ。」
メイファが前衛に立つ。
「私は瞬光の戦乙女のアイリン。Cランク冒険者。先程の戦いからリュウは強いと判断する。だから遠慮なく火力高い魔法を使います。」
アイリンがそう宣言し、後衛に下がった。
「(目つきが違う。相当、場数を踏んでいる冒険者だ。油断ならない。)」
この三回戦を突破すれば晴れて、Dランク冒険者。だが、二人の剣呑な雰囲気から、どうやら上手くいかないようだと感じたリュウが身構える。
「(激しい戦いになりそう・・・避難しなきゃ!!)」
アンリ受付嬢が喉をごくりっと鳴らし、「試合はじめー!」と同時に観客席に避難したのだった・・・・。
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