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第六十五話 亡国ルクテシア王国戦14 VSジャイアントリッチ②

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

 巨体のジャイアントリッチを目の前にソルが溜め息つく。


「この間の魔竜戦に続き、こんなデカブツを相手にするのはきついな。」


「でもよ。心なしか小さくなってないかワン?」


 ポチがジャイアントリッチの大きさに違和感を持ち、指摘した。


「あ、ホントニャ!?小さくなってるニャ!!」


 メイファが同意するかのように驚きの声を上げた。


「・・・もしかして自己再生スキルじゃないのかしら?」


 リーゼが原因に思い当たり、アイリンに問う。


「おそらく。ゾンビを補充して、自己再生する。補充型の自己再生スキル。それで小さくなったと思われる。」


 アイリンの言う通り、ジャイアントリッチは体内からゾンビを補充し、ダメージを修復する姿を数回晒していたのだ。


「ならば、ダメージを与え続ければ、勝機が見えるということですね?」


 シンの言葉にリーゼ達が勝利の糸口を掴むかのように目の輝きが増す。だが、それでも相手は巨体。


「倒すために何か良い手はないかしら?」


「巨大魔導砲はどうだ?」


 ソルが後方に設置されている巨大魔導砲に目が行く。


「あれはタイミングが難しい。実際に使ったが、防がれた。」


 アイリンが答えた。


「あぁ、照準が手動だしな。」


 巨大魔導砲のエネルギー弾をジャイアントリッチにぶつけたが、防がれた。ただ照準が早ければ、倒せた可能性はあったのだ。照準合わせが手動なのが巨大魔導砲の弱点だ。


「リュウが別個体のジャイアントゾンビ一体を火炎竜巻で倒したが、あれは参考にならんしな・・・。」


「それを詳しく聞かせて。」


 アイリンの問いにソルは竜巻の中にジャイアントゾンビ一体を閉じ込めて、大量の酒樽をぶちこんで火をつけて、火炎竜巻で倒したと話す。


「火・・・ね。」


 リーゼは勝機の目がそれと口に出す。


「万物の生物は火が主たる弱点になり得る。」


 アイリンも同意した。


「火ならエンカが頼りになるニャ!と言いたいところだけど、ここにはいないニャの〜。」


 メイファが肩をすくめる。


「(覇竜は確かエンカとクレアが参戦していると言っていたな。片や炎竜の子供、片や魔竜。)」


 ソルが勝機を手繰り寄せるためには、エンカの力が必要だと考えを巡らした。


「エンカは?」


「向こうに投げ飛ばされたわ。」


 リーゼが投げ飛ばされた方向に指差す。その方向には人気のない原っぱが続くところであった。


「(投げ飛ばされたとしても、ドラゴンになって戻って来る可能性はあるな。)」


 ソルの考え巡らす表情にリーゼが「ソル?」と問いかけた。


「アイリン、君のエルフ魔法が重要になるかもしれない。・・・植物の種は持っているか?」


「ん。」


 アイリンが植物の種が入っている袋を見よがしに見せた。


「作戦を伝える。」


 ソルがリーゼ達一同に作戦を伝えた。


「それはエンカが戻って来ることを前提とした作戦よね?」


「エンカが戻って来るとは限らないニャ?」


「・・・それは無理と言いたいところだけど。」


 リーゼ、メイファ、アイリンが難色を示した。


「俺はソルの作戦に賛成するワン。」


「僕もです。」


 エンカの正体を知っているポチとシンはソルの作戦に同意した。メイファが驚きの表情する。


 だが、不思議とリーゼとアイリンはポチとシンの反応を鑑みたのか、


「・・・わかったわ。」


「ん。」(コクッ。)


 あっさりと同意した。完全に置いてけぼり食らったメイファは「リーゼ達がそう言うんならわかったニャ。」と慌てて頷いた。


「(・・・まさか気付いているのか?)」


 リーゼとアイリンの反応にソルが訝しげた。


「ナニヲ話シテイルンダ!!」


 ジャイアントリッチが攻撃行動に移る。


「それじゃ、地道にダメージを与え続けましょう!!」


 リーゼ達がソルの作戦に則り、ジャイアントリッチに対して行動に移した。



◇◇場面転換◇◇


 ジャイアントリッチにより、投げ飛ばされたエンカは風切り音を聞きながら、空を飛ばされるがままになっていた。


「さーて、どうやって戻ろうかなー。」


 エンカが人気のない原っぱを見回して、人間がいないことを確認する。


「んー。誰も見てないし、人化魔法を解いちゃおう!!」


 エンカは身体中に魔力を込める。


「人化魔法・人間解除!!」


 エンカが徐々に大きくなり、全長約3Mのピンクドラゴンになる。炎竜の幼生体だ。小型炎竜は翼を広げ、リーゼ達のいた戦場に戻らんと颯爽に飛ぶのだった。



◇◇場面転換◇◇


 ジャイアントゾンビがパンチを繰り出す。


「ソル!合わせなさい!!」


「あぁ!!」


 巨大なパンチに二人が剣を構える。


「剣技・衝撃剣圧!!」


 二人の繰り出す剣圧が合わさって、強力な攻撃に転じる。


「ヌアッ!!」


 ジャイアントリッチはパンチを弾かれ、反動でよろける。


「土魔法(上級)・ゴーレム召喚!!」


 シンは地面からお馴染みの約5Mの土人形が造成される。ジャイアントリッチとは体格差では埋められない差があるが、よろけている今なら攻撃のチャンス。


「パンチの嵐です!!」


 ドゴドゴドゴドゴ!!


「グヌゥッ!」


 ジャイアントリッチはゴーレムから攻撃を受けた瞬間、自己再生スキルを発動し、ゾンビがそろぞろ集まり、回復していた。ゾンビの集合体ということもあり、防御の面では脆さがあるようだ。回復すると同時に少しずつだが、縮んでいく。


「ダメージを与え続けるニャ!!」


「おうワン!!」


 メイファとポチがその隙を見計らい、ゴーレムの背を駆け上る。


「!?」


 ジャイアントリッチの眼前にメイファとポチがいた。


「魔爪双突撃!!」


 二人のめった斬りかのような爪の嵐がジャイアントリッチを襲った。更なるダメージを負ったジャイアントリッチは逆上し、メイファとポチに標的を定める。


「オ、オノレェ!!」


 ジャイアントリッチが反撃すべく、自らの手先に悪霊が集まったかと思うと細長く鋭利状な槍を数本作り出す。


「悪霊の槍!!」


 ジャイアントリッチが悪霊の槍を数本投げつけた。それは勢いのある投擲で攻撃直後の空中で硬直したポチに狙い当てられる。


「グワァン!!」


 ポチが悪霊の槍に腹を突き抜かれ、地面に倒れた。


「ポチ!!」


 その様子を見たメイファが地面に着地すると同時にポチを庇うように前に出る。


「ハーッハハハハ!!」


 ジャイアントリッチが高笑いし、更なる追撃に数本の悪霊の槍をメイファとポチに投げつけようとする。


「俺のことはいいワン!!」


 ポチは庇うメイファに見捨てろと言った。


「ダメニャ!ポチは魔竜戦でアタイを庇ってくれたニャ!次はアタイが守るニャ!!」


 メイファの前に数本の悪霊の槍が攻めかからんとしていた。


「メイファ!」


 ポチが腹に血を流しながら、無理矢理にメイファの前に出る。


 二人のピンチにソルが「シン!!」とメイファ達から一番近いシンに阿吽の呼吸さながらにゴーレムでなんとかしろと意味を込めて言った。


「わかってますよ!ゴーレム!!」


 シンがゴーレムを操作し、メイファ達を割って、数本の悪霊の槍を防いだ。


「コシャクナ!!」


 ジャイアントリッチがパンチで土人形を一発で粉砕した。そのままポチとメイファを攻撃しようとしたが、姿はなかった。


「ドコニ!?」


「植物拘束!!」


 アイリンがメイファとポチを巨木の無数の枝で引き寄せていたのだった。


「ニガスカァー!!」


 ジャイアントリッチがアイリン、メイファ、ポチを標的に定め、動いた。三人は完全に迎え撃つ体勢を整え切っていない。


「まずい!土魔法(上級)・アースクエイク!!」


 シンが土魔法でジャイアントリッチの足場を崩し、凹凸にさせた。


「ヌァッ!土ノ魔法使イノエルフ!!サッキカラウットオシイ!!」


 ある意味褒め言葉かのように戦場を土魔法により支配しているシンに数本の悪霊の槍を斜め空からシンに向けて降り注ぐ。


「くっ、土魔法(中級)・土壁ロックウォール!!」


 急遽、土壁を出現させるも貫かれる。


「ぐあぁぁっ!」


 シンは多数の裂傷を負い、倒れた。ジャイアントリッチの標的は未だにシンに向けていた。


「まずい!俺達がやらねば!!」


「わかってるわよ!!」


 リーゼとソルが「神速」スキルにより、ジャイアントリッチの背後からそれぞれ駆け上る。


「ヌッ!!」


「「剣技・五月雨斬り!!」」


 リーゼとソルがジャイアントリッチの背中から削り取る攻撃する。


「ヤ、ヤメロォォォォ!!」


 明らかにジャイアントリッチが嫌がり、背中に手を回す。リーゼとソルはその行動を見切って、ぐるりと真正面に移った。


「もっとだ!もっとダメージを与えないと!!」


 ジャイアントリッチの骸骨顔に近付いた。


「剣技・五月雨剣!!」


「神速剣・全突!!」


 ソルが骸骨顔全体を裂傷に負わせ、リーゼが剣で骸骨顔のくぼんだ両目全体に突き刺しまくる。


「ヌゥゥ!!」


 ジャイアントリッチが怯む。


「今だ!」


 ソルがその隙を見計らい、口に目掛けて近付いた。


「これを口に突っ込んでやる!」


 ソルが植物の種入りの袋を口に力強く放り込んだ。


「!?」


 異物を飲み込んだと感じたジャイアントリッチがソルを急遽捕まえる。


「ま、まずい!!」


 ソルがジャイアントリッチの手から抜け出せず、焦りの反応を見せる。


「ナニヲシタァー!!」


 ソルに目掛けて口を開く。黒いエネルギーが収束するのが見えた。


「最強技・死者の咆哮!!」


 ジャイアントリッチの口から黒い光線を放つ瞬間、ソルは迫り来る死を感じた。


「あ・・・僕、死ぬな。」


 死の直前によくある現象が飛び込んできた。周囲がスローモーションのようにゆっくりと流れていくのを感じる。


 それにより、ソルはやたらと冷静になり、チラッとリーゼを見やる。リーゼはスローモーションながら、焦った表情で手を伸ばそうとしているが、ソルには届かない。


「(すまない。僕はここまでのようだ。覇竜、リーゼを頼む・・・。)」


 ソルはリーゼに対して、ふっと笑う。同時にジャイアントリッチの黒い光線がソルを消し飛ばした。


「ソルーーーーー!!」


 リーゼが地面に着地し、四つん這いになる。


「くっ・・・ソル・・・。」


 リーゼはかすかに涙を浮かべる。


「間に合ったー!!」


 上空から声がした。「え?」と四つん這いのリーゼが見上げる。


 そこにはなんと小型炎竜がいた。そしてその両手の鉤爪にソルがいた。


「ニャニャ!?あのピンクドラゴンは魔竜と一緒にいたドラゴンニャ!なんか人族の言語を喋ってるニャー!」


 メイファが驚きの声を上げた。


 内心焦ったソルが小声で小型炎竜に話しかける。


「エンカ、僕はお前のことをわかってる。だが、人族の言語で喋るのはまずい。周囲の目がある。」


 メイファたちも後方に下がって待機しているジランド王国騎士団や冒険者有志たちにエンカが小型炎竜だと知られると敵対していたということもあって悪い反応に行くだろう。


 ソルの言葉に「あ。」と気付いた小型炎竜がわかったと言わんばかりに頷いた。小型炎竜の鉤爪に掴まれてるソルがアイリンに向く。


「仕込みは終わった!やれぇー!!アイリン!!」


 ソルの掛け声にジャイアントリッチの前に出るアイリン。


「さぁ・・・覚悟は出来た?」


 アイリンが杖を構える。リーゼたちの作戦がジャイアントリッチを追い詰めるのだった。

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