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第五十三話 亡国ルクテシア王国②立ち向かえ!リュウたち!!

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇西の山の麓◇◇


『くっ・・・・。』


 暴竜はダークの不意打ちにより、クレイジーコメットを受けてしまった。通常なら衝撃と共に爆発霧散するほどだが、生きていた。それでもかの暴竜といえども大ダメージであった。


「自己再生・・・。」


 暴竜は自己再生スキルにより傷を癒す。そこにダークが現れる。背後にリッチを含む不死軍団がいた。


「クレイジーコメットに耐えるとはな。さすが四大竜の一体の暴竜。」


『人間・・・。』


 暴竜が傷を修復しきっていないままググッと起き上がり、身構える。


「闇魔法(上級)・支配の鎖!!」


 ダークが闇魔法による漆黒の鎖が出現し、暴竜の心を支配しようと試みる。だが、暴竜が「ギャオォ!!」と一喝し、漆黒の鎖を弾いた。


『我を操ろうなどと人間はどこまで欲深いのだ!!』


 暴竜が「ドラゴントゥース!!」とダークにかみつこうとした。だが、ダークはさらりとかわした。


「やはり闇魔法では操れないか。となればこれだな。」


 ダークが蓋している試験管を出し、蓋を外した。試験管から黒い液体が意思を宿っているかのようにクネクネしながら出る。


「いけ!ブラックスライム!!」


 ブラックスライムと呼ばれた黒い液体が素早く暴竜の耳に入り込む。


『な、なんだ!?』


 途端、暴竜が頭を抱える。脳をいじられるような不愉快な感触に襲われているようだ。


「ブラックスライムは脳に侵入し、アメーバ状に寄生し、支配する。人の手で作られし魔物だ。我が師マクスウェルがどんな生物をも従わせるように研究を進めていた。だが、ジランド王国に亡命されたため、研究が頓挫したのを私が引き継いで開発したのだ。」


 得意気に語るダーク。暴竜は『ぐぐっ・・・』と苦しげに耐える。


「完全に支配するまで時間がかかるか・・・。リッチ。」


 ダークが背後にいるリッチに振り向く。


「(オノレ・・・オノレェェ!!)」


 骸骨のリッチのくぼんだ両目の部分が反抗するかのように赤く光った。


「ふふっ、リッチよ。魔物を従わせる技術を教えたら、お前の凄まじい魔法力で不死軍団をまとめるのは驚いたが、不死軍団は頂く。お前は私の手駒になって働いてもらおう。」


「・・・ッ・・・ッ!」


 リッチが口を開きたくても開けない。ふざけるなという視線を送るのが精一杯だった。


「お前の腕についてる隸属の腕輪で私の意のままだ。悔しかろう。」


 リッチがバッと腕についてる黒い腕輪こと隸属の腕輪を見る。


「(イツノ間ニ・・・!!)」


 どうやらリッチに闇魔法は効かなくても隷属の腕輪による強制的な支配には効果があるようだ。


「あぁ、簡単には外れないよ。私の魔力での解除か光魔法か腕を切断しない限りはな・・・。お前には仕事をしてもらう。」


 ダークは不死軍団を見渡す。数千体のアンデッド系魔物がいた。


「この軍勢ならジランド王国を攻めることも出来よう。」


 リッチが何か言いたそうに口をパクパクする。見かねたダークが口を開くことを許可する。


「貴様!ナニガ目的ダ!技術ノ相互提供デ手ヲ組ンダガ、オ互イ不干渉トイウ話ノハズ!!我ガ不死軍団・・・ルクテシア国民ヲ何ニ使ウノダ!!」


「我が師マクスウェルをたぶらかしたジランド王国を滅ぼすために!様々な種族が繁栄している国などいらん!!私が不死軍団を率いて覇権統治をしてやる!!」


 ダークが腹立たしげに声を荒げた。


「我ガルクテシア国民ヲ戦争ニ使ウトイウノカ貴様ハ!!」


「暴竜を倒したいがためにルクテシア国民をアンデッド系魔物にしたお前が何をほざくんだ。もういい。リッチよ。ジランド王国へ不死軍団と共に向かい、戦ってこい!私は暴竜を従い次第、向かう!!」


 ダークの命令にリッチが「グッ・・・」と抗えず、不死軍団と共にジランド王国に向けて進軍する。


『ぐがぁぁぁ・・・。』


 ブラックスライムに脳を寄生され、苦しんでいる暴竜を見ながら、「さぁて、じっくり待つかね。」と岩場に腰をかけるダークであった。



◇◇亡国ルクテシア王国の跡地◇◇


 リーゼとソルが望遠鏡を使い、西の山の麓にいるダークたちの動向を見ていた。


「まずいな。」


「えぇ、非常にまずいことになったわ。」


 ソルとリーゼの言葉にその場にいた全員が緊迫する。


「はっきりとは見えなかったけれど、あれはダークね。数千体のアンデッド系魔物を従えてるように見えたわ。」


「ダークの目的はやはりジランド王国を攻めるのか?」


「えぇ。そうでしょうね。お父様の話によるとダークは賢者マクスウェルを惑わしたジランド王国を恨んでいるそうよ。」


「リーゼ、どうするニャ?」


「そうね・・・。」


 メイファの言葉にそれぞれのチームリーダーであるリーゼとソルが話し合う。ポチがククンッと鼻を上げたかと思ったら急に警戒するかのような表情を出した。


「死臭がするワン。アンデッド系魔物がこちらにやってくるワン。」


「なんだと!」


 ソルが急遽、望遠鏡で確認する。リッチ率いる不死軍団がこちらに向かってきていた。


「確かに。」


「アンデッド系魔物の統率が取れている。リュウの光魔法があるとはいえ、数千体のアンデッド系魔物に対応できない。さらに警戒すべきはジャイアントゾンビ。これは厄介。巨大すぎてリュウの光魔法が効くかどうか。」


 アイリンはそう危惧する。


「ダークは?」


 リーゼの言葉にソルが望遠鏡により「暴竜の側にいる。」と返事した。


「暴竜が隕石の衝突によって流れ落ちるところは肉眼でも見えましたよ!あの暴竜がやられるなんて!!」


 シンが青ざめながらビビる。リュウが「(暴竜・・・)」と気にしながらスイリューを見やる。暴竜が父に当たるスイリューもまた心配していた。


「ここにはどのくらいで来るかしら?」


「あの軍勢で目測による距離だと数時間~半日といったところだね。」


 そしてリーゼが決断したかのような表情をする。


「ダークがアンデッド系魔物の軍勢を使う狙いはジランド王国を攻め滅ぼすことだと思うわ。」


 皆を見回しながら、話を続ける。


「元々は亡国ルクテシア王国の調査のクエスト。ウルスの助力もあり、もう達成したわ。それ以上に優先すべきはダークの存在をジランド王国へ報告すること。その過程で村の避難も呼び掛けなくては。・・・早急に戻るわよ!!」


 リーゼの言葉にリュウが待ったをかける。


「俺はここに残る。ジランド王国が迎え撃つには準備が必要だろ。その時間稼ぎをしよう。」


「な・・・なにを言ってるの!?何千体もののアンデッド系魔物がこちらに向かってるのよ!?光魔法があるにしても数には敵わないわ!!」


 リーゼの反対に意を介さずにリュウはスイリューをリーゼに預ける。スイリューとドラゴン語でしゃべる。


『リーゼたちの言うことを聞け。お前の父の暴竜は俺に任せろ。』


『リュウ!ボクも!!』


『ダメだ。お前はまだ弱い。』


 どうやらリュウは同族の暴竜を気にかけているようだ。


「皆は先に行ってくれ。」


 リュウはリーゼたちを背に向ける。その光景にリーゼが以前の夢を思い出す。


◇◇リーゼの夢の回想◇◇


 リュウが覇竜に変身しているところをおぼろげに目撃するリーゼ。


「リュウ・・・あなたは・・・?」


 覇竜はリーゼに振り返る。満面の笑みだった。


「さらばだ。」


「ま、待って・・・。待って!!」


 覇竜は翼を広げ、上空の彼方に飛び去っていく。リーゼが呆然と立ち尽くす。


◇◇回想終了◇◇


「(なんでこの夢を思い出す?)」


 リーゼが首を振る。


「待ちなさい!何故、あなたは無茶ばかりするのよ!?私たちは仲間でしょ!!・・・そんなに私たちが頼りない!?」


 リュウが驚きの表情をしながら、リーゼに振り向く。そこには今にも怒りながら、剣を抜きかからんばかりの表情をするリーゼの姿があった。


「・・・リーゼ。メイファ。アイリン。俺はお前たちがいなければ冒険者としてのイロハも知らなかった。常識も知らなかった。様々な面で感謝しているくらいだ。だからお前たちを守りたい。それに・・・暴竜も救いたいと思ってるんだ。」


「暴竜を・・・?」


 リーゼがスイリューの存在にハッとした。スイリューは暴竜と水竜の子ドラゴンと聞かされていた。


「それって義理人情なの?」


「あぁそうだな。」


 リュウの決意たる表情にリーゼが何かを察したように黙る。


「義理人情ならば、恩人を見捨てては蜥蜴族の名折れ!」


 事情を知っているウルスがリュウについていく。


「待ってニャ。アタイも残る!」


「私も・・・。」


 メイファとアイリンがリュウについていこうとするが、リュウが「来るな。ジランド王国に戻れ。」と制する。そこにソルたちが割り込む。


「取り込み中で悪いんだが、リュウに格好つけさせるわけにはいかない。」


「そうだワン!!」


「こうやって好感度を上げる作戦ですか。抜け目がないですね。・・・あぁ、怖いよ・・・。」


 ソル、ポチ、シンが口々に言った。どうやらリュウと共に残るようだ。


「死ぬわよ?」


「なぁに。時間稼ぎが目的だ。僕たちだって死にたくないさ。無茶はせずに隙を見たら撤退するさ。」


 ソルがリーゼに安心させる言葉をかける。


「・・・わかったわ。皆無茶をしないで!!」


 リーゼ、メイファ、アイリン、スイリューがジランド王国に向けて駆けていった。リュウが残った面々を見回す。


「・・・いいのか?」


「ふっ、僕を誰だと思ってるんだ!」


 ソルが歯をキラッとする。ポチもシンもウルスも覚悟を決めたかのような表情をしていた。


「(人化魔法を解いて、ドラゴンになるつもりだったが・・・皆の覚悟を、その心意気を破るわけにはいかぬか。)」


「なぁに。リュウは戦友だ!見捨てては後味悪いからな。」


「戦友・・・か。それもいいな。」


 リュウがふっと笑う。こうしてリュウたちはわずか5人でリッチ率いる不死軍団と対峙するのであった・・・。


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