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第四話冒険ギルド

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願います。

 ̄ ̄ジランド王国城下町・正門 ̄ ̄


どうにか釈放されたリュウはリーゼと共にジランド王国城下町の正門をくぐる。リーゼがくるりと回り込む。


「ようこそ。覇竜様の恩恵を受けしジランド王国。」


そこには中世ヨーロッパ風の外観の建物が並び、人族、獣人族、エルフ族、ドワーフ族、妖精族など様々な種族が行き交っていた。様々な店が立ち並び、活況であった。その中に混じって、冒険ギルドに向かって歩く二人。


「覇竜様の恩恵?」


覇竜である当の本人のリュウが首を傾げる。


「(はて?なにかしたっけ?)」


「ジランド王国が建立された経緯は、Sランク冒険者として腕を鳴らした昔のジランド様が覇竜様に勝負を挑んで、敗北し、その心に弱者に対する思いやりを植え付け、国を興したと言われているわ。」


「また覇竜様に勝負を挑んだ冒険者の大半は荒くれ者からうって変わって、弱者を思いやり、助けるようになったそうよ。」


そう聞いたリュウがううむと唸る。


「(それは違う・・・。前半は歴史が曲解されているが、後半は多少正しい。)」


リーゼがジランド王国を誇りに思っている表情に訂正などする気にはなれなかった。


「(これはあれだな。ボコボコにしすぎたせいか頭を打ったんだろう。でなきゃ俺が神格化するはずがない。)


リュウがジランド王国を興した昔の人たちに対して、奇人扱いにしたのだった。


「ついたわ。ここよ。」


リーゼが立ち止まる。リュウもつられて止まると冒険ギルドの建物は大きく、入ると綺麗な内装だった。リュウが物珍しそうにキョロキョロしてると「リーゼ?」と声をかける女二人組が目に映った。


片方は頭に赤猫耳が付いており、赤髪ショートカットでボーイッシュな女性だった。背が高く、猫の赤尻尾が付き、足も赤まだら模様の猫足であった。服装も機動力重視なのか鉄の胸当てをし、ホットパンツであった。


また片方は耳が長く黒髪ロングで背が低く、胸が小さく灰色のローブを羽織っていて、杖を持ち、魔法使いの出で立ちだった。


「あら、メイファ、アイリン。」


どうやらリーゼの知り合いのようだ。


「帰って来たかニャ。」


「後ろ・・・誰?」


メイファ、アイリンと呼ばれる二人はリュウに興味津々といった表情だった。そんな二人に戸惑うリュウにリーゼが紹介しだす。


「二人は仲間よ。私たちは瞬光の戦乙女というチームを組んでるわ。」


猫耳の女性がリュウに近づく。


「メイファ・キャットナイツ。獣人族。Cランク冒険者なのニャ。可愛い角がついてるニャ。」


リュウの角をつつく。思わず後ずさるリュウであった。


次に無表情の耳長の女性が前に出る。


「アイリン・シュガーノート。・・・エルフ族と人族のハーフ。Cランク冒険者の魔法使い。」


そう名乗り、コクッと頭を下げた。


「そして私が瞬光の戦乙女のリーダーよ。Bランク冒険者ね。」


最後にリーゼがそう言ってまとめた。この流れから自分も自己紹介すべきだと感じたリュウが口を開く。


「俺はリュウ。これから冒険者になる。わからないところは教えてもらえたら助かる。」


「ニャニャ。年は?種族は?」


メイファが興味津々に目を輝かせる。リュウは困った表情で「・・・15歳。蜥蜴族と人族とのハーフ。」と滞在許可証申請で通した年齢と種族名をそのまま使う。


「(蜥蜴族?)」


リュウの角を見るリーゼ。


「メイファ。引き留めない。・・・リュウ、冒険者試験頑張って。」


アイリンがメイファをたしなめてひっぱって、その場を離れた。


「ん?試験?試験があるのか?」


「えぇ、そうよ。」


リーゼが当然とばかりにあっけらかんと言った。リュウが多少焦る。


「すぐ冒険者になれないのか?」


「試験に合格出来ないようではすぐ死ぬのがオチよ。冒険者は死亡率高く、ハイリスクハイリターンの職業。魔物討伐などで死ぬ想像はできるでしょ?」


そう言われると確かにドラゴンの自分から見たら、ちっぽけな人間は死にやすいから試験で振るい落としは必要かと感じた。


「でも試験・・・。」


リュウが難しく考えているとリーゼが安心させるかのように微笑む。


「試験は簡単なものだから。詳しくは受付で聞くといいわ。」


リーゼが受付場に案内する。受付の前に立つと「あら、リーゼちゃん。」と巨乳で紫色ショートボブの受付嬢が笑顔で応対した。


「アンリ。この方が冒険者になりたいのよ。」


「よろしく。」


アンリと呼ばれた受付嬢は「あ、はーい。冒険者登録ですね。」と用紙を渡す。


「あ、文字読めない。書けない」


リュウがそう言うとリーゼが「代筆するわ」と代わりに名前、年齢、種族を書いてくれた。


「武器や魔法、罠解除など得意なことはあるかしら?」


「武器は持ったことないが、魔法は使える。」


「魔法ね。系統は?」


「火、水、風、雷。それと補助魔法。」


リーゼがちょっと驚く。


「賢者とまではいかないけど、すごいわね。」


「そうなんだ?」


「(まだ他の魔法もあるが、人間姿では使えないため、これで十分だろう)」


リュウは世界最強クラスの覇竜だが、人間になったことで様々な面で弱体化しているのだ。リーゼはさらさら書いて、アンリ受付嬢に渡す。


「はーい。確かに受理しました。冒険者になる際の必要な説明をしますねー。」


アンリ受付嬢によると冒険者になるためには試験があり、Gランク冒険者コースとDランク冒険者コースの二種類の試験があり、選べるとのこと。


Gランク冒険者コースは指定魔物三体の討伐。Gランク冒険者コースの支払いについては指定魔物三体が金の代わりになるようだ。


Dランク冒険者コースは冒険者相手に真剣での三回戦勝ち抜き。死んでも責任は持たない。代金として金貨10枚支払わないと受けられないとのこと。


「ランクと言われてもピンとこない」


リュウがそう言うとアンリ受付嬢は「はい。説明しますね。」と親切にしてくれる。


冒険者ランクは下から順にG~Sランクがあり、Cランクまでは依頼をこなした実績で昇級。BランクとAランクは依頼と試験で昇級。Sランクは国に対する貢献実績で国王に認定裁定が下れば昇級できるとのことだ。Gランクでは受けられる依頼が限られ、報酬も少ない。ランク昇級していけば受けられる依頼が増え、報酬も増える。ただし依頼失敗するとペナルティがつくとのこと。


「なるほど。それじゃ、Dランク冒険者コースを受ける。」


リュウがけろっと言うとアンリ受付嬢が焦る。


「話聞いてました?!真剣での勝負ですよ!!死ぬ可能性もあり、オススメしませーん!!」


アンリ受付嬢が腕で×文字を作る。どうやら身の程を弁えていないと思われているようだ。


リュウは聞く耳を持たず、机に貨幣の入った袋を逆にして全部出す。リュウが数えようとする前に「・・・・足らないわよ。」とリーゼがツッコミを入れた。金貨3枚、銀貨4枚、銅貨3枚だった。


アンリ受付嬢はホッとして「では、Gランク冒険者コースを受けますか?」とさりげなく誘導する。それなら金はかからないだろう。だが、リュウはてっとり早くDランク冒険者になろうと考えていた。ならば何か手段は・・・と考える。以前、覇竜として交流していた冒険者から「魔物の買い取り」という言葉を思い出した。


「ここでは魔物の買い取りできるか?」


「えぇ、出来ますが・・・持ってないですよね?」


アンリ受付嬢はリュウの手持ちを見る。魔物の姿すらない。


リュウは突然、手を口に突っ込む。


「!!?」


目を見張るアンリ受付嬢とリーゼ。その周りもリュウの行動に驚いていた。だが、よく見ると口に魔法陣が浮かんでいた。そこから3Mは超えてるであろう熊が出てきた。


「こ、これは・・・Cランク魔物ボクシングベアー!?」


アンリ受付嬢がそう叫んだ。リーゼは「収納魔法!?」と驚いた。


「(ドラゴンのとき、食料用に魔物を多数ストックしていたが、こんな形で役に立つとは)」


自慢げにふふんと口元をちょっとつり上げるリュウ。


「あなた、収納魔法持ちだったのね。・・・ボクシングベアーは接近戦では軽快な足捌きで動けるため、Cランク冒険者以上のチームじゃないと仕留めるのは難しいはず。」


リーゼはそう言いながら、ボクシングベアーの体を調べる。


「・・・・首元がえぐられてる?これは・・・風魔法?」


リュウはピタリと動きを止める。


「(そういえばドラゴンクローで倒したんだった。風魔法ということでごまかすか。)」


「・・・あぁ。」


そう返事した。


「ふぅん・・・他に傷が見当たらない・・・一撃かしら・・・?」


リーゼは首元のえぐり具合を観察する。リュウはアンリ受付嬢に「これで足りるか?」と聞いた。


「ボクシングベアー、査定しないとはっきりできませんが、綺麗なので金貨10枚は行けるかと。買い取りと同時にDランク冒険者コースを申し込みますか?」


さっきとは打って変わって、ニコニコなアンリ受付嬢。どうやらボクシングベアーを見て、リュウの実力を認めたようだ。


「それでよろしく!」


こうしてリュウはDランク冒険者コースの試験を受けるのだった・・・。

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