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第四十六話 ギルドマスター登場

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇冒険ギルド◇◇


 ジランド王国に戻ったリュウたちはダークの出現をラインゴッド騎士団長に報告し、警戒する旨を打ち上げてもらう運びとなり、冒険ギルドにて覇竜討伐の未達成をアンリ受付嬢に伝える。


「覇竜討伐クエスト失敗の罰則は特にありません。覇竜様と戦いました?」


 アンリ受付嬢が話を聞きたいと言わんばかりにワクワクしながら、リーゼに訊いた。


「覇竜様は会えず仕舞いよ。色々あってね。ジャイアントスネークと戦ったわ。」


 アンリ受付嬢が驚き、ガタッと椅子から立ち上がる。


「ジャイアントスネークは個体によってはSランク討伐案件になりますよ!?」


「えぇ、太刀打ち出来なかったわ。リュウだけダメージを与えてたけど、最終的に覇竜様に助けられたわ。私たちは気を失ってたから、その時の状況はリュウしか知らないわ。」


 リーゼ、メイファ、アイリンがやや肩を落とす。


「そ、そうですか!生きて帰ってこられただけでも良かったです!!」


 リーゼが「ふぅ・・・。」と大きく息を吐いた。


「思えば・・・魔竜は手加減していたと言えるわね。どこか戦いを楽しんでいた節があるわ。」


 魔竜は圧倒的な強者の余裕からリーゼたちとの戦いは手加減していたのだ。その気になればリーゼたちを瞬殺することも出来たのである。


「そ、それでジャイアントスネークの素材は・・・あ、いえ、覇竜様の食糧になりましたよね?」


 アンリ受付嬢が期待を寄せる目つきを一瞬だけするが、それは覇竜の獲物になったと気づいた。


 リュウがアンリ受付嬢の言葉に思い出したかのような表情する。


「ジャイアントスネークを持ってきてるぞ。美味い飯作ってくれ。」


 アンリ受付嬢を含め、リーゼ一同が驚いた。


「待って。なんであなたがジャイアントスネークを持って来ているの?」


 リーゼが何故という表情しながら聞いた。


「・・・リーゼたちが最初に戦ったから、戦利品に持っていけと。」


「そ、そう。」


 リーゼたちが気絶し、状況を知らないこともあって、上手いこと納得させることができたようだ。リュウ=覇竜だから、リーゼたちにも戦利品の権利はある。


「ただな。でかすぎて、自分一人では出せないんだ。手伝ってくれ。」


「(ドラゴンになれば上空から出せるが、人間の姿だとそうもいかんしな)」


 リュウが収納魔法からジャイアントスネークを出す準備をしようとするが、アンリ受付嬢が慌ててストップをかけた。


「ジャイアントスネークだとここでは手に余るので、場所を変えましょう!」


 観客席付きのコロッセウムよろしくの円形修練場に移動した。そこには冒険者たちが鍛錬に努めていた。


「ごめんなさーい。場所を空けてくださーい。面白いものが見れますよぉー。空けてくださーい。」


 アンリ受付嬢の言葉に従い、冒険者たちが空け渡してくれる。同時に冒険者たちは興味津々とばかりにこぞってリュウたちを眺める。


「変に注目されてるニャァ。」


 注目の的を浴びているメイファが落ち着かない。


「さっさと終わらせましょう。」


 リュウが口から収納魔法を出す。


「リーゼたち、引っ張ってくれ。」


 リーゼがリュウの魔法陣を浮かべる口に手を突っ込むのをやや躊躇うが、意を決め、リュウの口に手を突っ込む。端から見たら、曲芸かのようなことをしている。


「こ、これね・・・。」


 ジャイアントスネークの鱗肌に触れるリーゼがそのまま掴む。大きな感触を得るが、あまりにも重い。リーゼが「豪腕!」スキルを使用すると腕に血管が浮き出るほどパワーを増強する。その後ろにメイファとアイリンがつき、それぞれ腰を引っ張る。


「よいしょ、よいしょ。」


 徐々にジャイアントスネークの胴体が出てくる。だが、リーゼたちに疲れが見えるとそれまで興味津々に見ていた冒険者たちが「手伝おう。」と申し出てくれた。


「よいしょ、よいしょ、よいしょ、よいしょ。」


 絵本の「おおきなかぶ」ばりの光景にどんどんとジャイアントスネークの全貌が出てくる。その様子にアンリ受付嬢が唖然とした。


 全長20m級のジャイアントスネークの胴体が出たときは話を聞きつけた者たちが円形修練場に集まり、少々騒ぎとなっていた。


「この大きさからしてSランク魔物ですね。金額は今すぐ出せませんが、買い取り依頼しますか。」


 アンリ受付嬢がジャイアントスネークの状態を確認しながら、リュウたちをチラッと見る。


「よろしく頼む。すぐにでも食堂に出してくれ。」


 リュウが涎垂らしながら、買い取り依頼する。


「クスッわかりました。」


 そうこうしていると物見遊山に集まっている冒険者たちの中からかき分けて、丸っこい物体が登場する。


「おぉー!これはこれは!!」


 脂肪をこさえて、その上に上等な鎧を着こみ、ボサボサした金髪頭に10円ハゲの男が興奮していた。


「ギルドマスター!」


 アンリ受付嬢がギルドマスターと呼ばれる者と話しこむ。


「タイミングが悪いわね・・・。」


 リーゼがやや面倒臭そうな表情をした。


「誰?」


 面識のないリュウがギルドマスターと呼ばれる男に指差す。


「あれ、ランドルフ王様の謁見のとき会わなかったニャ?」


 メイファが首を傾げるとアイリンが代わりに答えてくれる。


「その時、リュウはランドルフ王様に呼ばれていなかった。」


「あ、そういえばそうだったニャ。」


「あの方は冒険ギルドマスターのフトッチョ・ハゲラン・・・様。人族。先代ギルドマスターの息子。先代ギルドマスターはとても立派な方だったが、病気で亡くなったのちにフトッチョ・・・様が跡を引き継いだ。騎士伯爵貴族でもある。」


 アイリンが人物紹介してくれるが、様付けするのが嫌なのかそのたびに間を空けてしまうようだ。


「(あいつがギルドマスター?見るからに太っちょで弱そうだな・・・。)」


 リュウがギルドマスターの容姿にそんな第一印象を抱いてたら、メイファがこそこそ耳打ちしてくる。


「良くない噂があるニャ。無茶ぶりなクエストを冒険者に押しつけて死なせたり、冒険ギルドで買い取ったレア素材を横流しして利益を一人占めにしたという話。先の戦争でも前線に立たずに倒した魔物をこそこそ回収していたニャ。金の亡者とも言える人ニャ。」


 リュウは冒険ギルドマスターのフトッチョの人物像とリーゼたちの良くない反応からして嫌な人間だということは理解できた。


 アンリ受付嬢との話が終わったフトッチョがつかつかと偉そうに近づいてくる。


「これは覇竜が仕留めたと聞いた。これをお前たちが横取りしているのか?」


 フトッチョの心無い言葉にリーゼが笑顔に貼り付けながら、心なしかこめかみにうっすらと「♯」と苛ついているようだ。


「私たちも戦ったことは聞いていらしてませんか?」


「ふん。これを倒したのは自分達の手柄と偽ろうとするのは良くないからな。」


 リーゼの「♯」にさらに「♯」が追加された。怒りのボルテージが上がっているようだ。


「(おいおい、面倒臭そうな気配がするな。)」


「おい。聞いての通りだ。これは覇竜が仕留めたのだ。お前たちの手柄ではない。あぁ、これは冒険預かりとする。無一文は可哀想だから、運搬費だけは出せ。」


 あからさまにジャイアントスネークを奪い取ろうとするフトッチョの理不尽な裁定にリーゼたちの怒りが爆発する。


「横暴ニャ!!」


「ギルドマスターの権限を悪用するなんて許さない。」


 メイファとアイリンが非難するとフトッチョが「ふん。」と見下す。


「これだけはしたくなかったけれど・・・。」


 リーゼがそう前置きする。


「私は騎士伯爵貴族第二女のリーゼ・トランスロッド!あなたの暴挙をお父様に報告します!」


「ふん、小娘が!我輩も騎士伯爵貴族!お前の父なぞ怖くないわっ!!」


 リーゼとフトッチョが睨みあう。その様子にリュウが困ったような表情をする。


「(ジャイアントスネークで美味い飯をと思っていたが・・・そんな雰囲気でもないな。)」


 リュウはジャイアントスネークが原因でトラブルになっていると判断する。


「アンリ受付嬢。悪いが、ジャイアントスネークは返してもらう。」


 事態を重く見たアンリ受付嬢がリュウの言葉にうまいことフォローする。


「それは残念ですね。ギルドマスター。申し訳ありませんが、所有権は瞬光の戦乙女チームにあります。」


「ヌゥッ!?」


 フトッチョが歯軋りする。


「はっきり言おう。これはお前のものではない。」


 リュウの言葉に傍観者に徹していた冒険者たちが「そうだそうだ!」と賛同した。日頃からフトッチョに対して反感を買っていたのかここぞとばかりにやり返しているようだ。


 リュウの言葉にフトッチョが怒りによって顔を赤らめ、わなわなと体を震え、リュウに指を差す。


「この小わっぱめが!!光魔法持ちだからっていい気になるなよ!!」


「正当な報酬を出さないお前が悪いだけだ。」


「チッ!おい!!正当な報酬を出してやれ!!」


「えと・・・。」


 アンリ受付嬢がリュウたちを見やる。ここが落とし所だと判断したリュウは穏便に事を済ます方向に行く。


「なら、アンリ受付嬢。よろしく頼む。」


「は、はい。手続きいたしますね。」


 フトッチョが怒りの目つきでリュウたちを睨みつける。


「我輩がここに立ち寄ったのは瞬光の戦乙女チームに用があったのだ!」


「私たちに?」


 リーゼが代表に声を上げるとフトッチョが後ろ手を結びながら、偉そうに踏ん反りかえる。


「この我輩から直々の指名クエスト、西の亡国ルクテシア王国の調査クエストだ。」


 確かゾンビや悪霊などのアンデッド系魔物が徘徊している亡国ルクテシア王国。そこには環境資源が豊富だとされているとランドルフ王から話を聞いたことがある。そしてフトッチョがリュウの光魔法で駆除させようという魂胆も。


「以前に話を伺っていました。でも危険なところだとご存知ですよね?」


「光魔法のリュウがいるのだ。問題なかろうよ?」


「威力は覇竜様ほどではありませんよ?」


 人間姿のリュウの光魔法は奴隷一人ずつ解放していく威力であり、広範囲に及ぶ力は持ち合わせていなかったのだ。


「それはなんとかしろ。」


 気合根性でやれという無茶振りを要求してきた。


「・・・・・♯♯♯」


 リーゼが怒りから拳を握り締めているところにアンリ受付嬢がやんわりと口に出す。


「西のジランド関所からはBランク冒険者以上及び二チーム以上でないと通れない決まりがありまして・・・リュウはCランク冒険者なので、クエストが成立しません。」


「ぬ!ならば、ジャイアントスネークを功績に、リュウをBランク冒険者に昇格させろ。」


「い、いいんですか?不平が・・・。」


「冒険ギルドマスターの権限においてリュウをBランク冒険者の昇格を認める。いいな!!」


「わかりました。」


 アンリ受付嬢がこれ以上、フトッチョの不興を買わないように後ろに下がる。


「では報酬は後を追って通達する。話は以上だ!」


 フトッチョはずかずかと歩いて去っていった。リーゼが溜め息つく。


「ごめんなさい!まさかギルドマスターが来るとは。いつもなら邸宅のほうにいるはずなんですが。」


 アンリ受付嬢がリーゼたちに謝る。フトッチョは普段は冒険ギルドに顔を見せないようだ。


「アンリのせいじゃないわ。タイミングが悪かっただけよ。」


「はい・・・。」


「それはそうとして・・・リュウ、覇竜様のように光魔法を広範囲に及ぶレベルに上げることは出来るかしら?」


「(そろそろ人化魔法を改良すべきだな。何かと強敵に遭遇し、力が抑えられているこの姿では力及ばないことが多い。)」


 そう感じたリュウは「数日、時間をくれれば、なんとかしよう。」と答えた。


「わかったわ。亡国ルクテシア王国の調査クエストの手続きしておいてくれる?」


「はい。あとBランク冒険者以上のチームを手配しておきますね。」


 西の亡国ルクテシア王国に向かうにはBランク冒険者二つの合同チームという決まりがあるため、もう一つのチームが帯同するようだ。


「クエストの依頼書が出来次第、お呼びします!数日お待ち下さい。」


 アンリ受付嬢がこの場を離れた。


「クエスト発行次第、出発しましょう。それまでに準備を整えましょう。」


 リーゼが先を見据えて皆を見回す。コクッと頷くリュウたち。


「(思いがけないところでBランク冒険者に昇格してしまったな。)」


 ランドルフ王の言う通りにフトッチョはリュウを利用したい魂胆が見え透けていた。


「(しかし、西の亡国ルクテシア王国か。暴竜の縄張りに入らないように注意したほうがいいな。)」


 四大竜の一角である暴竜に対して警戒を高めるリュウであった。



◇◇西の亡国・ルクテシア王国の跡地◇◇


 亡国のルクテシアの跡地にて悪霊とゾンビが徘徊している中にダークの姿があった。闇魔法で身体中に黒いもやを包み込み、堂々と闊歩していた。どうやら認識阻害できるようだ。


「(覇竜が人間に成りすましているのは驚いた。魔法によるものだろうが、質量保存の法則を無視しているだろ。どのような設定プログラムを魔法に組み込んでいるのか・・・。)」


 ダークは徘徊している悪霊やゾンビたちを見回す。


「ここには逆に人から魔物になるアンデッド系魔物がいるんだ。どのような過程で魔物になるのか。人工的に魔物にさせることができるのか研究しよう。サンプルはいくらでもある。」


「ナニモノダ!!」


「!?」


 ダークの前にぼろぼろのローブを着る骸骨がいきなり現れる。禍々しい姿だ。闇魔法による認識阻害をかけていたが、見破られたのだ。


「儂ト同ジ闇魔法ダ。見破レヌ訳ナイ。」


「そうかい。」


「ソレヨリモ聞コエタゾ。ココニイルアンデッド系魔物ハ元ハルクテシア王国ノ民ダ!!傷ツケルナラ排除スル・・・ト言イタイトコロダガ、オ前ハ闇魔法ノ使イ手。儂ノ求メルモノヲ持ッテイレバ、サンプル提供シテモイイ。」


「求めるものとはなんだ?」


「儂ハ憎キ暴竜ヲ倒サン為二国民タチに呼ビカケテイル。ダガ言ウコト聞カヌノダ。」


「ちょうどいいものを持っているんだ。これを研究したらどうだ?」


 ダークは隷属の腕輪を差し出す。これにより骸骨の陥没した二つの両目部分が紅く燃え宿る。


「コレハ面白イ!!」


「なら手を組まないか?」


「イイダロウ!」


 ダークと闇魔法の使い手である骸骨が手を組み、悪しき企てを狙っているのであった・・・。

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