第三十七話 クレアとエンカが金を稼ぐ!?
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
ジランド王国とディモール王国との戦争が終結し、戦勝国となったジランド王国は敗戦国のディモール王国に対し、多額の賠償金を請求し、戦争に従事した者に報償金を。そして奴隷から解放された者に生活の支度金を振り分けた。
ジランド王国はディモール王国の奴隷から解放された者たちを全員受け入れるのは不可能。子供、大人の女性、年寄りを優先に受け入れ、その他の者はかつて住んでいたところやジランド王国領の村に移っていった。
その中に魔竜ことクレアと小型炎竜ことエンカが奴隷から解放された者と偽り、ちゃっかり身分証と生活の支度金を得て、ジランド王国の中にいたのだった。
「人間として街に入るのは初めてねぇ~。」
クレアが人間の視点で物珍しげに南の街・商店街を見回す。クレアはウェーブのかかった黒髪に巨乳を強調する露出の高い服を着て、裾の長いスリットがついた黒スカートを履く。それ故にすれ違う男性全員が振り返る。だが、当のクレアは意に介さない。
「お姉様!!美味しそうな匂いがします!!」
冒険服を着たピンクツインテールのロリ体型少女のエンカがヤキトリ、ワタアメ、ヤキソバ、クレープなど様々な屋台が並んでいるところに指差す。
「あ~ら~。食べましょ。」
二人ともすっかり人族の言語を使いこなしていた。二人は観光さながら屋台を巡り、食べ歩きしていた。
「生活の支度金をもらったけれど、食べ歩いてたら、どんどん減ってしまうわねぇ。」
「人間の作る食べ物は美味しいけど、量が少ないですね!!」
「リュウも冒険者として報酬をもらってるけど、食費に消えていってしまうと言ってたわねぇ。やはりドラゴンの胃袋じゃぜんぜん足りないわねぇ。」
クレアとエンカの両手に入りきらんばかりの食べ物を持っていた。このままでは生活支度金がすぐ尽きてしまうと感じたクレアとエンカは今後の身の振り方をどうすべきか話し合う。
「とりあえず人間の社会には金が必要だということはわかったわ~。さて、どうすれば手に入るかしらぁ?」
「リュウ様のように冒険者活動をして、報酬を得ます?」
「ん~。私は人間として動き回るのが大変ね。リュウは慣れると言ってたけれど・・・。」
クレアもエンカも人間になったばかりで動きがぎこちない部分があった。
「何かの仕事で報酬を得ますか?」
「どうしようかしら~。出来れば楽して金儲けできないかしら?」
「奪います?私たちなら楽勝ですよ?」
エンカが無邪気に犯罪を提案する。魔物の世界では弱肉強食。勧善懲悪などといった道徳的なことは存在しない。二人はその気になれば人殺し等の犯罪の線をやすやす越えるということだ。
「ダメよ。犯罪起こしたら、リュウに怒られるわ。それにマークされてるわよ。私たちは。」
「え!?」
「先の戦争で見た空間魔法使いの老人ね。だから、犯罪はダメね。」
クレアはセバスチャンが影ながら見張っていることに気づいていたようだ。エンカもクレアの言うことに「はーい。」と首を縦に振った。二人は両手に山ほどある料理をパクパク食う。ほどなくして、西街に入り込む。
「あ~ら~。ここはなにかしらぁ?」
周りを見回すとやたらにピンクカラフルな建物が並び、露出が高く艶っぽい女性が行き交い、中には鼻の下を伸ばした男性をピンクカラフルな建物に連れ込む女性もいた。
「お、巨乳おねーちゃん!!いくら!?俺と一発どうで!?」
下卑た男がクレアに声をかける。
「ここはどこかしらぁ?」
「あん?知らねーのか?ここは娼館だぞ。」
二人は西街・娼館が集うところに入り込んだようだ。エンカが好奇心な目をする。
「娼館って人間の雄と雌がつがいになるところですか!?」
「あぁ・・・??」
下卑た男はエンカの勢いに押されるが、クレアに「いくらでやれんの?」と訊く。クレアは巨乳のグラマーな体型で露出の高い服装をしてるため、娼婦と勘違いされてもおかしくない。
「ん~?人間の雌は体を売って、金を得てるの~?」
「そうみたいですね!」
クレアがピコーンと思いついた顔をし、下卑た男に「いくらで私とやりたいのぉ?」と訊く。
「へへ・・・あなたなら金貨一枚出してもいい!!」
「ふぅ~ん。出してくれたら行ってあげていいわよぉ~。」
下卑た男が「ほ、本当か!」と金貨一枚をクレアに渡す。
「楽に稼げる仕事、見つけちゃったわぁ~。」
「さぁ、いこうぜ!!」
クレアは金貨一枚を手に妖しく笑いながら、チュッと下卑た男の頬にキスする。同時に唇から魔法陣が発現する。
下卑た男に「幻惑魔法(中級)・色情の幻!」をかけた。すると下卑た男はうつろな目をしながら立ったままになる。クレアのあは~んな幻覚を見せられ、ぐへへ・・・と怪しげに笑い、周りから不審者として見られているのだった。
「お姉様!!人間の雄を簡単に手玉に取り、稼ぐ方法を見つけるなんてすごい!!」
「これは人間の言うところの商売で行けそうねぇ~。」
クレアとエンカが悪どい笑みを浮かべた。エンカが「お姉様とやれますよー!」と呼び込み、クレアの美貌に釣られて、やってくる男性に金を巻き上げ、「幻惑魔法 (中級)・色情の幻」をかける。その繰り返しで道端に目がうつろでぐへへ・・・な表情をした何人ものの男性が転がっていたのだった・・・。
「あっという間に稼いじゃったわねぇ。」
クレアとエンカはホクホクだった。後日にリュウはクレアとエンカが西街・娼館の路地裏で魔性の館としてテントながらの店を出して、繁盛していると聞くのであった・・・。
◇◇◇◇◇
クレアたちは西街・娼館が立ち並ぶところで商売を始めた。だが、娼館といったら、様々なトラブルがつきものでもある。当然ながらクレアたちがその場面に遭遇する。
「待ちやがれ!!」
「た、助けて・・・。」
娼婦らしき者が男たちに追われていた。娼婦が路地裏に逃げ込み、男たちを撒こうと試みる。その過程でクレアたちの魔性の館として構えるテントに身を隠す。
クレアたちからしたら、ゼェゼェと息が切れているところに突入してきたのでやや驚きの目で見る。
「あ〜ら?可愛いお客様ねぇ?」
「よほどお姉様に会いたかったのかな?同性にまで魅了される美貌ですもんね!!」
「うっふん♪」
クレアたちは娼婦らしき者の事情など知らずに呑気な雰囲気であった。
「ごめんなさい!少しの間、匿って!!」
「あれ?違うみたいですよ。」
エンカが首を傾げ、クレアの方を見る。
「あら。今は暇だし。いいわよぉ。」
「あ、ありがとう!!」
娼婦らしき者が息を整えると身の上の事情を話し出す。
「はぁ。借金して、返せなくなっちゃって、娼婦やってるんだけどさぁ。これがひどいんだよね。貴族に向けての上納金ってのがあってさぁ。ノルマがきつくて逃げ出しちゃった。」
「上納金?」
「娼館経営している人たちは上納金を義務付けられているみたいなんだけど、君たちはないの?」
「始めたばかりだから知らないわよぉ。」
クレアが肩をすくめる。
「店を出す許可取らないで始めちゃったの?」
「許可?人間って面倒臭いことするんですね。」
エンカが首を捻る。すると娼婦らしき者が青ざめる。
「ま、まずいわ!!悪いことは言わないわ。テントを畳んで撤収を・・・。」
「こんなところにいやがったのか!」
娼婦らしき者を追っていた男たちが入ってきた。
「借金を踏み倒そうなんて許さねぇ!」
「今すぐ戻れ!!」
男たちが娼婦らしき者の腕を強引に取る。娼婦らしき者の視線が自然と助けを求めるかのようにクレアたちに向けた。
「だ、そうよ。暇つぶしになったしぃ。さぁ、戻って金稼ぎに精を出すといいわよぉ。」
薄情にもクレアがひらひらと手を振る。娼婦らしき者が絶望の表情する。
「あの。よくわかりませんが、ここは助ける場面じゃないですか?」
エンカが初めて遭遇するトラブルに正しい判断が下せずに首を捻る。
「えー。話聞いても借金返せなくて追われているでしょ。自業自得じゃないのぉ?」
「それはそうですけど。」
男たちがクレアたちの存在に気付いた。
「初めて見る顔だな。そんな美人さんなら顔を覚えていねぇはずがねぇ。」
「角があるし、あれじゃないですか。ディモール王国から来た元奴隷じゃないですかね。」
「こんなところで商売を始めようってんなら、許可は取ったのかい?俺たちが代わりに許可取ってやるから、金出せ。貴族の上納金ってやつだ。」
男たちはクレアたちが女だからか、威圧的に迫る。だが、二人は面白げな表情になる。
「喧嘩売られているの?初めてよ。面白いわね。」
「私たちの見た目が人間だからって恐れを感じない人は馬鹿ですねぇ。」
「でも手を先に出しちゃダメよ。空間魔法使いの老人が見張っているから、相手から先に出させることよ。正当防衛って言い訳できるからねぇ。」
「はーい。」
男たちが「チッ、痛い目に遭わせねぇとわからねぇのか!?」と襲い掛かる。
「エンカ。一発もらってからやっちゃってね。」
次の瞬間、男たちがテントから吹っ飛んで、壁に激突した。その様子を目撃した娼婦らしき者が唖然とした。
「終わりましたー!」
どうやらエンカが男たちを瞬殺ごとくふきとばしたようである。
「こらこらぁ。一発もらってないわよ。」
「あ、てぺぺろ。」
クレアたちがくすくす笑い合う。すると男たちが痛みを堪えて立ち上がる。
「お、俺たちのバックに貴族がいるのをわかってんだろうな・・・。」
「ジランド王国に来たばかりの私たちにそんなこと言われてもねぇ〜。」
「ぐっ、覚悟して待っておけ!」
男たちは捨て台詞を吐き、娼婦らしき者を置いて消えていった。
「あら?ついていかないのかしら?」
クレアたちが娼婦らしき者を見て首を傾げる。
「あ、ありがとう?」
「あら?なんで?」
娼婦らしき者を助けたつもりはなかったクレアたちだが、逆の立場なら、ついお礼を言いたくもなる場面でもあった。
「なんとなくかな。でも、娼館一帯を支配する貴族に目をつけられたかもしれないから、気をつけてね。」
娼婦らしき者はクレアたちに忠告も含め、再度お礼を述べ、この場を去った。
「気をつけてって何に?」
「さぁ?」
クレアたちは先ほどの争い事を虫を潰すかのような出来事として捉えていたため、首を捻る。
「ねぇ。それよりも面白いことに気づいちゃった。」
「なんですか?」
「魔物の世界は力による弱肉強食。だけれど、人間の世界は金による弱肉強食。金が物をいうみたいなのよね。」
「はい。」
「だから、目指しましょう。」
クレアが人差し指を天に向けて差す。
「娼婦NO.1を!!」
クレアたちは変な方向で張り切り、金を稼ぐのであった。
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9/24 第三章につながる貴族関連の伏線を張ろうと考え、改稿しましたが、納得できておらず、また改稿の可能性があります。




