第三十五話 凱旋式と貴族
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
ジランド王国がディモール王国との戦争により、戦勝国となった。ジランド王国は国を挙げて凱旋式を開き、凱旋パレードが行われていた。王国城まで続く道に主だった活躍者が高台馬車に乗って、国民たちに愛嬌を振り撒いていた。
主だった活躍者
・ディモール王国の王を討ち取った近衛総大将カインズ・トランスロッド
・戦争の終結に貢献した瞬光の戦乙女チームのリーゼたち
・魔物討伐数トップの栄光の戦士チームのソルたち。
・各方面で活躍を見せた者達(リュウがこれに含まれる。)
リーゼたちは高台馬車から見えるジランド国民たちに手を振っていた。キャーキャーと歓喜に溢れる国民たちに戸惑うリュウの姿があった。
「(凱旋式とは戦争で活躍した者を英雄として担ぎ上げる儀式なのか?)」
戦争前の出陣式では不安がる国民が多かったが、凱旋式は皆、喜んでいる。リュウはその笑顔に気持ちよさを感じさせられる。
「(まぁ、担ぎ上げられるのも悪くはないか・・・。)」
リュウは愛嬌と言えるにはぎこちなさが残る表情で国民たちに手を振った。そしてジランド王国城に初めて入城する。金ピカのディモール王国城とは違い、こちらはまともな王国城であった。
「うわうわうわぁーニャ。」
メイファが物珍しげにキョロキョロする。それにつられ、リュウもキョロキョロする。絨毯が敷き並んで、絵画や壺などの芸術品や調度品などが随所に置かれていた。おまけに高い天井にシャンデリアが並んでいる。目が眩しくなるくらいだと感想を持ったくらいに金をかけていた。
「メイファは初めて入ったのか?」
「いや、初めて!貴族やジランド王国騎士団でもない一般人は城にはあまり縁がないニャ!!」
よく見ると俺たちと同じようにキョロキョロする者が何人か見受けられた。
「(なるほど。城は気軽に入れるところではないのだな。)」
人間の世界の常識をまた一つ学ぶリュウであった。
◇◇謁見の間◇◇
カインズの案内で謁見の間の煌びやかな扉の前に立つ。カインズが入る前にリュウに耳打ちする。
「王様はお前がかつて会ったことがある人物だ。お前の正体も知ってる。だが、悪いようにはしないさ。」
「(かつて会ったことがある・・?)」
「そんじゃ、入るか!」
カインズの号令で煌びやかな扉が開き、リュウたちは謁見の間に入る。仕官たちと貴族たちが左右に並び、頭を下げていた。その間を通ると豪華な玉座に座っている王様らしき者がいた。
カインズが礼儀正しく膝をつき、頭を下げる。続いてリーゼたちやソルたち、主だった活躍者たちが膝をつき、頭を下げる。
「(え?なにこれ?)」
礼儀作法を知らずに遅れたリュウはアタフタしながら、膝をつき、頭を下げる。王様の傍にいた宰相らしき者が「頭をあげよ。」と謁見の間にいた全員に声をかけた。
リュウたちが頭を上げたら、質実剛健とも思える体格で誠実そうな顔つきの王様がいた。いかにも王様だという豪華な服を着ていた。
「余がランドルフ王だ。」
その姿にその声にリュウが思い出したという表情した。過去、リュウが覇竜として南の山を根城に構えていたところにカインズの案内の下にランドルフが王就任の際の挨拶に来たことがあった。無論、大掛かりな軍団ではあったが。
◇◇回想◇◇
「カインズ。これは何事だ?まさか今になって私を討伐しようと言うのか?」
覇竜の根城にカインズがジランド王国騎士団の屈強な騎士たちを率いてやってきた。覇竜にとってカインズは戦いを交わした戦友だと思っていたが、裏切られたのかと勘違いしていた。
「違う違う。次期王ランドルフがお前に挨拶したいんだとよ。」
カインズが前に出て敵意はないと屈強な騎士たちを下げさせた。その代わりに次期王とやらが前に出た。
「余がランドルフ・アルフリート五世。この度はジランド王国の王に就任することとなる。その挨拶に参った次第である。」
「うむ。人間の政とやらか。それで何故、私のところに?力は貸してやれんぞ。」
覇竜の力を我が物に利用できないかと考えたのなら、断るだけだ。
「数十年以上に渡る穏やかな天候にジランド王国は繁栄に恵まれた。だが、カインズから聞いたのだが、それは覇竜様のお力あってこそのことだったと。」
「む・・・・。」
覇竜は天候を操る力を持っている。カインズたちと戦い、手の内を知られていたのだ。荒天や飢餓レベルの猛暑や大雪が続くたびに天候を操作していたのだ。その行いは自分のためと周囲の環境のためだったが、近くにあったジランド王国にも恵みが行ったようである。それがカインズたちとの交流で次期王ランドルフに話が伝わったようだ。
「余の最大の感謝を受け取ってくれ。」
屈強な騎士たちが食料をたっぷり乗せた荷台を持ってくる。これに「うむ。くるしゅうない。」と気をよくした覇竜。
「お前の願いは聞いておる。それがいつになるかはわからないが、余が生きている限り、全面的に協力すると約束しよう。」
覇竜が人間になって冒険者として活動したい願いまで話が伝わっているようだ。なんとなく気恥ずかしい気持ちを持つ覇竜だった。
◇◇回想終了◇◇
「先の戦争で活躍したことは余の耳に届いておる。魔竜出現はそなたたちの活躍により、被害が抑えられた。覇竜様の助力があってこそのことだったが。」
ランドルフ王は意味深にリュウをチラッと見る。
「ジランド王国の王として、感謝の念を伝えよう。ありがとう。」
「ハッ、ありがたき幸せ!!」
カインズが代表に返事した。
「ささやかな礼だが、褒賞を準備した。受け取ってくれ。」
ランドルフ王が宰相らしき者に目配せする。宰相が名前を読み上げる。
「近衛総大将、カインズ・トランスロッド」
「ハッ。」
跪いていたカインズが前へ出る。
ランドルフ王が功績と褒賞を挙げる。
「ハゲデブ王を討ち取った功績により、白金貨100枚贈る。これからもジランド王国を守ってくれ。」
「ハッ!」
宰相が次を読み上げる。
「瞬光の戦乙女チーム
リーゼ・トランスロッド
メイファ・キャットナイツ
アイリン・シュガーノート
栄光の戦士チーム
ソル・デュミナス
ポチ・ウルフナイツ
シン・カッシーナ」
同じく膝まずいていたリーゼ、メイファ、アイリン、ソル、ポチ、シンが前に出る。リュウが呼ばれなかったのは別枠があると事前に聞いていた。
「魔竜との交戦で被害を食い止めた活躍により、戦争の終結に貢献できた。白金貨10枚をそれぞれのチームに贈ろう。さらなる活躍を期待している。」
「はい!」
主だった活躍者に対して褒賞を与え、最後にランドルフ王はリュウに顔を向ける。
「リュウ。」
宰相が名前を読み上げるとリーゼたちに習い、前へ出る。
「リュウ。そなたの光魔法で多くの奴隷を解放したと聞いている。光魔法については貴重な魔法故に事情は理解しておるか?」
「・・・・。」
◇◇回想◇◇
リーゼから貴族になるかもしれないという話に「・・・何故?」と訊くリュウ。
「十年に1人と言われる光魔法をあなたが持っているからよ。」
「それだけで貴族に?」
リュウは人間の社会で貴族という立場を得ることにうーんと首を捻った。
「(ドラゴンの俺が貴族になるのも変な話だな。)」
リーゼが光魔法の重要性を説明し始める。
「創造神のご加護を受けし人間が扱えるとされている光魔法。悪霊やゾンビといったアンデッド系に絶大な効果を発揮し、闇魔法に対抗できる手段。」
「賢者マクスウェル様も光魔法持ちだったわ。創造神のご加護を受けていたのか、それとも魔法の徹底的追求なのか、あらゆる魔法が使えたわ。だけれども、良くない方向に行ってしまったわね。まぁその話は別として。」
賢者マクスウェルはディモール王国の元宰相にして覇権統治を唱えた人物。自分の魔法研究のために多くの奴隷を殺していたのだ。既に死亡している。
「それに対する闇魔法は数年に1人が扱え、時には邪悪な使い方をする者がいる。一例としては隷属の腕輪がそうね。先の戦争で理解したわよね。」
隷属の腕輪のついた戦争奴隷を光魔法で解放したことを振り返る。
「だから、光魔法持ちの人間は立場を与え、囲いたいというのが世界共通認識ね。」
リーゼが「ここまでは理解できたかしら。」と一旦、リュウを見つめる。
「理解したが、貴族の序列というのはどうなってるんだ?」
「冒険者から貴族だと騎士貴族の序列になるわ。上から騎士伯爵>騎士子爵>騎士男爵>騎士凖男爵という順番ね。騎士男爵家までは比較的に自由で冒険家業が兼務可能よ。ただ騎士貴族は戦場で前線に立ち、国を守る義務があるわ。」
ジランド王国には国政貴族と騎士貴族の二種類がある。二種類の貴族の立場としては国政貴族の方が偉いらしい。国政貴族の方には伯爵より上の公爵が存在している。
「国を守る・・・か。」
「(ジランド王国を縄張りにしている俺からしたら、国を守るという点で言えば貴族になってもいいかもしれんが・・・。)」
◇◇回想終了◇◇
「爵位を授けようと思っているのじゃが、どうかな?」
ランドルフ王がリュウの正体が覇竜だと知っているがために表情を窺う形になってしまっている。だが、リュウはすぐ返事しない。これに周囲も不穏な雰囲気を醸し出す。
「光魔法を持っているからといって、リュウとやらのあの態度はいただけませんな。」
「ランドルフ王様に恥をかかせようというのですかね。」
「これだから冒険者は・・・。」
次々と陰口叩く者が現れる。この場にいる仕官や貴族だ。その声がリュウにも届いた。この場の貴族たちに対して、悪印象を持ち、これをきっかけに爵位を断る方向に傾いた。
「(ドラゴンの俺が貴族になってもしょうがないだろうし・・・面倒臭そうだ。)」
リュウがそう思案顔しているとランドルフ王が心のない陰口に焦る。素直に爵位を貰い受ければ、収まる話のはずなんだが、その雰囲気を理解してないリュウだった。
「家も授けよう。どうじゃ。根無草と話は聞いておるよ。」
ランドルフ王はリュウの逐一の動向はカインズから聞いていたため、生活は把握していた。
「む・・・。」
リュウがここで心が揺らぐ。メイファ家とアイリン家を交互にヒモのように泊まらせてもらっていた。さすがに迷惑ではないかと思い始めていたのだ。心なしか背後からリーゼたちのプレッシャーが気になる。
「チラッ。」
背後を確認するとリーゼが鋭い目つきで「受け取れ!」と視線を放っていたのであった。その時、リュウはこの場の態度に常識を逸脱しているとやっとわかった。王様からの褒賞は拒否してはまずいと理解したのである。
「ありがたき幸せ!!」
その返事にリーゼたちも周囲の仕官も貴族も落ち着くところに落ち着いたのである。こうしてリュウは爵位と家を賜ったのであった。
◇◇◇◇
「では別室にて食事を用意しています。ご案内します。」
仕官により社交の場で使われる広い部屋に案内される。貴族たちと交流しながらビュッフェ形式で食事する流れのようだ。そこでリーゼにリュウの頭をはたかれる。
「バカ!拒否したら、不敬に当たるわ!!」
「そ、そうなのか・・・。」
人間の身分の差に上下関係を作るやり方に面倒臭いと感じるリュウであった。
「心臓が止まると思ったニャ・・・。」
メイファの言葉にアイリンもコクコクと頷いた。
「騎士貴族男爵の爵位を貰ったんだが、どうしたらいいんだ?」
「騎士貴族学校というのがあって、リュウはそこで勉強するわ。」
「なんだと?」
初耳だと言わんばかりのリュウ。
「リュウは常識がないから、ちょうどいいわ!!」
「(いや、俺は冒険者がやりたいだけで貴族なんてやりたくないんだが。)」
リーゼにそう言いたかったが、怒られそうなのでやめるリュウであった。そんなことより目の前にビュッフェ形式に並ぶ料理に舌鼓を打つ。リュウは料理を皿に盛り込もうとしたら、仕官に呼び止められる。
「王様がお呼びです。」
「え?後でじゃだめ?」
またリーゼに頭を叩かれる。
「行きなさい!」
「わ、わかった・・・。」
リュウは仕官の案内によってランドルフ王の私室に案内される。
「あぁ・・・料理食いたかった・・・。」
リュウは未練がましく呟きながら、ランドルフ王の私室に入るのだった・・・。
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改稿前は貴族にならない路線。
改稿後は貴族になる路線になっています。
第三章に向けて貴族の対立を追加で書きたいと考えています。




