第三十二話 ディモール王国戦⑧ハゲデブ王の末路
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!!
◇◇ジランド東平原〜ディモール王国の上空◇◇
「空を飛んでるニャ!!」
覇竜の背に乗ってるメイファがギャーと叫ぶ。アイリンは高所恐怖症なのか無表情に固まり、冷や汗をかいていた。
リーゼが覇竜に問いかける。
「人間の始めた戦争なのに何故、ここまでしてくださるのでしょうか?」
「・・・亡きマクスウェルに頼まれたということもあるが、魔物や人間の子供まで奴隷にするのは見捨ておけん。同族である炎竜も被害に遭ってるしな。」
「・・・覇竜様、ありがとうございます。」
「(妙な気分だな。自分の姿が違うと皆の態度も変わるものだな。)」
くすぐったい気分になりながら、魔竜たちを追って飛ぶと魔竜たちの後ろ姿が見えてきた。
『おーい!魔竜!!』
覇竜がドラゴン語で呼び掛けると『なによ!!』と相当なお怒りの魔竜がスピードを緩めて並んだ。
『なによ。人間たちを乗せてるの?まったく・・・あなたにプライドというものはないの。』
魔竜が覇竜の背に人間を乗せてるのを見て溜め息ついた。リーゼたちには「?」とドラゴン語特有のギャァギャァ言語のため、理解できなかった。※カインズはスキル「気合い会話」でニュアンスはわかる。
カインズがスキル「気合い会話」で魔竜に話しかける。
『ディモール王国で暴れるのはこの際構わねぇが、一般国民や奴隷もいるんだ。そいつらには手を出さないで欲しい。』
『私には一般国民とやら奴隷とやら人間の見分けなんてわからないわ。ディモール王国とやらを滅ぼす。それだけ。』
そっけない態度を取る魔竜に覇竜が口を出す。
『魔竜。ディモール王国を叩き潰すのは私も賛成だが、これは人間の戦争。人間に決着つけさせるのが良い。』
『何言っているの?!その人間が魔物を、私たちを使おうとしたのよ!?』
『それは隷属の腕輪の生産元であるダークを叩けば済む話だ。それに我らが、ドラゴンが手を出すと人間との関係が余計に悪くなってしまう。』
覇竜が宥めると魔竜はまたも溜め息ついた。
『人間との関係を気にするドラゴンなんてあなた以外いないわよ。』
『人間になるのも面白いぞ。美味い飯も食えるし、人間と仲良くしておいて損はないと断言しよう。』
『・・・。』
魔竜がチラッとリーゼ、メイファ、アイリンを見やる。
『ちょーっと人間の雌は気になっていたよねぇ。もう。あぁ、わかったわ。ディモール王国とやらは滅ぼさないけれど、襲うわ。これだけは譲れないわ。』
カインズが『それだったら、その場所を指定して襲っても構わない!!』と妥協の道筋を見つけ、ディモール王国を襲う手順を話し合うのであった。
 ̄ ̄ディモール王国 ̄ ̄
東の国のディモール王国は周りを城壁で囲み、中に城下町がある。ここまではどこにでもある城塞だったが、その中心に悪趣味かのように輝く金ピカーッの城が建っていた。
ディモール王国城の謁見の間で玉座にふんぞり返って座る肥満体の男。その名はハゲデブ。
ディモール王国のハゲデブ王。名前からその通りに容姿は肥えに肥えて頭がハゲている。酒池肉林を地に行き、人族至上主義で人族以外の種族を奴隷にし、覇権統治を目論む。世界を支配し、自分が思い通りの王となる野望を持ち合わせている。まさに悪政王にふさわしい男であった。
「ダークはどうした?」
「ハッ、お呼びして参ります。」
仕官がダークを呼ぶために席を外す。
「もうそろそろジランド王国壊滅の一報が届いても良い頃合いであろうに・・・。」
すると入れ違いにバタバタと謁見の間に駆け込んでくるディモール王国の兵士。
「騒々しい!なんだ!?」
「た、大変です!!魔竜と覇竜、そして炎竜がこちらに向かってきています!!」
その報告にハゲデブ王は理解を超えたのか青ざめ、口をパクパクした。ようやく気力を振り絞り、「な、なんだと・・・。ダークは!?ダークはおらんのか!」と発した。
ちょうど仕官が戻ってきた。
「部屋にダークがいません!!所在を確認しています!!」
「魔竜と覇竜、炎竜・・・に、逃げ・・・げぶぅ!!」
突然、ハゲデブ王の首が自分の脂肪に埋もれ、玉座ごとめり込む。周囲の仕官や近衛騎士、貴族たちも同様に地面に伏せた。
◇◇ディモール王国・上空◇◇
魔竜が「ドラゴン魔法・重力操作50倍」でディモール王国全体にかけていた。ディモール王国にいるすべての者が動けなくなっていた。
『これでいいよねぇ~。』
「あぁ!覇竜頼む!!」
覇竜はディモール王国全体に「光魔法(上級)・大いなる輝き」で中にいる奴隷を解放する。
『じゃぁ暴れるわ~。』
魔竜は小型炎竜と共に金ピカのディモール王国城に突っ込んでいく。カインズが戦争に加担している貴族や上層部がわんさかいるディモール王国城に一般国民や奴隷はいないだろうと判断し、暴れて良いと言っておいたからだ。これは粛清に近い処理だ。
覇竜が適当な場所でリーゼたちを降ろし、リーゼたちは頭上にマジックバリアを張りながら、城下町にいる奴隷たちの救出に当たる。
そして覇竜はカインズを乗せ、ディモール王国城のてっぺんの謁見の間と思われる部分に突っ込む。ドッガァァァと激しい音を響かせながら、謁見の間の上に太陽が差し込む。
玉座にめり込んだハゲデブ王が「な、なんだ・・・?」と無理矢理に顔を上げた。
「よーぉ。」
カインズがハゲデブ王に手を挙げながら登場し、歩み寄る。その背後に覇竜がいた。
「カインズ・トランスロッド・・・。」
カインズは大剣を手に取る。命の危機を感じ、怯えを見せるハゲデブ王が騒ぐ。
「で、出会え出会えーーーー!!」
だが、ハゲデブ王の声に動き出せる者は皆無であった。全員が地面に這いつくばっていたからである。
「なんだ。魔竜の重力50倍を凌げないなんて練度が低いな。邪魔が入らないのは楽だな。」
カインズが邪魔が入らないことを確認するために周りを見回し、改めてハゲデブ王に向き直る。
「ダークはどこだ?」
「し、知らん・・・本当だ・・・。」
「チッ・・・逃げやがったか?まぁいい・・・。」
カインズは大剣をハゲデブ王の首に当てる。その首が脂肪に埋もれているため、「首がどこにあるかわかりやしねぇな・・・」と吐き捨てた。
「待ってくれ・・・。助けてくれ!!」
命乞いするハゲデブ王。カインズは目をギロッとする。
「おめぇらのせいで死んでいった多くの種族の集落・・・死んでいった奴隷たちがいるんだろ!!」
「そ、それはマクスウェルが人族至上主義の覇権統治を唱えていたから・・・。」
「マクスウェルは自分の間違いに気づき、おめーらの覇権統治を止めようとしたが、叶わずこちらに亡命してきただろうが!!そのマクスウェルが晩年にお前に遺した言葉だ。」
「え・・・・?」
「儂と共に地獄に落ちようとな・・・。」
カインズは大剣を振りかぶる。
「ヒ、ヒィィィィ!!」
醜い断末魔を上げ、ザシュッと首をはねられるハゲデブ王。その背後で見届ける覇竜だった。
「・・・カインズにもこのような一面があるものだな。」
覇竜にとってカインズは30年前に相対し、度々の交流から人となりを把握していた。豪快で面白い男。そのつもりだったが、目の前にいるカインズは返り血を浴び、冷たい目をしていた。ディモール王国の人族至上主義によるやり方に長年の鬱憤があったのだろう。
「俺は人間だからな・・・。」
カインズはハゲデブ王の首を拾い上げ、くるりと踵を返し、城下町を見渡せる開けた展望台に立つ。拡声魔道具のマイクを持ち、大きく息を吸う。
「おめーらの王の首は取った!!戦争はオレたちジランド王国の勝ちだ!!」
カインズがハゲデブ王を討ち取ったことで戦争の勝敗は決したのであった・・・。
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