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第二十八話 ディモール王国戦④リュウVS魔竜

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇カインズVS魔竜サイド◇◇


「くっ・・・・。」


カインズが魔竜を相手に膝をつき、大剣に身体を預ける。魔竜と必死に戦うもダメージをそれほど与えられなかったようだ。


「もう抵抗するのはやめたらぁ~。人間が私に勝てるわけないもの。」


「へっ。なぜ勝てないなんて決めつける!オメェに勝つ手段はあるんだ!!」


カインズが「神速!」で素早く魔竜の懐に入る。


「豪腕・竜牙突!!」


魔竜の胴体部分に大剣を突き刺しながら、思いきりジャンプする。そのまま魔竜を上空に突き上げる。


「あ~ら~。何する気~。」


余裕たっぷりの魔竜にカインズはにやりと笑う。


「やれぇー!!セバスチャン!!」


カインズが大声を張り上げるとジランド王国軍側後方に巨大魔導砲の引き金を持ち、待ち構えていたセバスチャンがいた。


巨大魔導砲の筒で照準を合わせるには手動で数人かがりの騎士が力一杯に動かさなければならないが、セバスチャンは「空間魔法・転移門!!」と魔竜のところまで空間を繋げて照準をすぐ合わせた。


魔竜は空間でつなげた先に巨大魔導砲の出現に「な・・・なんなのそれ?!」と驚いた。カインズが「ぶちかませー!!」と号令にセバスチャンが巨大魔導砲の引き金を引いた。


ドッカーン


巨大魔導砲が先の戦いで魔物の大群の大半を消失した強力な魔力エネルギー弾が激しい響きと共に筒から放出され、魔竜にぶつけた。同時にカインズも巻き込まれた。上空に激しい煙が立つ。そこからピューと人影が落下する。


「旦那様!!」


カインズが地面に叩きつけられた。かなりのダメージを負ったカインズは仰向けで上空を見上げる。


「やったか・・・?」


煙から晴れるとまったく無傷の魔竜の姿があった。


「ば・・・ばかな。」


愕然するカインズ。魔竜の前に黒い穴があった。


「びっくりしたわ・・・。重力操作でブラックホールを作り出さなければ死んでたかもしれないわねぇ。その武器は危険ね。」


魔竜は「ドラゴン魔法・重力操作」で重力により、空間を歪め、ブラックホールを形成し、魔力エネルギー弾を吸収したのだった。


魔竜はジランド王国軍側後方に陣取っている巨大魔導砲を見るなり、「ドラゴンブレス!!」とエネルギー弾が放たれる。セバスチャンが「まずい!空間魔法・瞬間移動!!」と巨大魔導砲から離脱し、巨大魔導砲は破壊された。


上空にいた魔竜は仰向けのカインズの眼前に降り座る。


「あなた~ちょーっとムカついちゃったから、消しちゃうわね~。」


「クソッタレ・・・。」


魔竜はカインズに向けて口にエネルギー弾を収束させ、「ドラゴンブレス!」と放たれると同時にカインズの前に「ドラゴンスキン!!」と立ちはだかる人影。ドラゴンブレスにより、土煙が立つ。それが晴れるとリュウがそこにいた。


「覇竜・・・いや、リュウ。」


「戦友カインズ、大丈夫か。同族が迷惑をかけてるようだ。あとは俺に任せてくれ。」


リュウは魔竜にドラゴン語で話しかける。


『魔竜よ。相変わらず美しいな。』


『あ~ら~。私の美貌がわかるのねぇ~。ドラゴン語がしゃべれる人間なんて珍しいわね~。角つきね。』


魔竜はリュウを上から下まで眺めて匂いを嗅ぎ、ハッとする。


『この匂い・・・。まさか覇竜!?』


『そうだ。人化魔法で人間になった姿だ。』


『久しぶりねぇ〜。いつ以来かな〜?そうそう。初めて会った時はあなたがちっちゃい頃だっけ。その時はあなたから喧嘩売ってきたのよねぇ。半殺ししちゃったっけ。あははは。その後よね。いつの間にか強くなって私と肩を並べちゃったもんねぇ〜。それでさぁ。』


魔竜の懐古話が延々と続きそうなところをリュウが待ったをかける。


『すまないが、そんな話をしにきたんじゃないんだ。』


『え〜。まぁいいわ。それで何の用?』


『お前を止めに来た。』


『・・・なんで?』


『ここは俺の縄張りだからだ。』


『えー。嘘でしょぉ。あなたの縄張りは南の山の住処だけでしょ。ここまでって範囲広すぎよぉ?そんなに範囲が広いと気軽に飛べないわよ?』


魔竜が縄張りの範囲にクレームを入れる。


『・・・人間を食うのはやめろ。』


リュウの威圧を込めた言葉に魔竜は動じないどころか何かを思い出したかのような表情する。


『あぁ、そういえば、あなたは人間に憧れていたんだったわよねぇ。人間を食わないドラゴンってのもおかしいしねぇ。』


『これ以上、戦場を引っ掻き回すな。今から引き返せ。でないとやり合うことになる。』


『あなた、矮小な存在である人間に入れ込みすぎじゃないのぉ~。そもそも私たちは魔物よ?魔物と人間は対立する関係。わかり合えるなんてあるはずがないわよ~。目を覚ましなさい!!』


『・・・今は人間を守りたいんだ!たとえわかり合えなくてもな!!』


『・・・本気なの?人間に影響され過ぎ。ドラゴンとしても異質な存在だったし・・・。』


ゴゴゴゴ・・・とただならぬ雰囲気をまとう魔竜。


『同族とはいえ、排除するしかないわね。』


魔竜が腕を思いきり振りかぶり、リュウに襲いかかるのであった。


◇◇リュウVS魔竜◇◇


「ドラゴンクロー!」


魔竜の攻撃にリュウは爪を伸ばし、魔力を込め、擬似的にドラゴンの手を作り出し、「ドラゴンクロー(弱体化)!」と対抗した。だが、パワー負けし、爪が剥がれた。


『くっ・・・。』


『人間なんてなるから弱くなるのよぉ~。』


魔竜が牙を大きく立てる。


「ドラゴントゥース!」


リュウの身体に噛みつく。


「ドラゴンスキン(弱体化)!」


リュウは身体にドラゴンの鱗をまとわりつかせ、防御した。なんとか防げているが、噛みつかれたまま身動きが取れない。そこでリュウはミスリルの牙を装備し、魔力により、擬似的にドラゴンの牙を作り出し、「ドラゴントゥース(弱体化)!!」とやり返すかのように魔竜の口に噛みついた。


『いったーい!』


魔竜はブンッと噛みついていたリュウを地面に叩きつけた。


『ぐっ!!』


『やったわねぇ~。』


「ドラゴンスタンプ!!」


魔竜の踏み付け攻撃にリュウが転がるように避けて体勢を立て直す。


「(やり合ってもこの体じゃ、勝てる見込みが薄いな・・・。人間の得意な工夫が必要だな。昔に冒険者相手から学んだ戦い方を実践してみよう。)」


リュウが工夫とやらを実践するために魔法を繰り出す。


「風魔法(中級)(弱体化)・エアドーム」+「水魔法(中級)(弱体化)・アクアボール!」


魔竜の首から上に空気の膜が張られ、中に水球が注ぎ込まれるかのように包む。


『あらぁー。何をする気ぃ~。まさか溺死させる気なの?お笑い草だけどぉ〜。』


魔竜は様子を見ている。防御力の高さから来る自信により受ける気満々のようだ。


「雷魔法(中級)(弱体化)・ライトニングボルト!」


水球に包まれている魔竜にぶつけ、感電させるが、『ふぅーん。それがどうしたのぉ~。』と効いていない魔竜。


『これはな・・・昔に冒険者が俺を倒そうと工夫した魔法技術なんだ。食らえ!』


これで完成とばかりに最後の魔法を繰り出す。


「火魔法(下級)(弱体化)・ファイアボール!!」


小さな火球が飛び、魔竜は「?」と小さな火球を眺める。


『それで私を倒せると思って・・・?』


小さな火球が水に包まれている部分に触れるとボーン!!と爆発を起こした。「ギャァァァ!!」と爆発に包まれる魔竜。


『複合爆発魔法・水素爆発だ。原理はわからんが、人間は理解しているようだ。』


※水と空気に電気を与えて、化学分解し、水素が発生したところに火を加えて、水素爆発を起こすことを魔法でやってのけたということです。魔法って便利。


爆発に耐え、ダメージを受けた魔竜にリュウは『人間は色々、工夫するんだ。侮ってたら死ぬんだぞ。』と警告した。


『ふふ・・・怒ったわぁー!!』


繰り出してくる攻撃を避けながら、収納魔法から両端に刃がついたバトルアックスを取り出すリュウ。


「リーゼの言うとおりだったな・・・。」


 ̄ ̄ ̄回想 第二十話の続き ̄ ̄


「リュウは力があるから、武器を振り回すだけでもダメージを与えられる。」


リーゼは様々な武器を買い占めて、リュウに与える。


「収納魔法があるから便利よね。備えあれば憂いなしね。特に防御力高いドラゴン相手には役に立つはずよ。」


 ̄ ̄ ̄回想終了 ̄ ̄ ̄


リュウはバトルアックスを力一杯振り回し、魔竜を攻撃する。だが、硬い鱗に阻まれ、逆に刃こぼれした。もう使えなくなってしまった。


『ドラゴンのあなたが武器を使うなんてますます人間みたいね!!』


リュウは次の武器を求め、収納魔法から先端に剣が付いた細長い棒を取り出す。


「槍か!!」


槍の心得など知らずにとりあえず力一杯突いた。すぐさま折れて、使えなくなった。


「次だ!」


リュウが次に取り出したのは鞭。


「鞭!?嫌な予感がするが、やるしかない!!」


リュウが鞭をしなるように振り回したが、逆に自分の顔に自爆したかのようべチィッと当たってしまう。


「ぐぉぉぉぉぉ・・・。」


顔を抑えて痛みを堪えるリュウに魔竜が呆れる。


『何、お笑いでもやっているの?』


『鞭は向いてなかったようだ!!』


リュウは八つ当たりに魔竜に鞭を投げつけた。魔竜はふーんと鞭を受け取る。


『これはこうするのよ?』


魔竜が鞭を使ってリュウに向けてしなるように攻撃した。


「ゲベァッ!!」


リュウの頬に鞭が打たれた。


『なんで鞭を簡単に扱える!?』


『どうやら私、この鞭に適正あるようね。でもいらないけどねぇ。威力がお粗末だしぃ。』


魔竜は鞭に武器適性があったようだが、自身の攻撃力が高いことから、鞭は放り捨てた。リュウは武器を上手く扱えずに言いようも知れない嫉妬感に襲われた。


「次だ!!」


リュウは次に収納魔法から大金槌を取り出す。


『これならいけるか!?』


大金槌を振り回し、魔竜の頭にぶちかます。大きな衝撃が手を通し、体に伝わる。


『・・・脳が揺れたわよ?』


魔竜に脳震盪こそあったもののさしてダメージがなかった。


「お返し!!ドラゴンチョップ!!」


魔竜の仕返しとばかりにのされた。こうしてリュウは様々な武器を用いても全く魔竜に通用しなかった。


『ふわぁぁ。もう満足した?』


地面には使えなくなった武器が散乱していたのだった。


「(リーゼから買ってもらった武器は全部使った。それでも通用しなかった。やはりかつて俺に傷をつけた武器が必要のようだ。)」


リュウが「これが最後だ。」と収納魔法から金色輝く剣を取り出す。それはソルが以前に持っていた金色輝く剣に似ていた。


魔竜が目を開く。


『それを使おうとするつもり?』


『わかるか?これはオリハルコンの剣。俺たちを傷つけられる武器だ。』


『ふふふふ。』


魔竜がニコッと不敵に笑う。オリハルコンの剣に警戒度を上げたようだ。そしてリュウが剣を構えて、飛びかかる。だが、魔竜が簡単に真剣白羽取りをやるかのように爪で剣を挟んだ。


『こんな立派な武器を持っていても使い手がヘボじゃ意味ないわよ?』


『・・・それはそうだな。』


リュウも自覚していたのか同意した。魔竜が剣を離すと同時に体全体を使って回る。


「ドラゴンテイル!」


魔竜の尻尾に打たれ、リュウが吹っ飛ぶ。


その先に魔竜の幻惑魔法にかかり、混乱状態であったソル、ポチ、シンの三人にぶつかった。その拍子で我に返ったソルたち。


「な・・・なんだ?リュウか!?」


ソルたちが膝をついてるリュウとその先にいる魔竜を交互に見る。


「くっ・・・この体では勝てない。」


人間になったことで弱体化したリュウでは流石に四大竜の一体に勝てるわけなかった。それは戦う前から分かりきっていた結果であった。


「(俺がやってることは人間の真似事だ。俺が本来の姿に戻らねば、魔竜と渡り合えない。人化魔法を解くしか・・・。)」


リュウは人目を気にしていたが、このままではジリ貧だ。人化魔法を解除しようと考え出した矢先、ふとソルのガラクタ剣を見る。


「・・・剣壊したんだったな。」


「あ・・・あぁ。」


リュウは手にしていた金色輝くオリハルコンの剣をソルに手渡す。。


「これが本物のオリハルコンの剣だ。やる。」


ソルは目を見開き、オリハルコンの剣を受けとる。


「俺はそれを上手く扱えない。剣士であるお前なら扱えるだろ。」


「あ、あぁ?」


ソルは理解に追いつかない表情した。自分がオリハルコンの剣を使って魔竜と戦えというのか?と。


「リュウ!何、無茶をしてるのよ!?」


リーゼたちがリュウたちの元に駆けつけた。


「リーゼ。今の俺では魔竜を倒せない。だが、リーゼたちが力を合わせれば可能性はある。あとは任せた。」


「待って!!」


リーゼの制止を振り切り、リュウは駆け出し、魔竜と戦う。魔竜のドラゴンクローでリュウの首についていたアンリ受付嬢から貰ったお守りが切れた。


「(あ・・・約束破ったら、針千本飲むんだったな・・・。)」


「ドラゴン魔法・重力操作、無重力!!」


リュウはお守りに気を取られ、宙に浮いた。魔竜が口にエネルギー弾を収束する。


『消えてなくなりなさい!!』


魔竜の咆哮「ドラゴンブレス!!」をまともに食らう。


「ぐあぁぁー!!」


リュウは東の彼方に消え去っていった。


「リュウー!!」


リーゼたちが悲痛な叫びをしたのだった・・・。

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