第二十六話 VSディモール王国戦②光魔法で戦争奴隷を解放
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
◇◇ジランド王国前線部隊◇◇
リュウたちの前に三人の戦争奴隷が現れる。
一人は額に一本の角がつき、2Mはあろうかという屈強な鬼人族の男性で錆びのついた斧を持っていた。
もう一人は兎人族で頭に二つの兎の耳が付き、白髪老人の男性でボロボロの剣を持っていた。
最後の一人はくたびれた茶髪セミロングをし、目に生気がなく、幼い。腕から手にかけ、茶色の羽がついていた。鳥人族の女子供のようだ。ナイフを所持していた。
鬼人族の男性がメイファを標的にする。
「すまねぇ。体が言うことを聞かねぇ。」
鬼人族男性は謝りながら、メイファに錆びた斧を振るう。
その傍ら、兎人族の老人がリーゼと相対する。
「儂を殺しても構わん。あの鳥人族の女子供・・・カミュを助けてやってくれ。」
兎人族の老人は目でカミュと呼ばれる鳥人族の子供を示しながら、リーゼにボロボロの剣を振るう。メイファとリーゼがそれぞれ応戦する。
◇メイファVS鬼人族の戦争奴隷◇
メイファが鬼人族の男性のパワーに苦戦する。鬼人族の男性が「斧技・大地斬!!」と力一杯に振りかかる。
「影分身!!」
メイファは影分身スキルで実体のない三人を増やし、かわした。
メイファと影分身三人は機敏的に動き、鬼人族の男性を惑わす。隷属の腕輪のついてる腕を狙い、魔爪手刀攻撃で斬った。「ウァッ!」と腕が取れ、鬼人族の男性は戦争奴隷から解放された。鬼人族の男性は痛みをこらえ、脂汗をかきながら「感謝する・・・。」と膝をついた。
◇リーゼVS兎人族の戦争奴隷◇
兎人族の老人が「瞬脚!」と兎ごとく素早く跳ね回り、リーゼが対応しあぐねてると「剣技・五月雨斬り!!」を繰り出してきた。リーゼは剣筋を見切り、ボロボロの剣の刀身の根本をスパッと斬った。だが、兎人族の老人はすぐさま剣を捨て、徒手空拳でリーゼの着ている鎧を目掛け、手のひらで勢いよく「拳技・空掌拳!!」を放った。
「ぐっ・・・」
空掌拳による衝撃が鎧越しに通過し、ダメージを受けたリーゼは「(この御老人、強い・・・。)」と距離を取って対峙する。
「儂を殺せ!ためらうな!!」
叱咤激励する兎人族の老人。リーゼは首を横に振る。
「私はあなたを救うわ!神速剣!!」
目に止まらぬスピードで隷属の腕輪のついてる腕を斬った。「ぬぐっ!」と腕が取れた兎人族の老人は痛みに耐える。
「儂はやっとディモール王国から逃げられるのだな・・・。」
戦争奴隷から解放され、口元を吊り上げた。リーゼが「(あとは鳥人族の子供・・・。)」とリュウたちに視線を移す。
◇リュウ、アイリンVS鳥人族のカミュ◇
鳥人族の女子供カミュがナイフを持ち、リュウを刺そうとする。
「(こんな幼子が・・・)」
リュウは身体でナイフを受け止める。頑丈で刺さらないのだが、カミュは繰り返し刺してくる。隷属の腕輪の効力により、身体が勝手に動き、意識は不鮮明のようだ。
「植物拘束しますので、どいてください。」
アイリンがリュウに声をかける。リュウは繰り返し刺してくるカミュに「・・・辛いか?」と問うが、返事は返ってこない。言いもしれない沸き上がる感情がリュウを突き動かし、カミュを抱き締める。
「今の俺は光魔法が使えないんだ!」
リュウは本来のドラゴンに戻らないと光魔法が使えないのだ。だが、リュウの身体からまばゆい光が放つ。するとカミュの隷属の腕輪が壊れ落ちた。その様子を目撃したリーゼたちが「それは光魔法!?」と驚いた。
[慈しみの心を持ったことで光魔法(弱体化)が使用可能になりました。]
リュウの脳内でそうアナウンスされた。
カミュは「うっ・・・。」とおぼろげな目でリュウを見上げる。リュウが銀色のドラゴンと錯覚する。
「綺麗なドラゴン・・・。」
カミュはそう言い、意識を失った。リュウはカミュを抱き上げる。
「こんなくだらない戦争は早く終わらせよう・・・。」
リュウは戦争を、そして戦争奴隷を目の当たりにし、欲望際限なき戦いの果てに屍が積み上げられる人間の愚かさを知った。ならば早急に終わらせようと誓ったのである。
◇◇◇◇
「スパッと斬ったから腕の断面は綺麗のはず。早急に回復魔法をかければくっつく可能性があるわ。」
リーゼは戦争奴隷から解放された三人にそう告げ、後方支援部隊に行かせた。そしてリュウに向き直る。
「あなたは光魔法が使えるのかしら?それならなんで早く言わなかったの?」
「・・・ついさっき使えるようになった。本当だぞ。」
リュウは答えあぐねるかのように言い訳じみた表情する。人間の身では先ほどまで使えなかったのは本当である。
リュウの表情にリーゼが訝しげな表情になる。だが、アイリンが「これ以上は時間の無駄。」と戦争の真っ最中だという意味を込めて一言かけた。
「・・・今はそれどころじゃない状況だし。光魔法が使えるなら、戦争奴隷を解放していきましょう。」
リュウたちが戦争奴隷たちを解放すべく行動を起こす。
リュウは「光魔法(中級)・輝かなる光」と口から魔法陣を出し、一人ずつの戦争奴隷を解放していった。戦争奴隷たちは皆、リュウに感謝して、後方支援部隊に行った。
◇◇◇◇
「想定以上に隷属の腕輪から解放された者が多いな。」
ラインゴッド騎士団長が部下からの報告に感嘆の声を上げる。
「光魔法を持つ者がいたようです。」
「なんだと?誰かわかるか?」
「二つの角つきの男だそうです。」
「んん?二つの角つき?」
ラインゴッド騎士団長が疑問を上げると側で聞いていたカインズの脳裏にリーゼとリュウの組み合わせで浮かんだ。
「(リュウだな。光魔法扱えたしな。迷惑かけるようだが、頼むぜ。)」
◇◇◇◇
その頃、栄光の戦士チームのソル、ポチ、シンが連携を組み、魔物を次々倒していく。
「リュウに剣を壊され、急遽、武器屋に行ったが、戦争だということもあって、ガラクタ剣しか残ってなかったが、僕の剣技にかかれば瞬殺さ。」
イケメン天才剣士ソルが魔物を斬っては斬って、自信満々に歯をキラッとした。
「楽勝だワン。」
力自慢のポチもまた物足りないと言わんばかりの表情する。
「やめてくださいよ。そう言うと大抵ピンチになるフラグなんです。」
シンが言葉を慎むように注意を促す。
「ははは、シンは相変わらず臆病者だな。」
「場数の経験の違いと言ってください。僕は君たちより年上なんですよ?」
シンは長耳のエルフ族。一見、ソルたちと同じく若者に見えるが、ソルたちの二倍以上は生きている。エルフ族は長寿で若い期間が人族より長い。
そのシンの言葉が現実になるかのようにソルたちに巨大な影が差す。ソルたちの周囲が一瞬だが、いきなり暗くなる。
「ん・・・?」
ソルたちが異変に気づくと次の瞬間に目の前にそれが現れる。
ドッシーン
突然降ってきたかのように響く着地音と共に巻き上がる土埃に紛れる巨大な物体。
「な、なんだ!?」
ソルたちが土埃に紛れた巨大な物体に目を凝らす。すると目がギラッと反射しながら、輝くのが見えた。土埃が消えると真っ黒な鱗の体表が現れる。その正体が・・・。
「ま、ま、ま、まりゅうー!!」
ソルたちの前に現れたのは四大竜の一体で世界の頂点に立つ最強生物の魔竜だった・・・。
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