第二十四話出陣式
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
 ̄ ̄ジランド王国・正門付近 ̄ ̄
ディモール王国との戦争に向け、ジランド騎士団と冒険者有志での出陣式が行われていた。道の左右に多くの国民が詰めかけており、熱量の高い声援がかけられる中、リュウは瞬光の戦乙女チームや多くの冒険者有志と共に正門に向けて歩いていた。
「(こうやって戦意を高揚させ、勝つべきもの、守るべきものを認識させる儀式なのか。)」
リュウは出陣式で国民の勝利に対する期待、戦場に赴く者の別れに対する恐怖、侵略に対する恐怖など様々な感情を一身に受け、戸惑っていた。
「リュウ。大丈夫よ。私たちもこの光景はさすがに初めてよ。だけど臆することはないわ。」
リーゼがリュウの戸惑う様子に安心させる言葉を投げ掛ける。
「それなら手を繋ぐニャァ~。」
メイファがリュウの右手を繋ぐとアイリンが負けじと「私も。」と左手を繋ぐ。
「(子供扱いされてるような・・・。)」
あれぇーと引っ張られるリュウだった。
「メイファー!」
猫が人になったような出で立ちをし、猫の手を大きく振っていた。メイファの母だった。
「おかっさん!!」
「本当に行くのかニャ!あんたが死なれたら嫌ニャ!」
メイファの肩をゆさぶるメイファの母。どうやら戦場に行くメイファを止めに来たようだ。
「・・・おとっさんの仇を取りたいニャ!それにアタイはジランド王国を守りたいニャ!それがおかっさんを守ることに繋がるニャ!!」
メイファの決意たる言葉にメイファの母が泣き出し、その光景にリュウは思わず口を開く。
「メイファを守ってほしいと以前に約束したな。俺が守ってやるから、安心して待っててくれ。」
メイファの母が涙目でリュウを見る。
「アタイの旦那はすっごく強いから、安心して待っててニャ!!」
メイファが改めて安心させるように手を繋ぐとコクッコクッとメイファの母が頷き、別れる。
「リュウ。ありがとうニャ!胸がキュンキュンしてるニャァ~。」
メイファが猫尻尾をブンブン振りながら、リュウの右腕を組んできた。負けじとアイリンも「私も守って。」とリュウの左腕を組む。
「戦争前なのに余裕ね・・・。」
リーゼが苦笑いしていた。
「リーゼ!」
アンリ受付嬢が手を振ってくる。アンリ受付嬢の隣に食堂のおばちゃんがいた。
「リーゼ・・・。本当に気を付けてね。私は何もできないけど・・・これを持っていって。」
リーゼがアンリ受付嬢から人数分のお守りを受けとる。
「ありがとう。アンリも気を付けてね。」
リーゼが感謝の笑みを浮かべる。アンリ受付嬢がリュウに振り向く。
「リュウくん。私は瞬光の戦乙女チームが発足したときから見ていたの。覇竜様と戦うんだ!と意気込んでいたよね。女だけのチームじゃ、防御面でつまずいていたところもあったけど、リュウが来てくれたときから、雰囲気が明るく強くなったと思うわ。でも心配なの。」
アンリがリュウの手をギュッと握る。
「リュウくんは強いから、リーゼたちを守ってあげて。約束よ。」
アンリ受付嬢が小指を差し出す。リュウは「?」と首を捻る。
「お互いの小指を絡めて、ゆびきりで誓いの儀式をするのよ。」
リーゼから教えてくれた。リュウも小指を差し出し、ゆびきりする。
「リーゼたちを守ってね。約束を守れなかったら、針千本飲ますわぁ~。」
アンリ受付嬢の冗談にリュウが「(なんだと!ゆびきりの誓いを破ったら厳しい罰があるのか!!)」と真に受けてしまった。
「こ、これは頑張らねば!」
リュウが震えた声で返事するのだった。
食堂のおばちゃんが「お弁当多めに作ったから持っていきな。」と弁当を受け取る。※リュウは冒険ギルドの食堂のおばちゃんに通いつめて、仲よくなっていたのだ。
「ディモールのバカを叩き潰してやっておくれ。無事に帰ってくるんだよ!」
「あぁ!おばちゃんの飯は美味いからな!!」
アンリ受付嬢と食堂のおばちゃんと別れ、ジランド王国・正門を出る。ある程度歩き、リュウはジランド王国を振り返る。
「(短い間なのに人間に関わりを持ち、守るべきものが俺にも出来たように思う。・・・孤独だったドラゴンのときとは違う。人間とはいいものだな。)」
「・・・ここは俺の縄張りだ。」
そう呟き、戦場に赴くリュウたちであった。
 ̄ ̄ジランド王国騎士団の出陣式 ̄ ̄
リュウたちや冒険者たちの後にジランド王国騎士団が続く。そして道の左右にいる国民たちがあるものを見て騒ぐ。
「なんだ!あの兵器は!?」
「移動式大砲か!新型にしてはでかすぎる!!」
国民たちの各々の感嘆の声を揃える。
新型移動式大砲と思わしきものの上に立つカインズ・トランスロッド。
「ハハハハー!今は亡き者マクスウェルのおっさんがドラゴンブレスを参考に作り上げし巨大魔導砲だ!!ディモール王国!目にものを見せてくれるわ!!」
カインズは目をギラつかせ、高らかに笑ったのだった・・・。
最後までお読みくださり、ありがとうございます!評価点orブックマークをお願いします!