第二十二話レベル5をなめるな!
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてますが、よろしくお願いします!
「(俺、何かしたか?なんなんだ・・・?訳わからない・・・。)」
修練場の円型の真ん中で自分の行動を振り返ってみたが、心当たりがなく首を捻るリュウの姿があった。仲間であるリーゼたちがリュウに対する好意にソル、ポチ、シンの嫉妬を買ってるとは理解できなかったようだ。
円型の観客席が冒険者ですべて埋まっており、「なんだぁ?バトルするのか?」「やれやれやれー!!」と血気盛んな声が聞こえてきた。
栄光の戦士チームのさわやかなイケメンAランク冒険者のソルが1歩前に出る。
「リュウ。見なよ。観客が多いだろう。君はここで無様に負けて生き恥をさらしたまえ。」
「はいはい・・・。」
投げやりに返事するリュウ。
「待ってくださーい!なにをしようとしてるんですか!?」
そこにアンリ受付嬢が巨乳をゆったんゆったんとしながら、止めに入ってきた。
「なぁに。戦争前のウォーミングアップさ。君、審判やってくれないか?」
「だめですよぉー。」
アンリ受付嬢はそう言うも観客から「やれやれー!」と騒がれ、場の雰囲気から収拾つけるにはやらせた方が良いと判断する。
「ギブアップ宣言もしくは行動不能になったら、試合終了でいいですね!?」
念を押して審判を務めるアンリ受付嬢。
「君はレベルいくつなんだ?」
ソルが訊いてくるが、リュウは「(そういえばいくつなんだろう?)」と脳内でステータスを確認する。
リュウ(覇竜)
レベル5(弱体化)
HP9999(弱体化)
MP2500(弱体化)
攻撃力3500(弱体化)
防御力3700(弱体化)
魔力2900(弱体化)
敏捷性200
ー魔法ー
火魔法(中級)(弱体化)
水魔法(中級)(弱体化)
風魔法(中級)(弱体化)
雷魔法(中級)(弱体化)
回復魔法(初級)(弱体化)
光魔法(使用不能)
ドラゴン魔法(使用不能)
補助魔法(初級)(弱体化)
収納魔法
人化魔法
ースキルー
魔爪
ドラゴンクロー(魔爪により、使用可能。ただし弱体化。)
ドラゴントゥース(牙装備により、使用可能。ただし弱体化)
ドラゴンテイル(使用不能)
ドラゴンブレス(使用不能)
ドラゴンスキン(弱体化)
自己再生(弱体化)
悪食(弱体化)
気配探知(弱体化)
魔力探知(弱体化)
ステータスを確認したリュウは「レベル5だ。」と答えた。するとソル、ポチ、シンが笑いだし、観客も笑い声が聞こえてきた。
「馬鹿正直に答えるとは恐れ入った。新入り冒険者らしいレベルだ。お似合いさ。」
人間の世界にはレベルを実力に物差しを図ることが多々ある。だが、ドラゴンのリュウには魔物にレベルの概念がない。魔物全般にレベルを示したところで理解できるわけではない。あるのは弱肉強食のみ。人間にだけ導入されているレベルシステム。そうとは知らずに答えて、馬鹿にされた。
「(なんかイライラしてきた・・・。)」
リュウが不機嫌になる一方、観客席にいるリーゼ、メイファ、アイリンが「レベル5?」と驚いていた。
「メイファ、アイリン。リュウのレベルを知ってたのかしら?」
リーゼが二人に振る。メイファが「知らなかったニャ。」と首を横に振る。
「リーゼのお父さんにレベルで惑わされてはいけないから聞かないようにと教わってたから。」
アイリンが答えた。
「それであの強さ・・・?レベル50くらいと見ていたのだけれども・・・。」
リーゼが愕然とした表情をしながらリュウを見るのであった。
リュウと栄光の戦士チームが向かい合い、人狼のポチが「俺にやらせろワン!」と前に出てきた。
狼顔で上半身が体毛に覆われているポチが「はぁぁー!!」と上腕二頭筋ムキムキにして、爪を伸ばし、姿勢を低く構えた。
「一秒で倒してやるワン!!」
素早くリュウに目掛けて「獣王狼爪!!」と攻撃を仕掛けた。
「決まったな・・・。」
ソルが金髪をたくしあげ、歯をキラッとした。勝負は決まったと思われたようだが・・・。
「グハァ!!」
次の瞬間にポチがソルとシンの横にぶっ飛んで壁に激突していた。ここまで一秒の出来事である。
「・・・え?」
一瞬の出来事に仰天するソルとシン。
そんなソルたちの前に不機嫌そうな表情をしながら、爪を伸ばし、魔力を込めて擬似的にドラゴンの手を出しているリュウの姿があった。ドラゴンクローでポチをぶっ飛ばしたようだ。
「な、なにが・・・?」
あわあわするソルたち。
「次はどいつ?」
リュウが怒気にまじった声を出して、二人を睨み付ける。呼応するかのように耳の長いエルフ族の青いローブで魔法使いのシンが前に出た。
「私が相手です。」
魔法を唱える。
「土魔法(上級)・ゴーレム召還!!」
地面から5Mはあろうかという土人形が出てきた。
「さぁ!潰しなさい!」
シンは土人形を動かし、リュウに目掛けてパンチする。
「これで決まったな・・・。」
ソルが髪をたくしあげ、歯を再びキラッとした。先ほどと同様で勝負は決まったと思われたが・・・。
ドガッ!!
次の瞬間に土人形の体に突然穴が空き、倒れた。
「・・・え?」
またもや一瞬の出来事に仰天するソル。気づいたらシンが尻を打ってギブアップ宣言していた。
「な、なにが・・・?」
あわあわするソル。
リュウは「風魔法(下級)・エアロ」でつむじ風を作り、それを大きく吸い込み、エアロブレスを放つことで土人形に穴を開けたのだ。それを目撃したシンがビビって尻餅をつき、ギブアップ宣言したのだった。
「これでお前が最後だな。」
リュウがソルを睨み付ける。
「ふ・・・ふん、なかなかやるじゃないか。」
ソルが強がりを言いながら、金色輝く剣を掲げる。
「僕はAランク冒険者の天才剣士ソル!!見よ!神々しく輝く金色のオリハルコンの剣を!!」
「(オリハルコンだと?これはやっかいだな・・・。)」
オリハルコンはこの世界で最強の硬度を誇る鉱石。それを素材に作られた武器は生態系頂点に立つ四大竜の強靭な鱗をも斬ることが可能。ただしオリハルコンは希少なものであり、武器防具として市場に出回ることは滅多にない。
リュウはかつてドラゴンとしての戦闘経験からオリハルコンの剣に脅威を感じ、口にミスリルの牙を装着する。
「ははは、牙が剣に敵うものか!!」
ソルがあざ笑いながら、斬りつけてくる。リュウは口に魔力を込め、擬似的にドラゴンの牙を作りだす。
「ドラゴントゥース(弱体化)!!」
オリハルコンの剣を噛み砕き、ソルが「え・・・?」と取っ手だけになった剣を見る。リュウは最強硬度を誇るはずのオリハルコンの硬さに違和感を感じとった。
「・・・偽物だな、その剣。」
でなければこんな簡単に噛み砕けるはずがないと経験談から来る発言であった。
「ば・・・ばかな。金貨100枚払って買った剣なのに・・・。」
ソルも噛み砕かれて、初めて騙されたと気付き、ショックのあまりに座り込む。
修練場の観客であった冒険者たちは栄光の戦士チームが新入り冒険者に敗れるまさかの結果にざわざわする。そんな冒険者たちに対し、リュウは大声で「レベル5をなめるな!!」と周りに言い放ち、黙らせた。
「(人間のレベルシステムは実力を測るには良いだろうが、人を見た目で判断するということにもつながるし、魔物相手には通用せん。)」
アンリ受付嬢が「(やはりリュウは強いっ!)」と目をハートにしながら、「それまでー!」と試合終了を告げた。
リーゼたちもリュウが勝ち、ソルたちを生き恥にさらしたことで喜んでいた。
試合終了と同時に家紋入りの派手な全身鎧を着込んだリーゼの父であるカインズが登場する。セバスチャンが付き添ってた。
「ハハハハ!戦争前の前哨戦か!?面白かったぜ!!」
リュウに近づくカインズ。その様子にリーゼが「まさか・・・。」と嫌な予感がする。
「さぁ!俺と勝負するかっ!?」
ジランド王国最強騎士のカインズがリュウに勝負を申し込むのだった・・・。
最後までお読みくださり、ありがとうございます!評価点orブックマークをお願いします!
2022 4/9 この回はレベルシステム設定がありますが、今後の話にレベルに関する設定が出てくることはありません。失敗した感じですね( ;∀;)




