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第十九話 隷属の腕輪

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

オーガ

化け物顔で3M超える筋骨隆々の人型魔物で棍棒を常に持つ。単体行動を基本とし、知恵はなく本能あるがままに暴れるCランク魔物である。


そのオーガ20匹と戦うジランド王国騎士団と瞬光の戦乙女チーム。


棍棒を使い、あらん限りの力を振るうオーガに一発でやられる者が続出する。リュウは次々倒れていくジランド王国騎士団の騎士たちを見やる。


「(オーガ相手に鍛えた騎士といえども一発で倒れるのか。)」


リュウが倒れている騎士たちを見回しながら、そう思った。


「皆!出来るだけ連携を取りなさい!まともに受けてはダメよ!アイリン!足止めを!!」


リーゼがアイリンに号令を出すと同時に「エルフ魔法(上級)・植物拘束!!」とあらかじめ複数の種を地面に植えたところからいくつもの巨木が現れ、無数の枝で複数のオーガを拘束した。だが、オーガたちは力一杯に振りほどこうとプチプチと枝がちぎれてしまう。


「くっ!長くは持たない!」


「十分よ!神速剣!!」


「魔爪手刀攻撃ニャ!!」


次々とオーガの首をはねるリーゼとメイファ。


「冒険者たち。足止め感謝する!!皆の者、円形の陣をとれ!!各個撃破に動け!!」


ジランド王国騎士団の警備隊長が騎士たちに指示し、連携を取り始める。するとオーガたちに臆せずに押し返せるようになった。


「(ほう。練度はいいな。俺が仮にドラゴンであったとしても手こずりそうなほどの連携の上手さだな。)」


ジランド王国騎士団の実力に感心する。


「(しかし、妙だな。)」


リュウはオーガの棍棒を避けながら、オーガの目を見るとどこか生気がない。それどころか声一つも聞かない。


「(獰猛なはずのオーガが静かだ。)」


オーガたちの雰囲気に違和感を覚える。やがてオーガ全員の二の腕に黒い腕輪がついてることに気付く。


「(オーガはあんなのはついてないはず・・・。)」


リュウは黒い腕輪に気を取られ、オーガたちに囲まれ、棍棒をドガドガッと多数食らってしまう。


「リュウ!?」


リーゼたちが焦るが、「いたた・・・。」と無傷で立ち上がるリュウに「もう!心臓に悪いからやめて!!」とリーゼたちに怒られた。


「すまん・・・。それよりもリーゼ、オーガの腕に黒い腕輪が付いてる。」


リュウが謝りながら、オーガの腕に付いている黒い腕輪を指摘するとリーゼが「黒い腕輪?」とオーガの腕を確認する。そしてハッと気付いたかのように目を開く。


「ま、まさか隷属の腕輪!?」


「(隷属の腕輪って確か・・・)」


リュウが以前に酒場でリーゼから聞いた記憶を呼び起こす。


「隷属の腕輪は人間の奴隷に言うことを聞かせる物と聞いた覚えがある。魔物にも適用できるのか?」


疑問を持つリュウにアイリンが隷属の腕輪の仕様を補足する。


「あれは魔物に言うことを聞かせるものではないはず。そもそも人間と魔物は身体の仕組みが違う。」


「でも特徴が似てるニャァ〜。」


ジランド王国騎士団も隷属の腕輪を見たことがある者が多く、間違いなくそうだと結論づけ、リーゼが一つの可能性を言及する。


「ディモール王国は魔物を従わせる技術を開発したとしたら?もし、それが可能だとしたら、このような魔物を率いて攻めてくる可能性もあるわ!早くジランド王国に報告しなくては!」


だが、リーゼたちもジランド王国騎士団もオーガたちのパワーに苦戦していた。気を抜くと一発で倒れるためだ。


「早くこの戦闘を終わらせた方がいいんだな?」


リュウが落ちているオーガの棍棒を持ち、オーガたちの立ち位置を確認し、「フン!」と野球の打撃フォームごとく棍棒を振るった。


「ガァッ!!」


オーガが簡単に吹っ飛び、後続のオーガたちをなぎ払い、まとめて倒す。


「よーし。倒した!」


棍棒を持ち、フフンとするリュウ。リーゼたちもジランド王国騎士団も「・・・」と動きを止め、規格外のパワーのリュウを見るのだった・・・。


こうして20匹のオーガを倒し、アイリンが黒い腕輪を確認する。


「闇の魔法がかけられていることから、隷属の腕輪で間違いない。」


そう断定した。リュウが「闇の魔法?」と首を捻る。


「『闇魔法(中級)・服従の鎖』を腕輪に付与することで言うことを聞かせる魔道具が出来上がる。」


アイリンが補足説明してくれた。そこにメイファが青ざめる。


「それを使って従わせるのは人間だけだったニャ。魔物を従わせるなんてできなかったはずニャァ・・・。もしドラゴンを従わせることが出来たら、まずいニャァ・・・」


メイファの言葉にリーゼもアイリンもリュウも顔を見合わせる。


「アイリン、どう思う?」


リーゼが知識豊富なアイリンに意見を求める。


「単純に考えて、巨大で強力なドラゴンを従わせるとしたら、隷属の腕輪のサイズを大きくする必要がある。ドラゴンを捕らえるための手間もかかる。せいぜいサイズの小さな下位竜を従わせるだけで精一杯では?というのが私の意見。」


リーゼは顎に指を当てて「そう。・・・可能性を考えてもキリがないわね。」と皆を見回す。


「ディモール王国は魔物を使って、戦争を仕掛ける可能性があるとわかった以上、早急にジランド王国に報告しなくてはいけないわ!」


リュウは倒れてるオーガたちを見る。


「(ディモール王国がドラゴンを使おうとするなら、阻止せねばならんな。)」


リュウは人間たちの戦争に自分も加担する理由を見つけた。同族を戦争に使われるのを見たくないためだ。そしてリュウは天を仰ぐ。


「(マクスウェルが危惧していたのはこれのことか?)」


天に問うが、答えは帰ってこない。


「一旦、ジランド王国に戻るわよ!!」


急遽、ジランド王国に報告に走る瞬光の戦乙女チームであった・・・。


 ̄ ̄ディモール王国・謁見の間 ̄ ̄


「オーガ20匹いて、国境のジランド関所さえ制圧できんとは!!」


ディモール王国のハゲデブ王がめわいていた。


「隷属の腕輪は今の技術では100%力を引き出せないのが欠点。だが、代わりはまだまだおります故にご安心を。」


黒いローブをはおり、フードを被る怪しげな男がペコリと頭を下げる。


「フン・・・。次は朗報を持ってこい!!」


「ハッ・・・。」


謁見の間を出る黒いローブの怪しげな男。


「オーガ20匹倒せる実力あるやつはそうはいないはず。たまたまカインズ・トランスロッドやオルド・ディーラーでもいたのか・・・?くそっ!我が師マクスウェルをたぶらかしたジランド王国め・・・。」


黒いローブの怪しげな男は悪態つきながら、去っていった・・・。

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