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第十八話賢者マクスウェル

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

 ̄ ̄ジランド王国とディモール王国の国境 ̄ ̄


「ふわ~ぁニャ。」


メイファが盛大に欠伸する。アイリンは植物の種を周辺に植えている。リーゼはキリッと見回りながら歩く。そしてリュウは物珍しげに望遠鏡を覗いて遠くを見渡してた。


瞬光の戦乙女チームは冒険ギルドでジランド王国とディモール王国を挟んだ国境の警備のクエストを受注し、赴いていた。山々に囲まれ、一本道に続いている中にジランド王国が管理する関所の建物があり、ジランド王国騎士団と共にそこを警備していたのだった。


「退屈ニャァ~。」


「気を抜かない。」


メイファとアイリンが関所の出入り口を警備し、リーゼとリュウが関所の屋上を警備していた。


「ディモール王国は攻めてくるのか?」


ジランド王国とディモール王国は停戦に近い状態で紛争がたびたび起こるといった状況。そこにディモール王国が奴隷を大量に集めている噂があり、戦争を再開するのではないかという話である。


「噂の段階だから、警備強化しましょうって話ね。」


リュウとリーゼがディモール王国のある方向を見る。望遠鏡では見えなかったから、かなり距離があるのだろう。リュウがうーんと考え事する。


「(もし戦争となったら、ドラゴンの俺が介入してもいいのかどうか・・・。いや、今の俺はジランド王国所属の人間だ。その時になったら考えるか。そういや、10年前にマクスウェルが妙なことを言っていたな・・・。)」


 ̄ ̄回想 覇竜の住処・南の山 ̄ ̄


「マクスウェルではないか。」


空中に浮いて白髭をたくわえ、古い布きれを着てヨボヨボ老人の賢者マクスウェルが覇竜を訪ねに来ていた。


「ホッホッ、覇竜殿よ。元気にしていたかのぅ。」


「あぁ。マクスウェルよ。老いたな。それで何か用か?」


「手土産じゃ。」と収納魔法から大量の食料を出すマクスウェル。


「調理済のものもあってありがたいな。」


生態系最強生物である覇竜は自由な行動がままにならないため、人間の作る料理は美味く、楽しみの一つであった。マクスウェルがよっこらっしょと適当な岩場に座る。


「人化魔法の開発状況はどうじゃ?」


「・・・ぼちぼちだな。」


「ホッホッ。一つの魔法を開発するのに数年~数十年の歳月が必要だからのぅ。」


「私はドラゴン故に長命。気長にやるとするさ。・・・マクスウェル。長くないのか?」


覇竜がマクスウェルを覗き込む。昔に戦った時は魔力あふれんばかりの老人だったが、目の前にいるマクスウェルは弱々しくもはや別人のようだった。


「覇竜殿にはお見通しか・・・。そうじゃ。儂はもうすぐ死ぬ。その前に覇竜殿に会っておこうと思ってな。」


「・・・そうか。」


寂しげな顔をする覇竜。その様子に「ホッホッ人間臭いのぅ。」と笑うマクスウェル。


「マクスウェルは数少ない強き人間だった。特にオリジナルの最強魔法クレイジーコメットは私を殺せるに値する攻撃であった。」


最強魔法クレイジーコメットは隕石を落とす魔法。覇竜にぶつけようとしたが、ドラゴンブレスで相殺された過去がある。


マクスウェルは「防がれはしたが、覇竜殿にそう褒められると嬉しいのぅ。」と返事し、語り始める。


「あの魔法を開発するのに数十年かけた。覇竜殿よ。人間に良いと悪いの二種類がある。儂はのぅ・・・。昔は魔法を探求し、得た力を振り回す悪い人間だったのじゃ。」


「時には奴隷を魔法の実験台にして、大量に殺していたこともあった・・・。当時の儂は奴隷に対してなんとも思っとらんかった・・・。」


マクスウェルが拳を握りしめ、後悔の念に震えていた。覇竜はその様子に黙って見つめる。


「そしてクレイジーコメットを開発し、その力を使ってみたくなってのぅ。当時、名高い冒険者のカインズ・トランスロッドとオルド・ディーラーと組んで覇竜殿に戦いを挑んだ。」


「結果はクレイジーコメットが相殺され、戦いは敗れた。覇竜殿は傷ついた儂たちを癒してくれたとき、儂はこれまでの過ちに気付いてしまったのじゃ・・・。」


マクスウェルは覇竜の目を見て「頼みがあるのじゃ。」と言った。


「近い将来、悪意のある人間が世界を滅ぼすであろう。それを食い止めてもらえぬか。」


「・・・人間が世界を滅ぼすことなぞ出来るのか?」


生態系頂点に立つ四大竜なら可能だろうが、四大竜どころかそこらへんの魔物と比較しても矮小な存在である人間に世界を滅ぼすことが出来るのかと疑う覇竜。


「出来るとも。」


マクスウェルがそう言い切った。


「人間の悪意には際限がない。クレイジーコメットで感じたろう?あれも昔の儂が力を追い求めたからじゃ。」


「(確かに最強魔法クレイジーコメットも乱発すれば世界を滅ぼすことも可能ではある・・・が、人間単体では魔力消費が大きく非現実だな。)」


「なるほどな。・・・死に行く戦友の頼みとあらば聞かないわけには行かんが、私の都合で行動しても良いな?」


覇竜がそう訊くとマクスウェルはコクッと頷いた。


「光魔法を教えてやろう・・・。対抗手段に必要でな・・・。」


 ̄ ̄回想終了 ̄ ̄


「(あれはディモール王国のことだったのか?悪意のある人間とは・・・?)」


リュウがうーんと唸ってるとジランド王国騎士団の警備兵が「魔物が出たぞ!」と叫んだ。関所の屋上からディモール方向を見ると確かにオーガと呼ばれる人型魔物が20匹もいた。だが、おかしい。


「自我の強いオーガが20匹も組むなんてありえない!」


リーゼが驚き叫ぶ。そうなのだ。オーガは単体行動が基本で組むとしてもせいぜい三匹なのだ。


3M超えて人型に近く筋骨粒々で棍棒を持ちながら関所に向かってくる化け物顔のオーガ。その腕に黒い腕輪がついているが、リュウたちは気付かずにジランド王国騎士団と共に応戦するのだった・・・。

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