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第十七話ジランド王国とディモール王国

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてますが、よろしくお願いします!

リュウは冒険者として瞬光の戦乙女チームと共に活動することで知識吸収に費やす。


メイファから魔物の解体で短剣での処理、細かなところの解体は魔爪での処理を。


アイリンから字の読み書きを教えてくれた。


おかげでクエスト掲示板が少し読めるように、ソロで活動しても支障がない程度に知識が身に付いた。


そしてリーゼからは・・・。


 ̄ ̄冒険ギルド・修練場 ̄ ̄


「はぁっ!」


リーゼが木剣を振るい、木剣を持ったリュウを圧倒する。リーゼの剣技にリュウは「くっ・・・」とひるみ、仰向けに倒れた。


「動きが悪い!受け身が多い!リュウは頑丈さに自信あるようだけど、受けないに越したことはない!!」


リーゼからそう注意される。リュウはこれまでの戦闘において立ち回りが下手だと指摘を度々受けていた。


「(ドラゴンのときは人間の攻撃を受けても、大半はまったく効かなかったから、受け身が癖になってしまってるようだ。今は人間だ!弱くなってるんだぞ俺!!)」


リュウは反省しながら立ち上がり、「まだまだ!」と木剣を振るう。だが、リュウの剣は素人くさく、リーゼに簡単に避けられる。


「だめよ!動きがわかりやすい!こうやるの!」


目に止まらぬスピードでリュウの頭を打つ。その衝撃でリュウはまたもや仰向けに倒れた。


「今日はここまでね。リュウ、あなたが剣を覚えたいというから付き合ってあげてるけど、剣を覚えるのは数年かかる。まずは避けることを意識しなさい!」


リーゼはそう言い、リュウの分まで木の剣を片付ける。


「わかった・・・。」


仰向けのリュウがむくりと起き上がる。


「(人間姿は慣れてきたと思っていたが、戦闘での動きを学ぶ必要があるな。まだまだ人間として学ぶべきことが多いな。)」


色々と思案するリュウ。そこにメイファとアイリンが登場する。


「終わったかニャ。一緒に夕食しないかニャ~。」


メイファたちの夕食のお誘いにリーゼが「いいわね。」と返事し、リュウも同意した。


 ̄ ̄ジランド王国南街・酒場 ̄ ̄


酒場の中は「くぁー。仕事上がりの酒うめぇー。」と冒険者や街の住人、様々な種族で賑わっていた。リュウたちもテーブルにつき、料理をつまみながら、酒を飲んでいた。


「ニャニャァ~酒美味いニャ~。」


顔を赤くするメイファ。アイリンも酒をチョビチョビ飲んで、「おいしい。」と言った。リュウは酒に目をくれずに料理を食いまくってた。リーゼは皆の様子にくすりと笑いながら優雅に食事する。だが、周りからこんな声が聞こえてきた。


「ディモール王国、戦争を再開するんじゃねぇか?」


「マジか?小競り合いはあったが、15年くらい落ち着いてたのに。」


「戦争奴隷を片っ端から集めてると噂だぜ。」


この声にメイファとアイリンがピクリッと反応した。


「ディモール王国ッ・・・!!」


ただならぬ雰囲気をまとうメイファとアイリン。リュウが「?」としてるとリーゼが説明してくれる。


「このジランド王国は東の国のディモール王国と戦争してるの。今は停戦に近い状態ではあるけど、小競り合いが多少ある。」


「(戦争・・・ドラゴンのときに多くの人間同士が戦っているのを数度見たことはあるが、倒れていった人間を食わないから、不毛なことしてるとは思ってた。だが、今の俺は人間だ。なにかしらの理由があるはずだ。)」


リュウはそう思い、「何故?」と聞いた。


「ジランド王国は人種差別がなく、奴隷制度もない。だけど、東の国のディモール王国は人族至上主義で人族以外の種族は奴隷なの。」


「なんだって?人族以外は奴隷?」


ジランド王国は奴隷が見当たらず、様々な種族が幸せそうに生活していた。それだけにリュウが驚いてしまう。


「言いにくいのだけど、メイファは難民なの。ジランド王国とディモール王国の国境付近に獣人族だけの村があったけど、メイファが3歳のときにディモール王国に滅ぼされ、親と一緒に命からがら逃げてきたの。」


リーゼがメイファの境遇にリュウが思い当たるところがあった。メイファの住んでいる東街にはやたらに獣人族が多かった。難民として一括りに当てがわれた場所なのだろうと理解した。


「アタイのおとっさんは腕っぷしが強く、ジランド王国騎士団に入って、ディモール王国と戦争し、戦死したニャ!許せないニャ!!」


メイファが怒りを露わにダンッとテーブルを叩いた。


「メイファ。私も許せない。私もエルフの里をディモール王国に滅ぼされた。」


アイリンもまた静かに怒りを抑えながら、ギリッと歯を噛む。陽気なメイファと冷静なアイリンが剣呑な雰囲気をまとう様子に戸惑うリュウ。リーゼが話を続ける。


「ディモール王国は奴隷に言うことを聞かせる隷属の腕輪を量産し、国々に売りつけてるの。ジランド王国はその供給をあちこち潰し、最後はディモール王国出身で宰相でもあった賢者マクスウェルが私のお父様の尽力により、このジランド王国に亡命し、15年前に戦争に突入した。だけど1年経たない内にディモール王国よりさらに東の山にいるはずの魔竜が現れ、双方に被害が出て、停戦に近い状態になったわ。」


リーゼが戦争のあらましの説明を終える。その中で「魔竜・・・。」と呟くリュウ。


「(一応知り合いなんだが、人間同士の戦争にちょっかい出してたのか。人間を食料と考えればたくさんいるぅ~ってノリなんだろうな・・・。)」


リュウが魔竜の行動を想像して、そんなことを思った。


「ディモール王国の話はもういい。酒が不味くなるニャ!」


メイファがグビリと酒を飲み、話を切り上げるのだった。



 ̄ ̄東の国 ディモール王国・謁見の間 ̄ ̄


「首尾はどうなっておる?」


玉座についているハゲデブの王らしき者が発言した。黒のローブを羽織り、フードを被っていかにも怪しい風体が前に出る。


「戦争奴隷集めは上々。さらに魔竜を誘き出す段取りも進めております。」


「重畳、重畳。」


「ジランド王国を滅ぼしてご覧いれましょう。」


「任せる。クックッヒーッヒッヒッ。」


「フフフハハハハー。」


二人の怪しげな笑いが謁見の間に響いたのだった・・・・。

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