第百四十五話覇竜の回想⑪妖精族ビラの救援要請
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
 ̄迷いの樹海 ̄
ジランドとキウル調査隊と獣人族グループは知っていれば近づくことはない樹海に足を踏み入れていた。
「こっちこっち。」
女小人の妖精が先導する。
「待て・・・ぬあっ。」
ジランドたちは樹海特有の路面に足を取られる。
「方位磁石が利かず、迷えばあの世行きになるところにエルフの里があるんですか・・・。」
キウルが半信半疑になる。ジランドが女小人の妖精の後ろ姿を見ながら、少し前の出来事を振り返る。
 ̄回想 ̄
「この村なら私たちを助けて貰えると思って来たの。」
女小人の妖精がジランドに助けを求める。そのときにキウルも女小人の妖精に気付き、話に加わる。
「何があった?」
ジランドの問いに女小人の妖精が涙目に語る。
妖精族はエルフ族の住む里に暮らしている。だが、魔物行進に遭って、壊滅状態。怪我人多数とのことだ。
「魔物行進とはあれか?」
ジランドが先日に全滅させた植物系の魔物行進の残骸に指差す。
「違うよ!獣系だった!熊と狼を中心とした魔物行進!!」
「えぇ!!他にも魔物行進が発生してるんですか!?」
キウルが焦りを見せた。
「話はわかった。救援要請を承った!」
ジランドが任せろと胸を張ると女小人の妖精が喜んだ。
「自己紹介が遅れた。オレはジランド。君は?」
「ビラだよ!」
「腕っぷしの強い獣人族を連れていくが、いいか?」
「種族のいがみあいのことなら私が説得するから!!」
「わかった。」
そこにキウルが手を挙げる。
「人手が必要なら、小官の調査隊を出しますよ。」
「いいのか?任務外だぞ?」
「えぇ、部下を説得し、連れていきますよ。」
ジランドは早急に獣人族グループとキウル調査隊を救援部隊として編成し、ビラの住むエルフの里に救援に向かうのであった。
 ̄回想終了 ̄
行けど行けど木々に囲まれ、同じ景色が続き、ジランドたちに疲労の色が見え、やがてキウルの部下が不満を漏らす。
「本当にあの女小人を信用していいのか?騙されてるんじゃないか?」
「罠じゃないのか?」
部下の不満にキウルがたしなめる。すると獣人族グループが口出す。
「嫌ならついてくるなワン!」
「ここで野垂れ死にすればいいガォ!」
キウルの部下と獣人族グループが軽く小競り合いを始める。キウルと獣人族をまとめるシバケンが割って、それぞれ抑える。
「無駄に体力を使うんじゃねぇ!!」
ジランドの一喝で場を静める。
「獣系の魔物行進の一部と遭遇するかもしれねぇから油断するな。」
注意を促し、歩を進めるジランドたち。ビラの案内でエルフの里に到着する。
 ̄エルフの里 ̄
エルフの里は木々に囲まれ、暮らしていたと思われる数々の住居が無惨に破壊されていた。獣系の魔物行進は通りすぎるかのように破壊していったようだ。だが、獣系の魔物行進の一部が残って、うろついていた。
「雑魚ウルフが数匹とボクシングベアー一匹ですね。」
キウルが遠巻きに眺めていた。
「お前たちなら行けるだろ。お前たちの練度が見たい。」
「はい。」
「わかったワン。」
ジランドがそう言うとキウルの部隊とシバケンの獣人族グループが駆け出す。まずは雑魚ウルフ数匹を標的にする。
Dランク魔物 雑魚ウルフ
集団で攻撃する魔物。雑魚。
「まずは雑魚ウルフから片付けましょう!」
「へへ、こんな奴ら楽勝だぜ!」
「ま、待ちなさい!迂闊に飛び出さないでください!!」
キウルの部下が一人飛び出す。すると雑魚ウルフが集団で部下一人にかかる。
「う、うわぁぁぁー。」
その様子にジランドが溜め息ついた。
「これがかのワルーイ王国の騎士団か・・・。訓練をまともにやってないな。」
キウルの部隊は全身鎧を着込んでいるとは言え、雑魚ウルフはその隙間をつき、攻撃することが出来る程、頭は良い。
「まったく・・・。」
キウルが部下の単独行動に嘆き、弓で牽制するかのように放つ。雑魚ウルフが部下一人から離れる。
「いててて・・・。」
部下一人がダメージを負う。
「見てられねぇワン。」
シバケン率いる獣人族グループが統率を取り、力ずくで雑魚ウルフ数匹を撃破する。
「次はボクシングベアーだ!油断するなよ!!」
ジランドの掛け声に次の標的を合わせるキウルの部隊とシバケンの獣人族グループ。
Cランク魔物 ボクシングベアー
軽快なフットワークで接近戦闘が得意な魔物。
ボクシングベアーがボクシングかのようなポーズを取り、タンタンとリズムを取る。
「熊がボクシングとは人真似が好きな魔物だワン!」
シバケンの獣人族グループがボクシングベアーに突撃する。
「ぐわぁワン!」
「がっ・・・ガォ!」
「ニガッ・・・ニャ!」
ボクシングベアーが軽快なフットワークで獣人族グループを叩きのめす。
「相手の土俵に立つなよ!考えろ!!」
ジランドが激を飛ばす。次はキウルの部隊が出る。
「先ほどは見苦しいところをお見せしましたが、次はちゃんとやります!!」
キウルの部下たちが縦列に並び、槍を構える。
「行けー!!」
部下たちが槍で突撃すると同時にキウルが弓で援護する。
だが、ボクシングベアーの皮は厚く防御力が高く、ダメージを与えられない。
ボクシングベアーは「ガォォォッ!!」とキウルの部下たちをなぎ払う。
ボクシングベアーに太刀打ち出来ない様子にジランドがたまらず大声出す。
「あほかぁぁぁ!真正面に挑むな!相手の土俵に乗るなってんだ!!」
「ど、どうすれば・・・。」
キウルが焦る。
「数ではこっちが有利なんだ!周囲を囲め!!ヒット&アウェイ戦法を取れ!!」
ジランドの指示にキウルの部隊とシバケンの獣人族グループはお互いわだかまりのような視線をぶつける。
「命のやり取りに種族のしがらみは忘れろ!!」
ジランドの一喝にキウルの部隊とシバケンの獣人族が腹を決める。
ボクシングベアーの周囲に取り囲み、一撃を入れて、離れるヒット&アウェイ戦法を取る。少しずつダメージを与える。
ボクシングベアーは360度から攻撃を受け、反撃しようにも死角から攻撃を受ける。次第に体力を削られ、動きが鈍くなってくる。
するとさっきの苦戦が嘘のようにボクシングベアーを倒した。
「や、やりました!」
「やったワン!」
昨日の敵は今日の友とばかりにキウルの部隊とシバケンの獣人族グループが歓喜する。
「おー、仲良くなって何よりだ。」
ジランドが意味深に笑うとハッとするキウルの部隊とシバケンの獣人族グループ。
「ありがとう!」
ビラが喜ぶ。
「怪我人はどこだ?見当たらねぇが・・・。」
「こっちこっち。」
ビラの案内でひときわ太い大樹に辿り着く。ビラが幹に手をかざす。
「透明魔法解除。」
扉が現れた。
「助けてくれる人を連れてきたよ!!」
扉を開けると怪我人多数のエルフ族と妖精族がいたのだった・・・。
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