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第百四十二話覇竜の回想⑦VS人面樹

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

ジランドは人面樹と戦闘する。


Aランク魔物・人面樹


HP5500/7000

MP150/150


攻撃力3400

守備力3300

魔力100

敏捷性50


 ̄スキル ̄


木の実ボム

葉っぱカッター

枝の鞭

生命吸収

自己再生

音色の衝撃波

音色のベール

死の音色


 ̄魔法 ̄

なし



「木の実ボム!!」


人面樹は木の実を振り撒く。木の実が地面についた瞬間、爆発する。手榴弾がばらまいたような状況だ。


「うっとおしいな!!」


ジランドは上手く避けながら接近する。


「枝の(ブランチウィップ)!!」


ジランドを近寄らせまいと木の実ボムを振り撒きながら、無数の枝の鞭で攻撃する。まるで360度から攻めているかのようだ。


「なんの!!」


ジランドは空間認識能力が高いのか難なくさばく。


「ヌゥッ、葉っぱカッター!!」


「ちっ!これじゃ、近づけねぇ!!」


「カーッカッカッ!」


人面樹の手数のある攻撃にジランドが防戦一方になる。その様子に魔女アルテミシアが小さき覇竜に声をかける。


『ギンちゃん、手助けしてやれ。』


『見てるのはつまんなかったから、いいけどさ。』


小さき覇竜がウキウキしながら、鉤爪をキラッと伸ばす。そして戦闘中の人面樹の老獪の顔に目掛けて飛びかかる。人面樹はジランドに気を取られ、気付かない。


「ドラゴンクロー!」


小さき覇竜は人面樹の顔をひっかいた。


「ギャァァァー!!」


小さき覇竜の鉤爪攻撃に人面樹が悲鳴を上げた。


「ナ、何故、ドラゴンが人間の味方ヲスルゥー!?」


人面樹の攻撃の手が止まり、その隙にジランドが接近する。


「そのうっとおしい枝を斬りまくってやる!!」


「シマッ・・・!?」


人面樹の枝という枝を散髪するかのように斬った。


「ゲェェェッ!!」


丸坊主になる人面樹。これで攻撃手段を一時的に失ってしまった。


「ははは、ハゲになったな。」


「オノレェェ!!」


人面樹は老獪の口から煙幕を張る。


「むっ!」


ジランドが煙幕に巻かれるが、大剣で振り払うと人面樹は弦楽器のリュートを持っていた。どうやら急遽、自らの身体を使い、作り出した弦楽器のようだ。リュートには弦が多く張られていた。


「なんだ?一曲でも弾こうってのか?お前にわびさびってもんがわかるのかね?」


ジランドと小さき覇竜が並んで、人面樹と相対する。


「カーッカッカッ!ソウ言ってラレルノハ今ノ内ダ!!」


「(何かの技を使う気だな!?)」


ジランドと小さき覇竜が人面樹に突撃する。人面樹はリュートを弾く。


「音色の衝撃波!!」


リュートから音色が奏でたかと思うと衝撃波が発生する。音色の衝撃波にジランドと小さき覇竜は包み込まれる。


「な、なんだ・・・!?音が衝撃波に変わって・・・。」


ジランドと小さき覇竜は衝撃波により、バンッと弾き飛ばされる。


「なんなんだ・・・?もう一度!!」


不可思議な攻撃を確かめるべく、またジランドと小さき覇竜が人面樹に突撃する。


「ムダムダー!!音色の衝撃波!!」


先ほどと同じように弾き飛ばされる。


「くっ、こんな技があるとは・・・。」


「カーッカッカッ!オマエは接近戦ヲ得意トスル剣士!!剣が届カナイところに攻撃は与えラレナイ!!」


「なめるな!遠距離攻撃の手段はあるぞ!」


遠距離攻撃すべく、ジランドが大剣を振るう。小さき覇竜も息を吸い込む。


「剣技・烈空斬!!」


ジランドの大剣から一筋の斬撃が飛び出る。


「ブレス!!」


小さき覇竜がつむじ風を起こし、攻撃する。


「音色のベール!!」


人面樹がリュートを奏で、音色の衝撃波が守りとなって防いだ。


「カーッカッカッ!」


高笑いする人面樹。だが、その様子を見ていた魔女アルテミシアは技の弱点を見抜く。


「ジランド、リュートを弾かせなければいい。」


「あぁ、わかってる!!」


ジランドは魔女アルテミシアの助言に頷く。


「オ終イにシヨウ!!」


人面樹が再びリュートを奏でる。


「最強技・死の音色!!」


衝撃波ではなくただの音色だが、ジランドと小さき覇竜の耳に入ると平衡感覚が狂ったかのようにグラつく。


「な、なんだこりゃぁ・・・。」


『目が回るぅ~。』


「脳ヲ揺さぶってイルノダ!!長ク続ケバ死ガ訪レル技ヨ!!」


人面樹がリュートを弾き続ける。


「ジランド!ギンちゃん!!」


音色の射程距離外にいる魔女アルテミシアが心配する。


「なるほどな・・・。」


ジランドが音色を受け続けて、鼻血が出るも不敵の笑みを浮かべる。そして大剣を空にクルクル回すように放り投げた。人面樹はジランドの行動に「?」とした。


次の瞬間、ジランドはパンッと両手で耳を強く叩いた。


「カーッカッカッ、耳を塞ぐなぞムダムダヨォ!!」


ジランドは空に放り投げた大剣を手にする。


「これで動ける!!」


なんとジランドは回復したかのように見える。人面樹はリュートを弾き続けてるにも関わらず、行動出来るジランドに驚く。


「ナ、ナンダト!?」


よく見るとジランドの両耳から血が出ていた。鼓膜を破ったことで音色を受けつけなくしたようだ。


「覚悟しろ!」


ジランドは地面を強く踏み込む。人面樹は慌てて、自らを守るための音色に切り替えようとする。だが、それよりも早くジランドが動いた。


「最強技・霹靂一閃!!」


次の瞬間、人面樹の背後にジランドが大剣を振り斬った姿があった。


「・・・・?」


当の人面樹はなんともなかった。


「コケオドシカ?!」


人面樹がジランドのほうに振り返ろうとすると一閃の斬撃が発生し、人面樹の身体である幹が崩れる。


「バ、バカナァァァァッ!!」


「切り株になりやがれってんだ。」


人面樹は切り株ごとく幹が倒れ、動かなくなった。その戦闘の様子を見届ける小さき覇竜。


『(ボクが強くなるためには二人から学ばねばならない。)』


ジランドと魔女アルテミシアの戦いぶりに思うところがあったようだ。


そして魔物行進(スタンピード)との戦いは終わった・・・・かに思われたが、更なる戦いがジランドたちを待っているとは知る由もなかったのである。

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