第百三十七話覇竜の回想③ジランドのいる村
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
 ̄とある村 ̄
「避難民は受けいられない。ワルーイ国に行ってくれないか。」
村の警備に立っていたジランドが西の方面で魔物行進によって村を滅ぼされ、避難してきた民たちを追い返していた。
「そんな・・・。」
避難民はがっくりしながら、ワルーイ国の方を目指す。その様子にジランドは心を痛める。
「(すまない。うちの村は自分達で養うのが精一杯。加えて避難民を受け入れると問題を起こすのが目に見える。)」
避難民の話では魔物行進は1000体超えてるとのことだ。村程度では太刀打ち出来ないレベルにジランドは危機感を募らせる。
「魔物行進は今のところ止まってないようだな。扇動している知性のある魔物がいるかもしれんな。どうしたもんかな・・・。」
そこにまた避難民がやってくる。狼顔をした獣人族のグループのようだ。ジランドが待ったをかける。
「ここは人族の村だ。受け入れられん。」
だが、様子がおかしい。獣人族グループは武器を持ち出す。
「そうか。ならば食糧を寄越せワン!!」
ジランドに襲いかかる。
「魔物よりこっちがめんどくせぇな。」
ジランドが大剣を構えて、獣人族グループと戦闘に入るも瞬殺で圧勝する。
「ば、ばかな・・・。ただの警備兵ではないのかワン!!」
「ワルーイ国の元騎士団長だ。ワルーイ国の腐敗っぷりに呆れて、生まれ故郷で悠々自適・・・とまでは言えないが、スローライフを送ってるところなんだよ。」
「くっ・・・。」
「悪いことは言わねぇ。帰ってくれ。」
「どこに帰れというのだワン!!魔物行進で村を滅ぼされた!!どこに行こうとも人族人族人族ばかりワン!!」
獣人族グループは憤りながら、引き返していく。
「・・・・。」
ジランドは世界は基本的に人族で回り、その他の種族が片隅に追いまやっている現状に憂いを覚えていた。
「(世界の弱肉強食の縮図で言えば、魔物が頂点に立っている。理想はあらゆる種族が力を合わせ、あらゆる魔物に対抗できる国を作りたいところだが・・・。)」
ジランドはかつていたワルーイ国の治安の悪さに加え、上層部の腐敗を目の当たりにした。
「(ワルーイ国の騎士団長として国が良くなるように意見具申を幾度したが、聞き入れられなかった。最近は税収が上がり、農作物もかなり取られてしまう。)」
ワルーイ国に憤りを覚えるも一介の人間には何も出来ずに自分の村を守るので精一杯のジランドであった。
 ̄南の山・山奥の寂れたコテージ ̄
小さき覇竜はミスリルの檻の中でくつろいでいた。腹一杯のお腹を見せる。
『(ここは味わったことのない食べ物をくれるし、周囲を気にせずにたっぷり寝られる。もうずーっとここにいてもいいんじゃないかな~。)』
魔物としての本能を忘れ、ぐーたらしていた。・・・が、気付いたかのようにハッとする小さき覇竜。
『何をくつろいでるんだ!出せぇー!出せぇー!』
鉄格子を掴み、またもやめわく。
魔女アルテミシアはそんな小さき覇竜を見て、うーむと唸っていた。
「やはり魔物は言うことを聞かないな・・・。食べ物で釣ってはいるのだが、動物のようには行かんか。」
意志疎通を目的に魔物の文献を漁り、ドラゴンの生態の研究する。
「(ドラゴン同士で会話は目撃例が結構ある。ドラゴンの発声を調べて、研究してみるのもいいかもしれんな。)」
魔女アルテミシアは意志疎通の方向を見定める。これが後にドラゴン語が作られていくことになるのだった。
 ̄再び、とある村 ̄
村を警備しているジランドが上空に魔物一体を発見する。
「Gランク魔物のオオガラスか・・・。」
オオガラスは大きなカラス。農作物をターゲットにすることもある害獣魔物。農民が数人でかかれば倒せる程度の雑魚魔物。
そのオオガラスが村をぐるりと回る。そしてカァーッと叫びながら去っていった。
「・・・様子を見ただけか?魔物行進のこともある。なにやら嫌な予感がするぜ・・・。」
ジランドが迫り来る魔物行進の未来を想像し、一抹の不安を覗かせる。
オオガラスはジランドのいる村から離れたところの木の枝に留まる。
「様子ハどうダ!?」
なんと木がしゃべった。
「カァーッ」
オオガラスが村の様子を伝える。
「人族ダケだったカ!!ナラバ攻メル!!」
木が根っ子を足のように動かす。どうやら木の魔物のようである。
「暴竜ヲ怒らせた馬鹿な人間ヲ復讐ダ!!サァ行くゾ!!」
木の魔物が1000体の魔物を引き連れ、ジランドのいる村に向かうのであった・・・。
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