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第百三十五話覇竜の回想①リュウの正体は・・・。

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

邪悪竜ヤマタノオロチとダークを倒したリュウは地上にいるリーゼたちの元に羽ばたき降りる。


するとリーゼ、メイファ、アイリン、ソル、ポチ、シン、ウルスが待ち構えていた。


その後ろのほうでランドルフ王、カインズ、神王代理ミカエル、シャルロッテ姫、サムライ、ニンジャ、リーナがいた。加えて小型炎竜とワイバーンキングと複数のワイバーンが大人しく控えていた。


「ランドルフ王。この一連の出来事でようやくあなたの気苦労を察することが出来ました。」


「・・・あぁ。胃の痛い思いの連続であった。」


神王代理ミカエルがリュウの正体を察し、四大竜の内の三体を抱えていたランドルフ王を労る。シャルロッテ姫もまたリュウの正体に気付いていた。


「サムライ。」


ニンジャがサムライに話しかける。


「以前にこう言ったな。リュウから妙な気配がすると。ここに来て某にも理解したでござるよ。」


「あぁ、拙者もリュウ本人から事実を知らされ、驚いた。」


サムライとニンジャがリュウの正体について話し合っていた。その傍らでリーナが「あらあらあら~」とぽわぽわな雰囲気を醸し出し、リュウの正体に気付いてるのか気付いてないのか判断しづらい様子であった。


メイファの視点ではリュウが突如現れ、邪悪竜ヤマタノオロチとダークを倒したことに理解が追い付かなかった。


「何がなんだかわからなかったけど・・・リュウが戻ってきたニャ!!」


リュウが生きていたことにメイファが喜び、駆けつけようとするが、リーゼに身体を張って遮られる。


「・・・どうしたのニャ?」


リーゼの行動に不審がるメイファ。リーゼが真剣な顔つきでリュウと対面する。


「・・・リュウ。さすがにバレバレよ。」


「・・・・。」


リュウがかすかに微笑む。


「訊くわよ。・・・あなたは覇竜様でしょ?」


その問いにリュウは答えない。その代わりにメイファが声を上げる。


「・・・え?ニャハハハ、何言ってるニャ?リュウが覇竜様?そんなのあるわけが・・・。」


メイファが笑い飛ばそうとするが、その場にいた仲間たちは何も答えなかった。


「み、皆・・・?な、なんで何も言わないのニャ?!」


仲間たちの様子にキョロキョロ見回す。※メイファ以外はリュウの正体に気付いてるかまたは知っているのである。


「メイファ。今までのリュウを見て何も感じなかった?」


アイリンがメイファにこれまでリュウが仲間として一緒に冒険したことを振り返させる。


・魔竜とタイマンし、攻撃ブレスを受けるも生きてたこと。


・亡国ルクテシア王国でリッチの軍勢にリュウが殿(しんがり)を務め、生きて帰ってきたこと。


・セイクリッド王国で邪悪竜ヤマタノオロチの攻撃ブレスにより滅ぼされ、リュウは消滅したかと思われたが、目の前にいること。


そしてメイファはどれもタイミング良く覇竜が出てきたことに気付いた。


「ま、待ってニャ・・・。皆は・・・知ってたのかニャ?!」


メイファがリュウの正体について皆に問う。そしてポチに振り向く。


「ポチも・・・知ってたのかニャ!?なんで黙ってたニャ!?」


「・・・すまん。リュウ至っての希望で黙ってたワン。」


ポチが申し訳なさそうにする。


「メイファ。ポチを責めるな。」


メイファが振り向くとそこはリュウではなく銀色のドラゴンの覇竜であった。翼が四対付いていた。覇竜の中に神竜、魔竜、暴竜が融合しているようだ。その姿にメイファが驚きを見せた。


「本当に覇竜様だったニャ・・・。」


「・・・・あぁ。結果的に騙していたようですまなかった。」


「・・・ううん。アタイたちを何度も助けてくれたニャ・・・。ありがとうニャ・・・。」


メイファが感謝を述べるが、すぐに難しい表情する。


「通りで色仕掛けで攻めてもなびかなかったニャ・・・。確かクレアとエンカの色仕掛けに動揺を見せて・・・ってクレアとエンカも!?」


「はぁ~い。呼んだ?」


覇竜から魔竜に切り替わった。体表が黒ずくめのドラゴンである。


「魔竜ニャー!!」


「お姉様!!」


小型炎竜が登場する。


「あなたが普段から見ていたクレアがこの私よぉ~。」


「エンカでーす!!」


メイファが口をパクパクする。普段から生活を共にしていたクレアとエンカがドラゴンであったことに愕然としているようだ。


「ってことはガイアスもニャ!?」


「・・・ふん。」


魔竜から暴竜に切り替わる。体表が灰色のドラゴン。


「暴竜ニャー!!」


メイファがガクブルする。暴竜が苦手の様子だった。そして再び覇竜に戻る。


「私たちは人化魔法で人間の姿となり、生活していた。」


「頭が追いつかないニャァ~。」


ペタンと座り込むメイファ。リーゼが覇竜の前に立つ。


「数々の危機をお救い頂き、有難うございます。」


「そう畏まるな。」


「・・・何故と訊いてもいいかしら?人間好きのドラゴンと言えどもお人好しくらいに異常よ。」


たびたび、人間の悪意により引き起こされた戦いにおいて覇竜が介入し、解決に導いた。


「私は冒険者がやりたかっただけだったのだが、ここまで来てはリーゼたちにも知る権利があるか・・・。」


覇竜は過去を語り始める。



 ̄回想 ̄


400年前。


覇竜が名もなき小さな魔物である銀色のドラゴンの頃。弱肉強食の魔物の世界において、戦いを繰り返す日々。


そんな小さき覇竜は魔竜の縄張りとしている東の山に立ち入る。


『魔竜!!生物の頂点に立つドラゴンだろ!!勝負しろやい!!』


『あら~。縄張りに入ってきて、いきなりなんなのよぉ~。』


小さき覇竜(100歳)が魔竜(350歳)に戦いを挑む。だが、当時において小さな覇竜はまだまだ弱かった。魔竜に戦いを挑むのは無謀と言えるほどであった。


結果は・・・。


『ぐぎぎぎ・・・。』


小さき覇竜が這いつくばっていた。どうやら魔竜の「ドラゴン魔法・重力操作、重力50倍」により動けずにいたようだ。


『なによぉ~。重力50倍に耐えられないようじゃ、まだまだよぉ~。』


『くそぉぉぉ・・・。』


『同族のよしみで見逃してあげるけど、暴竜のいる西の山には近づかないことよぉ。荒れてるから殺されるわよ。』


当時の暴竜は最愛の水竜を失い、荒れていた時期であった。


『でも見所あるわよぉ。いずれは私と肩を並べるかもねぇ~。さぁ、帰った帰った。』


魔竜がシッシッと鉤爪の手を振る。


『覚えてろぉぉぉー!!』


小さき覇竜は捨て台詞を吐き、逃げ帰るように飛び去った。


『あの様子じゃ、いずれは格上に当たれば殺されそうねぇ。』


それから小さき覇竜は冒険者、非戦闘の人間、魔物問わずに手当たり次第に戦いを繰り返す。そして小さき覇竜はAランク冒険者チームに遭遇する。


「こいつ、小さくても強いぞ!!油断するな!!」


リーダーが数人に指示し、小さき覇竜と交戦する。


「剣技・五月雨斬り!!」

「槍技・槍突撃!!」

「火魔法(中級)・ファイアショット!!」

「土魔法(中級)・ロックレイン!!」


Aランク冒険者の猛攻に小さき覇竜は瀕死のダメージを負い、南の山に逃げた。


『無茶しすぎた・・。』


森林に倒れ、うずくまっていた。


『ここで死ぬのか・・・。』


小さき覇竜は意識が薄れ行く中、女の人間が現れる。


「銀色のドラゴンか。これはまた珍しい。」


女の人間は小さき覇竜を観察する。


「実験対象にちょうどいいかもしれんな。」


女の人間は小さき覇竜を魔法で浮かし、山奥へ消えていった・・・。

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