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第百三十三話最終決戦・VS邪悪竜ヤマタノオロチ④

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

 ̄天界 ̄


リュウと創造神フォルトゥナが丸いテーブルを挟んで向かい合って座っていた。


「ダークが人造生命体(ホムンクルス)だということは理解した。世界を滅ぼそうというなら止めねばなるまい。」


リュウは創造フォルトゥナからマクスウェルにより造られた生命体がダークだということを知った。リュウが気になることを訊く。


「最後に・・・俺に加護を授けたと言ったな?自覚出来ないが、どんな加護だ?」


創造神フォルトゥナが意味深にふっと笑う。


「後ろを見てみろ。」


言われた通りに後ろを振り向くと膝を曲げ、かしこまるジランド王国の騎士団の面々。カインズを筆頭にラインゴッド騎士団長、セバスチャン、ロックがいた。


「カインズたち!?」


「よぉ。」


カインズがよっと手を挙げる。だが、全員が身体が透けている。これは死を意味するものだ。


「・・・死んだのか?」


「正確には俺は死にかけているところだな。ラインゴッドは?」


カインズがラインゴッド騎士団長に振る。


「今しがた死にましたね。」


ラインゴッド騎士団長が肩をすくめる。


「ワスたちは死んだ。だが、希望となるリュウ様は生きておられるダス!!」


ロックが感涙極まる。よくよく見れば、リュウ本人は身体が透けていない。どうやら身体が透けているか否かで生者と死者の判断基準となっているようだ。


「私たちは今やリュウが覇竜様だと理解しておいでです。」


セバスチャンが膝まずいているジランド王国騎士団の面々を紹介する。


「覇竜様!たびたびはジランド王国の危機をお救い頂きありがとうございます!」


膝まずいてる騎士団の一人が声を上げた。


「あぁ・・・だが、お前たちが死んだということは戦況はどうなってる?」


リュウがセバスチャンに確認する。


「今やジランド王国は邪悪竜ヤマタノオロチにより危機に及んでいます。」


するとジランド王国騎士団の面々が堰を切ったかのように一人また一人が声を上げ始める。


「覇竜様!ジランド王国に家族が!」


「残してきたおばあちゃんが!!」


「なにとぞお救いください!!」


リュウは懇願する騎士団の面々に面食らう。


「えーい!黙らんかい!!」


カインズの一喝により、黙る騎士団の面々。


「まぁ、俺たちも頑張ったが・・・。すまねぇ。頼っていいか?」


カインズが頭を下げる。


「カインズ。頭を上げてくれ。俺はもとよりそのつもりだ。」


「・・・すまねぇ。」


カインズは人間の悪意によりたびたび引き起こされた戦争にリュウを巻き込んで申し訳ない気持ちで一杯だったのだ。


リュウがロックに向く。


「・・・ロック。お前は死んだが・・・満足か?」


リュウがドラゴンとして同族であるロックに気持ちを訊く。


「リュウ様の縄張りをお守りすることはもう出来なくなった・・・が、満足ダスよ。リュウ様の人化魔法に感謝してるダス。」


ロックは魔物のドラゴンでありながら、騎士団の面々と腹を割って仲良くすることが出来たようだ。


「・・・そうか。」


リュウがふっと笑い、創造神フォルトゥナに向き直る。


「・・・これが加護だな?」


「あぁ。お前は人間と仲良くしたがっていたのを知っていたから、友情なる想いの加護を与えた。人間と仲良くしやすくする加護だが、ドラゴンにも効果ある。心当たりがあるだろう?」


リュウの脳裏にドラゴン時代にはたびたび冒険者と戦闘し、荒くれ者を改心させる事例を生み出したことがあった。


そして下手したら手に負えない魔竜と暴竜。その他に我が強かったジャイアントロックドラゴンとワイバーンキングが改心。


「・・・なるほどな。」


「友情なる想いの加護の本領発揮はここからだ。お前には信頼出来る仲間を多く持った。それが力となるだろう。」


創造神フォルトゥナが含みを持たせた。そして話を続ける。


「お前の人化魔法は不完全だ。人間の身でドラゴンの力を引き出しきれない。そうだろう?」


「あぁ。」


「直してやろう。」


創造神フォルトゥナがリュウの頭に人化魔法の構築情報を送り込む。


「俺が苦労して構築した人化魔法をあっさりと直すとは創造神なだけはあるな・・・。」


「ふっ、崇めよ。」


創造神フォルトゥナが威張るとリュウが憮然とした。


「ではそろそろ行くが良い。今のリュウであれば邪悪竜ヤマタノオロチなど目ではない。」


創造神フォルトゥナが指をパッチンと鳴らす。するとリュウの存在が消えゆく。


「それじゃ、邪悪竜ヤマタノオロチを倒してくる。」


リュウはカインズたちや騎士団の面々に手を振って消えた。


「さて、俺は最後まで見届けよう。そしたら、また来るぜ。フォルトゥナ様。」


カインズが創造神フォルトゥナに告げ、「気合い目覚め!!」と元のいる世界に戻っていった。※カインズはその世界では死にかけているのだ。


「カインズも設定(プログラム)をやや逸脱しているな・・・。バグとでもいうべき存在だな。」


創造神フォルトゥナが冷や汗を滴しながら、カインズの存在にうーむと唸るのであった。


 ̄ジランド王国 ̄


「最強技・時間融合!!」


圧縮されるかのように神竜を中心に魔竜と暴竜が融合する。するとピカァッまばゆい光を放つ。


「きゃっ。」


その場にいた面々が目をくらむ。そしてまばゆい光が収まるとそこには人間の姿があった。


「あ・・・あ・・・。」


リーゼがその姿に声にならないほどの驚きを見せる。そしてメイファが声を上げる。


「リュウニャ!?な、なんで??」


その姿はリュウであった。事情を知らないメイファ、ニンジャ、リーナ、神王代理ミカエル、シャルロッテ姫が驚いた。


リュウは人間姿であったが、その背中に翼が四対も生えていた。上から順に銀色、白色、黒色、灰色の翼であった。どうやら覇竜、神竜、魔竜、暴竜の翼を示しているようだ。


「死んだかと思っていたが、リュウにはつくづく驚かされるな。」


ソルがふっと笑う。


リュウは邪悪竜ヤマタノオロチとダーク憑き神王ヴァシュロンと対面する。


「貴様は・・・・」


「ダーク。俺の縄張りをよくも荒らしてくれたな。お前のせいでどれだけ死んだ者がいると思っているのだ。」


「ハッ、その姿で邪悪竜ヤマタノオロチに挑もうというのか!知っているぞ!その姿では全力出せないだろう!!」


「そうか?」


リュウがはぁぁぁーと力を引き出すと空気が振動し、地面が揺れた。


「なんて力なの・・・。」


リーゼが腕を防御するかのような姿勢でリュウを覗き見る。ダークが驚きを見せる。


「くっ・・・死に損ないが!!殺してくれるわ!!」


ダークがそう叫ぶと邪悪竜ヤマタノオロチの一つの黒龍が「ドラゴントゥース!!」と噛みつきにかかる。


「メイファ、技を借りるぞ。」


一つの黒龍がリュウに噛みついたと思いきや、透けた。影分身のようだ。


「あれは影分身スキルニャ!!でもリュウは影分身は出来なかったはずニャ!?」


メイファが驚く。リュウが別の場所に出現する。


「ぬぅぅぅー!!」


ダークが悔しげに次なる一つの黒龍を動かす。一つの黒龍が攻撃ブレスを放とうと口を開く。


「アイリンの魔法を借りるぞ。」


リュウが魔法を唱える。


「エルフ魔法(極大)・大樹降誕!!」


地上一帯に無数ともいえる巨木が現れる。


「リュウがエルフ魔法!?まさか!?」


アイリンがエルフ族独自の魔法をリュウが使ったことに驚きを見せた。


「縛り付けろ!!」


無数の枝が空を浮かぶ邪悪竜ヤマタノオロチを拘束し、地上に引っ張った。


「おのれぇぇぇー!」


邪悪竜ヤマタノオロチの一つの黒龍が「ファイアブレス」を吐くことで巨木を焼き尽くした。


「お前は・・・なんなんだ!?」


ダークがリュウの底知れぬ力にたじろく。


「友情なる想いの加護により、仲間から力を借りることが出来る。俺が出来ぬスキルも魔法も仲間から借りることによって使用出来るのだ。」


「ならば、仲間の力の及ばない圧倒的なパワーで粉砕してくれよう!!」


邪悪竜ヤマタノオロチが一斉に口を開く。


「最強技・アルティメットブレス!!」


八つの黒龍の攻撃ブレスが融合し、リュウに迫る。


「言い忘れたが、ドラゴンからも借りることが出来るぞ。」


リュウが魔法を唱える。


「ドラゴン魔法・重力操作、ブラックホール!!」


巨大な黒い渦が出現し、アルティメットブレスを吸収した。


「あれは魔竜のドラゴン魔法!?」


リーゼが魔竜の防御でよく使われる魔法をリュウが使ったことに驚いた。


「ダーク。悲しき存在だが、同情はしない。」


リュウが手を握りしめ、拳になると溢れんパワーが響き渡る。まさに決着をつけようと言わんばかりだった。


「くっ・・・。」


ダークが焦りを見せるが、にやりと不穏に笑うのだった。

最後までお読みくださり、ありがとうございます!評価点orブックマークをお願いします!!

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