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第百二十八話セイクリッド魔物軍⑯VSデーモンキング

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!!

 ̄戦争地帯・地上 ̄


Sランク魔物+融合体人間(天使族)

デーモンキング


悪魔の中の王。人型の異形な姿だが、片方の翼に天使族の白い翼が付き、片方に悪魔の翼が付いていた。天使族の人間と悪魔のデーモンキングが合体したようだ。


カインズ、セバスチャン、ラインゴッド騎士団長が三人かがりでデーモンキングに戦いを挑む。


三人の攻撃を難なくさばくデーモンキング。


「せいやぁぁぁー!」


ラインゴッド騎士団長が大剣を振る。するとデーモンキングが魔法を繰り出す。


「眷属召喚・蝙蝠×20」


小さな蝙蝠が複数召喚され、目眩ましのようにラインゴッド騎士団長に襲いかかる。


「わっぷぷぷ!」


ラインゴッド騎士団長はまとわりつく蝙蝠を引き剥がし、大剣で追い払う。その間にカインズがデーモンキングの背後に回り、襲いかかる。だが、デーモンキングは冷静に対応する。


「武器召喚・大鎌」


どことなく大鎌を背中越しに取り出し、カインズの大剣を受け止める。


「ちっ!」


カインズが「剣技・五月雨斬り!」と連続攻撃する。デーモンキングが応戦する。バチバチと金属音を響きながら互角の戦いを広げる。セバスチャンは隙を伺いながら、サポートに徹する。


「鎌技・大車輪!!」


デーモンキングが大鎌をグルグル高速回転しながら攻撃する。


「うおおぉぉっ!」


トリッキーな技にカインズを受けの姿勢に回らせる。劣勢のカインズにセバスチャンが動く。


「旦那様!空間魔法・瞬間移動!!」


デーモンキングの背後にバッと瞬間移動し、攻撃しようとする。


「む!召喚魔法・ミラーツイン!!」


デーモンキングに似た容姿の影の分身体が背中越しに出現し、大鎌を振りかぶる。


「不覚!?」


セバスチャンが咄嗟に避けるも裂傷を負う。デーモンキングから距離を取るカインズたち。


「人型サイズでしたから三人がかりで行けば倒せるかもとは思いましたが、やはりSランク魔物。甘くないようですね。」


ラインゴッド騎士団長がふぅーっと深呼吸する。


「召喚魔法を得意とする魔物のようだ。となると面倒なことになる前に倒さなくちゃいけねぇ・・・。」


カインズが手負いのセバスチャンを見やる。セバスチャンは自身に回復魔法をかけていた。


「まだ行けるか?」


「ハッ。」


三人が仕切り直してデーモンキングと対峙する。


デーモンキングはミノタウロスと不死鳥フェニックス、バハムートドラゴンがやられたことを気配探知スキルにて知る。


「これで最後の一体!ドラゴンフレイムー!!」


上空にて小型炎竜が火を吐き、デーモンキングの眷属悪魔を倒す。


そして眷属召喚のCランク魔物相当の悪魔100体が小型炎竜により、全滅された。


「これで残るは自分だけか・・・。」


セイクリッド王国から来た魔物軍はデーモンキングのみとなった。


「さぁ、大人しくやられろや!!」


カインズが周囲の状況を把握し、高らかに叫んだ。


「私は神王ヴァシュロン様の側近。神王ヴァシュロン様の命によりジランド王国を滅ぼさねば。」


デーモンキングが翼を開き、飛び立つ。そして魔力を高める。


「何する気だ!?」


「お前たちの思う最も強い生物を召喚しよう。それがお前たちが強く思えば思うほど、お前たちを苦しめる。」


デーモンキングが召喚の陣を地面に発現させる。


「出でよ!最強召喚魔法・記憶移し身の幻影!!」


召喚の陣から覇竜に似たドラゴンが召喚された。


「は、覇竜・・・いや!コピーか!?」


覇竜と瓜二つかのようなドラゴンだが、よく見れば形がやや崩れ、銀色が色あせていた。どうやらカインズたちの記憶にある覇竜をコピーしたようだ。


「ギャオォォォ!!」


覇竜コピーが雄叫びを上げた。本物の覇竜と違い、コピーの覇竜は理性なき魔物そのものであった。


「覇竜コピーとは厄介な・・・。」


ラインゴッド騎士団長が覇竜コピーを見上げる。


「よく見ろ。形が崩れている。おそらく覇竜の下位互換だろう。だが、最強技をコピー出来るならやばいぞ・・・。」


覇竜と戦闘経験を持つカインズとセバスチャンが焦る。


「さぁ、行け!覇竜コピー!!」


デーモンキングの指示に覇竜コピーが三人に襲いかかる。その中でカインズが迫り来る覇竜コピーを見ながら物思いに更ける。


 ̄回想 ̄


「ま、参った・・・。」


数十年前の若き冒険者のカインズ、同じく冒険者である黒髪オールバックのセバスチャン、白髭をこさえた老人の賢者マクスウェルが覇竜との激しい戦いを終える。


「今までの冒険者で最強のチームであったぞ。」


覇竜が戦闘により、ボロボロの三人に回復魔法をかける。そして昨日の敵は今日の友とばかりに仲良く話する。


「なに!人間になり、冒険したいだって!?」


カインズが驚きの声を上げる。


「あぁ、そのために人化魔法を開発している。だが、なかなか難しく数十年はかかるだろう。」


覇竜が冒険者になるべく人化魔法を開発していることを告げた。カインズたちがうーむと唸る。


「ジランド王国は多種多様な種族を受け入れていますが、思想の違い、文化の違い、様々な理由で衝突が絶えません。覇竜様と言えども受け入られるかどうか・・・。」


セバスチャンが難しい表情する。数十年前のジランド王国は多種多様な種族の間で様々な問題を抱えていたのだ。


「儂のディモール王国は人族至上主義の国。お主がドラゴンと知れば迫害の対象になるじゃろな。」


賢者マクスウェルが豊富な白髭を揉む。


「・・・・。」


カインズが腕を組み、考え事する。そして決断したかのように覇竜に向く。


「決めた!覇竜!鱗を戦利品にくれないか!?」


カインズたちが覇竜との戦闘で鱗を剥ぎ取ったのだ。それを戦利品として頂戴したいという。


「あぁ、構わんが。」


覇竜が?マークを上げる。


「カインズ?何する気ですか?」


セバスチャンがカインズに問う。


「この鱗をジランド王国に献上し、貴族に返り咲いて、ジランド王国を変えてやる!!」


カインズが拳を握りしめる。※カインズは騎士男爵貴族の末っ子。冒険者と平民の二つしか選べなかったため、冒険者となったのだ。


「若造ならではの壮大な言葉じゃのう。」


賢者マクスウェルがほっほっと相手にしてないかのような言葉を投げ掛けた。


「最初は覇竜討伐で貴族に返り咲こうと目論んで、多彩な魔法を扱えるマクスウェルのおっさんと利害関係が一致したから引き込んだが、自分のことしか考えてなかった俺が馬鹿だったぜ!!」


覇竜討伐により、カインズたちの目的を叶えようとしていた。


冒険者カインズは貴族に返り咲くために。


冒険者セバスチャンは金と名誉のために。


賢者マクスウェルは最強魔法クレイジーコメットの実験のために。


こうした利害関係の一致により覇竜討伐に赴いていたのだった。


「マクスウェルのおっさん!俺は何十体何百体ものの魔物を討伐した!どれも本能あるがままに敵対してきた。だが、覇竜は違う!!」


「人間と仲良くしたいんだぜ!?こんな魔物がいるなんざ夢にも思わなかった!!覇竜は人間好きと噂で聞いてはいたが、信じていなかった!!しかも人族の言語を扱えるときた!」


「覇竜が人間になる時が来たら、俺たち人間がゴタゴタしてるところを見られたら幻滅してしまう!!」


カインズの熱弁にセバスチャンが同意するかのように頷く。


「・・・そうですね。カインズについていけばジランド王国を変えることも出来そうですね。サポートしましょう。」


のちにセバスチャンが執事としてカインズの下で働くきっかけとなったのである。


「・・・そもそも他の種族と仲良くやらねばいかんのかね?儂には理解できんよ。」


「マクスウェルのおっさん!研究ばっかで頭でっかちになってんだよ!もうちょっと外に出て周りを見やがれ!!」


「むぅ。」


「俺たちは覇竜に敗れた。これが理性なき魔物だったら俺たちは死んでる!!死んだと思って生まれ変わってみやがれってんだ!!」


「・・・やれやれ。」


賢者マクスウェルは渋々頷いた。のちに時間はかかったが、自らの過ちに気付き、ディモール王国の宰相を務め、人族至上主義のディモール王国を変えさせようとしたが、失敗したのである。


三人の話についていけない覇竜が首を捻る。


「何がなんだかわからんが・・・人間のいざこざを解決しようというのは理解できた。ならばその時を楽しみにしていよう。」


覇竜の期待にカインズが笑う。


「楽しみにしていろ!」


のちに数十年経ち、覇竜が人間姿のリュウとなり、カインズたちが努力し、多種多様な種族が仲良く暮らすジランド王国の暖かさに触れるのであった。


 ̄回想終了 ̄


「ドラゴン魔法・天候操作、積乱雲!!」


覇竜コピーが積乱雲を作り出す。これにより、雷、風、水魔法の威力が増強される。


「おいおい!早速かよ!!」


カインズたちが焦る。


「最強技・暴風水雷神!!」


サイクロンのように巨大な竜巻が発生され、カインズたちがグルグル巻き込まれる。


「「気合い防御!!」」


カインズとラインゴッド騎士団長が防御スキルを発動させる。


「セバスチャン!わかってるな!!」


「ハッ!」


セバスチャンが「空間魔法・瞬間移動」でバッと消える。


「身動き取れませぬ!!」


サイクロンにグルグル回り続けるカインズとラインゴッド騎士団長。


「耐えろ!この最強技は昔に味わった!!その対抗策はもう編み出してある!!」


「わかりやした!!」


サイクロンの中に身体を切り刻む風がカインズたちを襲う。


「ぐうううっ!」


次に鋼鉄に近い無数の雹が襲う。


「いていていていて!!」


次に無数の雷がカインズたちを貫く。


「ぐはぁぁぁぁっ!!」


カインズたちは何も出来ずにサイクロンに巻き込まれるがままになる。セバスチャンは積乱雲よりはるか上空にいた。


「サイクロンの中心はそこですね。」


セバスチャンがサイクロンの中心の目となるところに移動する。


「覇竜の最強技は一度巻き込まれたら何も出来ずに死を待つのみ。最強にして凶悪な技。だが、私たちはその技を研究し、対抗策を編み出した。」


セバスチャンが魔法を繰り出す。


「収納魔法・大氷解!!」


サイクロンの中心の目に大氷解を投入した。これにより、サイクロンの勢いが弱まる。


「なんだと!?」


デーモンキングと覇竜コピーが驚く。カインズたちはサイクロンの中心に氷を放れば勢いが弱まることを突き止めていたのだ。


「今だ!!」


カインズとラインゴッド騎士団長がサイクロンを抜け出し、覇竜コピーに迫る。


「覇竜のコピーとは言え、理性なき魔物なんざ敵じゃねぇ!!」


カインズとラインゴッド騎士団長が大剣を振りかぶる。


「二人技・竜十字殺し!!」


覇竜コピーの首をはね倒す。サイクロンが消え去る。そしてデーモンキングに正面向かう。


「覇竜コピーは倒した・・・あとはお前を倒すのみ!!」


「くっ・・・。」


カインズとラインゴッド騎士団長が大剣を構える。デーモンキングに焦りの色が出る。その時に上空でドォーンと爆発音が起こり、セバスチャンが落ちてきた。


「オルド!!」


カインズが咄嗟にセバスチャン(オルド)を抱える。


「何があった!?」


セバスチャンは瀕死のダメージを負っていた。


「ぐっ・・・旦那様お気をつけください・・・。厄災が降り立とうとしています・・・。すみませぬ。先に逝きます。」


セバスチャンが事切れた。同時に積乱雲に十字切って、巨大な影が現れる。


デーモンキングとカインズとラインゴッド騎士団長が見上げる。


「神王ヴァシュロン様!!」


巨大な影の正体は邪悪竜ヤマタノオロチとダーク憑き神王ヴァシュロンだった。


「何している・・・ジランド王国はまだ滅ぼしておらぬのか?」


「申し訳ございません・・・。」


「もういい。消えろ!!」


邪悪竜ヤマタノオロチの一つの黒龍がデーモンキングに向かって攻撃ブレスを吐いた。


「神王ヴァシュロン様ぁぁぁー!!」


デーモンキングは跡形なく消え去ってしまった。


「これが邪悪竜ヤマタノオロチ・・・。」


ラインゴッド騎士団長が青ざめる。


「(リーゼたちは死んだのか?)」


リーゼたちの安否を気にしながら、カインズが邪悪竜ヤマタノオロチと対面する。そして邪悪竜ヤマタノオロチとの最終決戦に場を移すのであった・・・。

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