第十一話 VSゴブリン軍団
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします。
ジランド王国付近の大森林にてゴブリンの出現率が上がっている。それにより冒険ギルドは生態が蟻に近い特徴を持つことから、ゴブリンキングとゴブリンクイーンがいるのでは?と疑う。冒険ギルドからゴブリン大量出現の可能性の調査クエストを発行し、それを受けたリーゼたちがゴブリンの巣を発見する。
そこに女冒険者がゴブリンによって引き摺り込まれるところをリュウが助けた。それによって騒ぎを聞きつけたゴブリンたちが洞穴から大量に出現し、襲いかかってきたのだ。
ゴブリン
身長80センチほどの化け物容姿で全裸に近く腰巻きを巻いている。Gランク魔物で雑魚なのだが、徒党で組むことが多い。駆け出しの冒険者がたかがゴブリンと油断しているとやられることがままある。
「ウニャー!!思ったより多いニャ!!」
「これはどうやらいるわね。ゴブリンキングとクイーンが。」
ゴブリンの数の多さにメイファが驚き、リーゼが確信した。
「本来なら数チームで討伐に当たれば、楽勝なんだけれどね。」
リーゼがジト目でリュウを見やる。まるでリュウのせいで面倒なことになったと言わんばかりであった。
「うっ・・・。」
居た堪れないリュウに女冒険者が「いえ、元と言えば私が悪いんですよ!」と庇った。
「仕方がないわ。ゴブリンキングとクイーンが出てくる前に隙を見てズラかりましょう。」
リーゼが襲いかかってくるゴブリンたちを剣で斬り倒す。
「わ、私もやります!」
女冒険者が武器を持とうとするが、恐怖により、足が震えていた。アイリンがそれを見越して、身近にある木を「エルフ魔法(上級)・植物操作」で枝を操り、女冒険者を絡ませた。
「何を・・・?わぁ!?」
女冒険者を枝で引っ張って、木の上に乗せた。
「邪魔。そこで見て。」
ゴブリンたちがアイリンを囲い、襲いかかる。
「私は森の民であるエルフ族の血を引いている。この大森林は私の味方。」
アイリンが木を操り、「ツルの鞭!!」とゴブリンたちを引っ叩いた。メイファの方もゴブリンたちに囲まれる。
「アタイだって、猫の獣人族!!森は庭のようなものニャ!!」
メイファもまた木々を利用した素早い跳躍によってゴブリンたちを翻弄し、自らの爪を硬化させた「魔爪」スキルで斬りまくる。
リーゼたちが大量のゴブリンたちを相手に奮闘する。その傍らでリュウがやや頭を抱える仕草する。
「(俺のせいで面倒な騒ぎを引き起こしてしまったな。)」
どうやらリュウは考えなしに女冒険者の救出に迂闊に動いたため、ゴブリンたちを引き寄せてしまったことに責任を感じていたようだ。そこに目の前にゴブリンをまとめる指揮者のボブゴブリンが現れる。だが、リュウは考え事しており、ボブゴブリンの存在に気付いてなかった。
ボブゴブリン
ゴブリンが成長した化け物容姿の青年風。知恵があり、人間たちの使う武器を奪い、見様見真似で扱える。ゴブリンをまとめる指揮者の立場につくことが多い。Dランク魔物。
「ギッ!!」
ボブゴブリンが斧を振り回す。だが、その斧は手入れがされておらず、リュウの身体に当たった瞬間、折れた。
「ギギ!?」
ボブゴブリンがバッと折れた斧を見る。だが、リュウは考え事を続ける。
「(何かとリーゼたちに迷惑をかけっぱなしだ。これでは自分(覇竜)への尊厳がなくなるというものだ。なんとしてでも汚名を返上せねば!)」
ボブゴブリンが拳による打撃による攻撃を与えるもまだリュウは気付かない。その様子にリーゼたちが困惑する。
「リュウが堅いのはわかっていたことだけれど、気付かないにもほどがあるわよ。」
「痛くないのかニャ?」
「蜥蜴族と人族のハーフは希少。その体を調べたい。」
リーゼ、メイファ、アイリンの三者三様な言葉を漏らした。
「む・・・・。」
リュウがやっとボブゴブリンを認識した。その瞬間に苛立ちを覚えた。
「そうだ!元と言えばこいつらが悪い!!」
リュウは八つ当たりかのようにボブゴブリンを殴る。
「ギャァァァァツ!!」
リュウの一発で倒れるボブゴブリン。指揮系統のボブゴブリンが倒されたことでゴブリンたちが動揺する。
「今なら撤退できるわね。無理せずに命安全よ。」
リーゼたちが撤退の指示を出すが、リュウがやや不満顔になる。
「(これだけでは汚名をすすぐことが出来ないのではないか?)」
またもやリュウはリーゼの指示を聞かずにゴブリンが湧いて出る洞穴に向かう。
「リュウ!何を・・・?」
「消し炭にしてやる。」
リュウは覇竜として過ごしていた時代にうっとおしいゴブリンの巣をファイアブレスで消し炭にすることが幾度あった。その再現を行おうとしていたのだ。
「火魔法(下級)(弱体化)・ファイア」
リュウがゴブリンの巣である洞穴を目前に大きい火を出す。リーゼがハッとリュウのやろうとしていた目的を理解する。
「待って!リュウ!!それはやらないで!!」
だが、リュウはリーゼの制止を聞かずに大きく息を吸い込み、火を飲み込む。そして吐き出す。
「ファイアブレス(弱体化)!!」
強烈な火の旋風が洞穴に飛び込むかのように放った。
「ギャァァァァァァァァァ!!」
洞穴の中にいたであろうゴブリンたちの悲鳴が阿鼻叫喚ごとく響き渡る。
「(悲鳴だと?いつもなら悲鳴をあげる間もなく焼かれるはずなのだが・・・?)」
リュウが悲鳴をあげるゴブリンたちに違和感を持つとリーゼが慌てる。
「その火力ではゴブリンキングとクイーンには効かないわよ!!」
「なんだと?」
その瞬間、ドガッと洞穴の真上にこじ開けるかのように巨大な物体と後に続く細身の物体が飛んだ。
「ウガァァァァァツ!!」
洞穴の上に着地する火に少々巻かれる巨大な化け物容姿の男性とその後ろに魔女的な化け物容姿の女性。その二人は怒りに震えて、リュウたちを見下していた。
「ゴブリンキングとクイーン!!」
リーゼが二人のその姿に叫んだ。同時にリュウは消し炭にできなかった原因を探ると自分が人間で弱体化していたことに気付く。
「(うっかりしていた。弱体化していたんだった。)」
人間になったことで火力が弱まり、ゴブリンたちを消し炭に出来なかったようだ。※前日のメイファとアイリンとのバトルでは手加減していたので気付かなかったのだ。
「ど、どうするニャァァァ!!」
「エマージェンシー。」
メイファとアイリンが慌てる。すると魔女的化け物容姿のゴブリンクイーンが魔法を唱える。
「土魔法(中級)・土壁×3」
洞穴をメインにリーゼたちを囲むように三方に土が壁のごとく盛り上がった。
「これじゃ、逃げられないニャァ!!」
メイファが周りの土壁をくるりと見回す。
「どうする?リーゼ。」
アイリンがリーゼに訊く。
「どうもこうもないわ。どうやら相手は私たちを敵と認識している以上、やるしかないわよ。」
リーゼがそう言うとリュウの肩に手を乗せる。
「リュウ、責任取ってくれるわよね?」
メキメキとリュウの肩を力一杯に掴む。どうやら怒っているようである。
「(汚名をさらに上塗りしてしまったのか・・・・。)」
リュウが汚名返上を狙ったファイアブレスによる殲滅は失敗に終わってしまい、リーゼたちに危機を晒すことになったのであった・・・。
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