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第百十五話 セイクリッド魔物軍⑥ランドルフ王出陣

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇ジランド王国城・謁見の間◇◇


 覇竜たちによって壊された謁見の間だったが、完璧に修復されていた。


 その謁見の間から繋がる見晴らしの高台。ジランド王国全体を見渡せる。


 その見晴らしの高台にランドルフ王と神王代理ミカエルがいた。そこに伝令の近衛騎士が駆け込む。


「数体の魔物がジランド王国内に入ってきました!さらに魔竜、小型炎竜、暴竜の姿が確認されました!!」


 伝令の近衛騎士の報告にランドルフ王は街中を見つめ、戦争地帯に向かうべく魔竜、小型炎竜、暴竜の姿があった。


「あぁ。ここからでも見えた。」


「このタイミングで四大竜の魔竜と暴竜が出現だなんて世の終わりだとでもいうのか・・・?」


 事情を知らないミカエルが青ざめていた。


「ランドルフ王。何故、国を滅ぼすことが出来る魔導兵器を使わない!?それさえあれば、戦争をすぐ終わらせることができ、なおかつ四大竜に対抗できるはず!!」


「・・・そちらのニンジャを使って、色々探っていただろう?その結果を知っているはずだ。」


「確かに新型魔導兵器は確認されなかったと報告はあった。だが、隠しているだろう?!」


 国を滅ぼす兵器があると決めてかかっているミカエルにランドルフ王が溜息つく。


「・・・国を滅ぼす魔導兵器はありやせん。強いて言えばあれがそうだ。」


 ランドルフ王が魔竜と暴竜、ついでに小型炎竜の飛んでる姿に指を差す。


「何を・・・何を言ってるんですか?まさか国を滅ぼす魔導兵器が四大竜とでも?人間に寄り添える神竜様と覇竜は別にしても・・・魔竜や暴竜を従えるなんて出来るはずがないっ?!」


 ミカエルが声を荒げた。


「従えてはおらん。あれを制御することなど人間には出来ん。こちらにも色々あってな。」


 魔竜と暴竜と小型炎竜を背景にランドルフ王がミカエルの前に立つ。


「ミカエルよ。・・・十年前にカインズたちがそちらを訪ねたことがあった。」


「えぇ、カインズたちが神竜様の元を訪ねに私の国に来たことがありますね。私は神竜様の降臨に立ち会ってないので詳細は知りませんが・・・。」


「私がジランド王国の先行く未来を訊くようにカインズたちに頼んだのだ。」


 十年前にセイクリッド王国の大聖堂の召喚の間にて神王ヴァシュロンとカインズ、セバスチャン、賢者マクスウェルが神竜の降臨に立ち会った。その際に神竜が未来を予言した。


「私はカインズの報告を受け、準備を進めた。」


 ランドルフ王が控えていた近衛騎士に振り向く。


「近衛騎士よ。武器保管庫に案内せよ!!」


「ハッ。」


 ジランド王国が管理する重要機密のある武器保管庫に向かうランドルフ王とミカエル。


「予言とはなんだったのですか?」


「ジランド王国を中心に戦火が相次いで上がり、人間の行い次第でジランド王国滅亡に繋がる、とな。これがジランド王国の未来の予言だった。だが、蓋を開ければ世界滅亡に繋がる序章だった。」


「・・・。」


「どうやら十五年前の一回目のディモール王国との戦争で魔竜に邪魔されずに叩き潰せば、このような事態にはならなかったようだ。・・・時間は戻せない。」


 近衛騎士の案内により武器保管庫にたどり着き、中に入る。ランドルフ王は迷わずに一直線に歩く。ミカエルがついていく。とある巨大な物体に辿り着いた。


「ニンジャから報告を受けてます。魔導人形・・・それも特別製の・・・・!!」


 ミカエルがとある巨大な物体を見上げる。


「あぁ、魔導人形オリハルコンガーディアン!!」


 全長10Mの巨大な人型ロボットで全身が金輝く鋼鉄製のオリハルコンで覆われ、右手にオリハルコンの巨大な大剣と左にオリハルコンの盾を左右に装備していた。


「蜥蜴族からオリハルコンを大量に仕入れ、完成した。」


「ランドルフ王!まさか出陣する気ですか?!」


「ジランド王国滅亡の危機に瀕している!!もはやなりふりかまってられん!!」


 ランドルフ王が魔導人形オリハルコンガーディアンの胸部の操縦室に乗り込み、電源を入れた。魔導人形オリハルコンガーディアンが動き、ジランド王国内で暴れている魔物討伐に動くのであった。


◇◇ジランド王国・正門◇◇


 ジランド王国騎士団と冒険者有志たちで組む最終防衛ラインは瓦解し、一方的に蹂躙されかけていた。カインズたちが血だらけになりながら、戦う。


 カインズがAランク魔物の動きを止め、「今だぁー!」と叫ぶ。同時にセバスチャンが手刀でAランク魔物の首を目掛けて振るう。


「最強空間魔法・手刀断頭台!!」


 手刀から高速振動波を発生させ、Aランク魔物の首を簡単にはねた。


「はぁはぁ、まだまだいるのか・・・。」


 カインズとセバスチャン、ラインゴッド騎士団長が背に陣形を組む。周りにはまだまだAランク魔物で溢れていた。


「ジランド王国最強騎士もここまでだ!かかれぇー!!」


 複数のAランク魔物が一斉にカインズたちを襲う。


「くっ・・・。」


 カインズたちが死を覚悟した瞬間、複数のAランクの魔物が急に潰れたかのようにぺしゃんこになる。


「こ、これは・・・。」


 カインズたちがハッと空を見上げる。そこには魔竜と小型炎竜がいた。


「なにやってるのよぉ~。」


 どうやら魔竜の仕業のようだ。


「・・・来るならもっと早く来いっつーの。」


 カインズが苦笑いとも取れる表情する。


「あら、ごめんねぇ。ピンチに駆けつけたら、私たちに対して、感謝の念が高まると思ってねぇ~。」


 魔竜がふふふっと笑みを浮かべた。


「エンカ、やっちゃって。」


「はーい。」


 小型炎竜が火を吐き、複数のAランク魔物を消し炭にした。


「何故、魔竜が・・・?」


 セイクリッド魔物軍が魔竜たちの登場にビビる。


「暴竜もいるわよ~。」


 暴竜も登場し、セイクリッド魔物軍をさらに震え上がらせた。


「敵に対して話す余地などない。」


 暴竜が口にエネルギーを収束する。


「ドラゴンブレス!!」


 横一線にエネルギー弾を放ち、セイクリッド魔物軍を一掃する。だが、暴竜の攻撃に耐えた個体が複数いた。


Sランク魔物+融合体人間

不死鳥フェニックス


Sランク魔物+融合体人間

ミノタウロス


Sランク魔物+融合体人間

デーモンキング


Sランク魔物+融合体人間

バハムードドラゴン


 どれも巨大な魔物であった。


「Sランク魔物のお出ましか・・・。」


 カインズたちが魔竜、暴竜、小型炎竜の助けを借り、挑むのだった・・・。

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