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第百十二話 セイクリッド魔物軍③サムライの疑問

拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!

◇◇大聖堂に続く階段◇◇ 


 リュウ、リーゼ、ソル、サムライが大聖堂に繋がる3333段ものの階段を駆ける。


 リーゼとリュウが駆けながら並ぶ。


「リュウ、素早さを上げるスキルは持ってなかったわよね?私たちは神速スキルで先に行くわよ。」


「あぁ、構わない。気をつけていけ。」


 リーゼが「神速!」であっという間に先に階段を登っていってしまう。次にソルがリュウに並び、駆ける。


「リュウが到着する頃は出番無しだろう。何故なら僕たちがすべてを終わらせるからだ。ハハハ!では先に行く。」


 ソルが歯をキラッとし、高笑いしながら、神速スキルで駆けていく。


「(おそらく俺に気を遣ったんだろうな。)」


 ソルはリュウに何度も助けられているため、手を煩わせない思いがあったのだ。その正体が覇竜となればだ。


 サムライがリュウと並び、駆ける。


「お前は行かないのか?」


「拙者は空間魔法で移動する故に少々遅れても問題ない。その前にお前と話したい。」


「なんだ?」


「拙者はお前を疑っている。人間ならざる気配を感じる。もしやダークの手の者かと思っていたが、違うようだ。リーゼたちジランド王国の者はお前に全幅の信頼を寄せている。・・・何者なんだ?」


「(わかる人間にはわかるのだろうな・・・。)」


 リュウが立ち止まり、サムライも止まる。


「・・・アイリンたちが危ないな。」


 3333段の階段のある程度の高度から、遠く離れたアイリンたちの戦闘が影として見えた。劣勢のようだ。


「仕方があるまい。拙者たちは命を懸け、臨んでいるのだ。」


「俺は嫌なんだ。見知った人間を失うのは。」


 リュウが「人化魔法・人間解除!」で徐々に大きくなる。


「な・・・な・・。」


 サムライが口をパクパクする。リュウは銀色輝くドラゴンの覇竜に変身した。そしてアイリンたちの方向に向けて口を開く。


「ドラゴンブレス!!」


 強力なエネルギー光線が放たれる。


◇◇アイリンサイド◇◇


 アイリン、シン、フィリアが複数のAランク魔物と融合体人間を相手に戦う。


「ハァハァハァ・・・。」


 巨大で強面な土人形のタイタンの肩に乗り、操るシンが息切れを起こしていた。


「魔力が・・・切れそうです。」


 巨大なタイタンがAランク魔物たちに一斉に襲い掛かられ,破壊された。同時にシン弾け飛ぶ。


「シン!?」


 千年亀ユグドラシルを操るアイリンが救出に動こうにもAランク魔物たちとの戦いで手一杯だった。


「おうおう!俺の出番だな!!」


 シンの懐から火の妖精イフリートが現れた。


「え?!」


 当のシンも突然の出現に面食らっていた。火の妖精イフリートはどうやら妖精女王シヴァたちの目を盗んで、ついてきていたようである。


「妖精の秘技・精霊転化!!」


 火の妖精イフリートが人サイズに大きくなり、シンを抱き抱える。


「イフリート?」


「くくくっ!!俺の求めていた戦いだ!燃えてきたぁぁぁ!!」


 火の妖精イフリートの全身から熱が感じられ、シンが困惑する。


「え?ちょっと・・・。」


「火魔法(極大)・火神!!」


 火の妖精イフリートを中心に巨大な火柱が建った。


「あちゃちゃちゃー!!」


 火柱に巻き込まれたシンがあまりの熱さに叫んだ。


「我慢しろやい!俺と一緒ならそんなに熱くねぇだろ!!」


「熱いですよ!!」


 火の妖精イフリートは巨大な火柱を大きく取り込んだ。


「魔法同化・火神イフリート!!」


 火魔法と合体した炎の化身である巨大なイフリートが誕生したのであった。


「さぁて、暴れるぜぇぇ!!」


 火神イフリートが「灼熱熱光線!!」と周囲に凄まじい熱光線を浴びせ、Aランク魔物たちを次々と屠っていった。


「なんて心強い援軍。」


 アイリンがシンの無事に安堵し、戦闘を継続する。


 すると頭上に巨大な鳥が現れた。鶏が巨大化したような鳥の魔物であった。


「Sランク魔物のコカトリスエンペラー!?まずい!!」


 アイリンたちの頭上にSランク魔物・コカトリスエンペラーと融合体人間。


 コカトリスエンペラーが高く飛び、くちばしを開く。シンが行動を見抜く。


「一帯を包み込める石化ブレスだ!やばいぞ!!」


「ハッ、Sランク魔物か!倒せば、俺が強えぇってことだろ!!」


 火神イフリートが「最強技・灼熱炎柱!!」と全身から火柱をコカトリスエンペラーに目掛けて放つ。


「石化ブレス!!」


「ははは・・・な?!」


 火と石の相性の問題なのか、火柱が石化していく。余裕綽々に暴れていた火神イフリートが初めて焦りを見せた。火柱を通して石化が伝わってくる。


「ま、まずい!!」


 一緒にいたシンも焦る。このままだとイフリートもシンも石化してしまう。


「障壁か風魔法を!?」


 シンがアイリンやフィリアに助けを求める。


「間に合わないですぅー。」


「くっ、つるの鞭!!」


 アイリンの千年亀ユグドラシルがとっさに大樹の枝を伸ばし、コカトリスエンペラーのくちばしを弾き、石化ブレスの方向を変えさせた。他のAランク魔物数体が石化した。


「危なかった。」


 アイリンとフィリアがホッとする。


「この野郎!?」


 火神イフリートが石化した火柱を切って分離し、戦闘を継続しようとする。だが、その瞬間、炎の化身たる巨大な姿が解けた。


「やべ!?もう魔力切れ?!」


 同時に「妖精の秘技・精霊転化」も解け、人サイズだったイフリートは元の妖精に戻った。


「・・・最初から飛ばしすぎたようですね。相手が相手だから仕方がありませんよ。僕の懐に隠れてください。君のお陰で助かりました。あとは僕がやります。」


 シンが魔力回復薬を飲み、少し魔力を戻した。だが、もう強力な魔法は使えない。


「・・・かっこ悪ぃな俺。」


 火の妖精イフリートが素直にシンの懐に隠れた。


「だけど、どうしますぅ。魔力も残り少なくなってきました。」


 コカトリスエンペラーが加わり、周囲にはAランク大型魔物が数体いた。また長期戦の戦闘により、魔法使いであるアイリンたちの魔力が残り少なくなっていた。絶望的な状況なのだ。


「絶体絶命。だけど,やれるだけやる!」


 アイリンたちが立ち向かおうとすると同時にドラゴンブレスによる光線が飛来し、Sランク魔物・コカトリスエンペラー含むAランク大型魔物がすべて消え去った。


「こ、これは・・・?」


 一瞬の出来事にフィリアが困惑する。アイリンとシンは見慣れた光線の正体に気付く。


「(覇竜様・・・。ありがとう。)」


「(覇竜か・・・。助かりました。)」


 アイリンとシンが感謝の念を込めたのであった。



◇◇リュウサイド◇◇


 覇竜がアイリンたちの安全を見届け、サムライに振り向く。


「ふむ・・・ところで大丈夫か?階段から転げ落ちるぞ?」


 サムライはフリーズしていた。覇竜は人間姿のリュウに戻る。


「こういうことだ。理解したか?」


 サムライがハッと目覚めた。


「覇竜なのか・・・。魔物の玉を飲んだという訳ではないようだな・・・。」


「あぁ。」


「神竜様と同格の存在。となるとワイバーンたちをどう従えているのか理由がわかった。国を滅ぼせる新型魔導兵器というのはお前・・・いや、あなたのことか?」


「あぁ、俺・・・いや、俺たちの存在を隠すため、有りもしない新型魔導兵器をでっち上げてもらった。」


「ニンジャが新型魔導兵器の存在が確認されなかったのはこういうことか。」


 サムライが納得顔する。だが、次の瞬間に「・・・俺たち?」と引っ掛かりを覚えた。


「俺以外にもドラゴンがいる。」


 サムライの理解が追い付かないらしく頭を抱える。


「どんなドラゴンが・・・いや、聞かないことにしよう。ならば最初からあなたが出ていれば解決出来たのでは?」


 リュウがうーんと首を捻る。


「逆にそれでいいのか?」


 リュウの言葉にハッとするサムライ。


「すまぬ。ドラゴンに頼って解決してもそれは人間の力ではないな・・・。そもそも人間が引き起こした戦争なのだからな・・・。」


 サムライが頭を下げた。


「そうだ。俺は補助する位置で助けていきたいと思ってる。」


「助力感謝する。最後にあなたが覇竜だということはジランド王国、仲間は知ってるのか? 」


「一部だけだ。仲間は・・・知ってる者もいれば知らない者もいる。秘密にしておいてくれ。」


「了解した。では先に行く。空間魔法・瞬間移動!!」


 サムライが空間魔法により、パッと消え、大聖堂に行った。


「ジランド王国は今、どうなっているのだろうな・・・。」


 リュウはジランド王国がセイクリッド魔物軍と戦争の状況をおもんばかって、ジランド王国がある方向を見やる。


「気分屋のクレアと人間嫌いのガイアスがどう出るのか。任せるしかないか。」


 リュウは向き直し、3333段の階段を駆けるのだった。


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