第百九話 戦争突入前
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けてると思いますが、よろしくお願いします!
◇◇リュウ邸宅・庭◇◇
リュウは旅支度を終え、庭に出るとリーゼ、メイファ、アイリン、ソル、ポチ、シンがいた。さらに乗り物にワイバーンキングと複数のワイバーンたちが待っていた。そしてセイクリッド王国の武士道チームのサムライ、ニンジャ、フィリアが案内役として買って出た。
リュウはラビット執事とメイドのカミュ、使用人たちのほうに振り向いた。
「皆の主としてしてやれたことはなかったかもしれんが、皆と一緒にいて楽しい日々だった。ありがとう。」
リュウはキリッと真剣な表情で全員を見回す。
「今回の戦いは苛烈なものになる。命の危機を感じたら迷わずにここを捨てて逃げろ。」
訪れるであろう戦争の規模が甚大になるかもしれないと思ってのことだ。
ラビット執事が首を横に振る。
「儂、いや、儂たちはリュウ様に救われました。何があろうとも儂たちはリュウ様のお帰りをお待ちしております!」
ディモール王国で戦争奴隷にされていたところを救われたラビット執事。
「私もここでお待ちしております。」
同じく救われたカミュも決意たる表情だった。そして使用人たちも「お待ちしております!!」と頭を下げた。
「(皆も覚悟を決めているな・・・。)」
リュウは皆の覚悟を感じ、一層守らなければと強く思ったのだった。
「では行ってくる。」
リュウはワイバーンキングの背にまたぐ。そこに駆け込む人影。
「待ってください!私も連れて行ってください!!」
シャルロッテ姫が動きやすい冒険服を着込んで登場した。
「シャルロッテ姫様!?」
サムライとニンジャ、フィリアが驚きつつ「危険です!」と止める。
「セイクリッド王国が危機に陥っているのに、私が何もしないわけにはいきません!それに・・・お父様をお助けしたいのです!!」
シャルロッテ姫がそう意気込むが、危険、実力不足などを理由とした周囲の反対に遭う。
「リュウ様、何卒・・・。」
シャルロッテ姫が助け舟を求めるかのようにリュウに言葉を仰ぐ。
「力が足りない気持ちはよくわかる。ただ君の力は必要になるタイミングがあるはずだ。その時を待つことだ。」
リュウがそう諭すとシャルロッテ姫はようやく引き下がった。
「行くわよ!」
リーゼの号令に各々の騎乗してるワイバーンたちがセイクリッド王国に向けて飛び立つ。リュウたちは少数精鋭で神王ヴァシュロンを止め、邪悪竜ヤマタノオロチの降臨を阻止するのだ。
「セイクリッド王国魔物軍と鉢合わせしないように迂回しながら、セイクリッド王国に向かうわ。」
リーゼが皆に道程を知らせた。
「ニャニャー。サムライの空間魔法でパッと行けないのかニャ?」
メイファがサムライの持つ空間魔法について訊いた。
「勘違いする者が多いが、空間魔法はそんな便利な魔法ではない。」
サムライが空間魔法について説明を始める。
「確かに移動は便利だが、多人数での移動は出来ない。いや、出来ないこともないのだが、空間を通るとき、術者はオートでガードがかかる。その他の者はかからぬ故に身を引き裂かれながら移動することになる。」
メイファが想像し、ひゃぁ~と青ざめる。
「また戦闘の面では最強の移動術かと思えばそんなことはない。初見殺しだ。空間魔法を持ってるとバレれば、実力者に気配感知や魔力感知で対応される。」
「セバスチャンも空間魔法使いだけど、サポートタイプだったわね。」
「元Sランク冒険者のオルド・ディーラーか。セイクリッド王国の偵察時に一緒になった。年取っているが、まだまだ健在と思えた。」
サムライがセバスチャンことオルドを評価した。
「(サポートタイプ・・・か。若い頃のオルドは積極的に攻撃してたぞ。)」
リュウが覇竜として過去にカインズ、オルド、賢者マクスウェルとの戦いを思い出していた。
こうしてリュウたちはワイバーンによる飛行でセイクリッド王国に向かう。
◇◇◇◇
「「「頑張れー!!」」」
リュウたちを見送る妖精族たちの応援合唱。
「な、なぁ!これでもじっとしてるのか!?」
火の妖精イフリートが戦いたくて仕方がない様子を見せ、妖精女王シヴァに詰める。
「・・・・凍れ!」
「うわぁ!」
妖精女王シヴァが本気でイフリートを氷漬けにしようとしていた。
「わかったわかった!」
「・・・♯♯♯」
妖精女王シヴァは眉間にしわを寄せ、「次はないわ。」と相当なお怒りを見せた。
火の妖精イフリートは「(こうなれば・・・)」と何やら考えのある様子だった。
クレアが庭園で優雅に紅茶を飲みながら、リュウたちの乗るワイバーンたちを見送る。
「んふふ〜。頑張ってねぇ〜。」
エンカがテーブルに伏して「ふわぁぁ〜。」と欠伸する。
同時にガイアスとスイリューはリリスたちのところへ行くのであった。
◇◇ジランド王国城下町・正門◇◇
セイクリッド王国から何十体もののAランク以上の魔物がジランド王国に向けて進軍していた。
ジランド王国はそれに備え、カインズとラインゴッド騎士団長が指揮を取り、慌ただしく戦争の準備を進める。
「まずいですね・・・。皆、士気が上がってませんね。」
ラインゴッド騎士団長はジランド王国騎士団に務めている騎士たちの様子に困り顔だった。
「おまけに人数も冒険者有志を含め、3000人しか揃えられなかったか・・・。」
カインズが苦い顔する。ジランド王国は過去二回の戦争により疲弊しきっていたのだ。
「相手はAランク以上の魔物が何十体もいる。Aランク魔物一体に騎士100人当てなければやられる。これでは数十分と持たないだろうな。」
「儂たちも覚悟せねばいかんのでしょうね。」
カインズとラインゴッド騎士団長がうーむと唸る。ラインゴッド騎士団長が閃く。
「四大竜のクレアとガイアスは・・・どうですかね?」
「あいつらがどう考え、行動するのかはあいつらに任せるさ。あわよくば戦いに出てくれれば・・・というのはあるさ。だが、これは俺たち人間が解決すべき戦いだ。首謀者がダークとなればな。」
「・・・そうですね。」
そこにセバスチャンが登場する。
「私も参戦しましょう。手練れは多いほうが良いでしょう。」
「頼む。これでマクスウェルのおっさんが生きてれば魔法無双で楽になったものだがな。」
カインズが今亡き賢者マクスウェルを思い起こした。
「マクスウェルのおっさんの弟子ダークは世界を滅ぼす一歩手前だ!!バカヤロー!!」
カインズが愚痴り、戦争の時を待つのだった・・・。
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