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コンクリートと雲  作者: 二飛リズ
3/3

コンクリートと雲

ずっとずっと歩いてきた

いくつもの壁を超えてきた


時には空が見えなくなるくらい高い壁もあった

途中まで登っては怖気づいた

「でも、それでも、超えなくちゃ」って自分に言い聞かせて超えてきた


時にはつかみどころもない壁もあった

何度もよじ登っては滑り落ちた

「誰も助けちゃくれない」って自分に言い聞かせて超えてきた


ああ、またコンクリートの壁だ

もう何度も見て見飽きた、一面の灰色

「待った会ったね」って壁につぶやいて

「悪いけど、また超えさせてもらうよ」って呟いて



ずっとずっと歩いてきた

いくつもの雨に耐えてきた


時には砂となって降ってきた

いくら振り払っても鬱陶うっとうしさは変わらない

ただただ私を嘲笑あざわらって嫌がらせみたいに


時には槍となって降ってきた

壁に傷はつかないのに、私は傷ついちゃう

「もう諦めろ」って言ってるみたいで


時には涙となって降ってきた

それはそれは冷たくて、体が勝手に震えだした

「もう無理だよ」って言ってうずくまる時もあった


ああ、また雲から雨が落ちてきた

ついさっきまで雲の一部だったのに

「ごめんね」って水たまりに向かって呟いて

雨があるからこそ今を生きていけているって気づいて

「ありがとう」って呟いた

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