第九十一話 まだまだ続く過去編
原因となった幻想神の野郎は俺が消し炭にした筈だからなぁ。なんで戻らないんだろ?
そこんところが気になるがまずセリをどうにかしないといけないので『浄化』と、唱えた。洗脳された人を元に戻すって...もう万能すぎなんじゃない?ああ、そうそう。なんで洗脳されてたかわかったと言うとね、トチ狂った様に髪掻きむしったってところもあるけど1番の理由は見覚えの無い黒い靄を出している首輪をしていたからだな。流石に首輪っていう趣味の悪い物をセリがつける訳無いし...それに黒い靄やって...そんな趣味なのかな?本当かどうか知らんけど。
『浄化』で首輪の効力を無くし、ゆっくりと、だが力を入れて首輪を取る。
パキッ
何かが砕ける音を出し、一瞬で首輪は粉になり風に乗って消えていった。
「ん...。あ、アクおはよ」
「お、おう。おはよ」
多分原因の首輪を取り数秒経つとセリが目を覚ました。まぁ気を失わせた原因は俺にあるんだどね。
「セリ。今更感半端じゃないんだけど...」
「ん?」
セリの頭は俺の腕の中にある、うん。この状態で言っていいのか?
「一番近くて一番遠い。まさにこの状態だったけど...ただいま」
俺がセリの顔をゆっくりと見て言う。ほんのり頬を染めるのも忘れずに。
セリは気になりの俺の告白に戸惑い、だが納得が言ったのかニッコリと笑い「確かに今更感半端じゃないよね」そう言いアクに裏拳を頬にクリーンヒットさせ、立ち上がった。痛いッス。
あたりを少し見て大体の予想がついたのか次は痛みで転げまわってるアクを押さえつけ、ジャンピング鳩尾アタックをくらわせた。
ちなみに鳩尾アタックとは
痛みで倒れこんでる、又は何らかの原因で気絶している相手を無理やり仰向けにしジャンプ&アタックの容量でジャンプして肘を思いっ切り鳩尾にあてる攻撃だ。ちなみに回避不可能。
「うごごごごごご...」
「たくっ...何してんだか。流石に過去だからって何して良いって訳じゃないんだと思うだけど。しかもここ家一件も建ってないじゃん、てかそれ以前にここ平野だっけ?」
しかも王城なんて内部見れれる様になってるし...。腕を組みながらそう言うセリ。どうやら怒ってらっしゃる様子。てか俺の話聞いてるのか?
そう思うが痛みで声が出ない。流石に痛すぎる。
俺が1人、痛みを耐えてるとセリが王城(過去)を指差した。
「うく...どうしたの?空を飛ぶ城でも見っけたの?」
俺が痛みをそっちのけでボケてみると俺の言ってる意味がわからなかったようで「頭大丈夫かな?」と言う顔でこっちを見てきた。その目癖になるそうです、てへ。




