第九十話 偽物との戦い(終)
指で挟んでいても仕方が無いのでまた勇者の腹を蹴って一旦距離を取る。てか今のうちにセリに協力を仰げば2体1でフルボッコに出来るんじゃね?
そう思いセリのいる場所に急降下した。マジ俺って天才ですなハッハッハ。
「セリ久しぶり〜元気してた?うんうん、それは良かったよ。でね本題がねぇぇ!?」
本題が無いのではなく途中で攻撃をくらって強制的に止められたんだ。え?誰にだって?いや、セリしかいなくね?目の前にいるのは。
ハッハッハ。流石にこの俺もびっくりしたわ。だってセリが操られてるんだぜ?そりゃあびっくりするわな...
まぁセリ自身が俺の事を忘れて攻撃してる可能性があるがあの時、攻撃した瞬間めっちゃびっくりしてからな。それは無いと思った。
「うそ...こんな筈じゃなかったのに...私は違う...違う...違ぅぐッ!?」
なんか毛が抜け落ちそうな勢いで頭を掻いていたので腹パンくらわせて気を失ってもらいましたテヘ☆
いやね、俺だって記憶戻って愛しのマイハニーに出会えた訳であっても別に嫌ってる訳じゃないんだぜ?...まぁマイハニーは嘘だが。
気を失ったセリをゆっくり横にし、目が抜けそうなくらい見開いてる勇者の方を向いた。
「この!女だから手を抜いてやったが、俺のセリに手を出されてはぁ...」
なんかセリフの途中で殴るか蹴るかされてるから結局何が言いたいのかさっぱりわからん。元凶は俺だが。
あ、んで〝俺の〟とかほざいてる勇者に風穴開けてやった。後悔はしてない。と言うかそもそもセリの過去を乗り越える(?)目的でやってる訳だから心配ナッシング。一応怖いので勇者が落ちた方向に『龍の咆哮』『龍種のブレス』の融合技を放っといた。龍化してないから威力は格段に下がったがまぁ勇者が落ちたと思われる方向には人っ子一人いない。と言うか更地だ。ほぼ平野だ。俺は悪くない。家を設計した奴らがしっかり仕事してなかったせいだ。
現実逃避はここまでにして...
「セリ〜早く起きてくれないと戻れなくなっちゃうよ〜」
そう言ってセリのほっぺをつんつん触る。え、なにこれ癖になりそう...
何故かアイツの声が聞こえないのだ。
俺の場合は最終進化前...では無いもののそれに近い状態の幻想神。まぁ俺が死んだ原因だ。俺がそれを殺す寸前でアイツ声が聞こえ試練終了となった。
だからセリの場合も何か今のセリになった原因。まぁ死んだ原因かな。
その場合は完全に幻想神な訳なんだが元はといえば俺が連れて行ったせいでこうなったとも言える。
だから俺もどきのアイツ倒せばなんとかなるって思ってたんだけどなぁ...
今更ながらサブタイとあらすじが一番苦手です、はい。それだけです。




