第七十話 密林
色々時間が過ぎ、残すところも後1日となった。
1日目は2人共終始笑顔が見られていたが徐々に先に進む事に表情が暗くなっている。
理由としては、この場所がジメジメした密林だと言う事。2人だったなら何とか助け合い、順調にレベルが上がっていたかもしれない。
もう一つは、と言うかこれが一番重要なのだが...
この階層に出てくるモンスターが全て昆虫であっただ。
最初の頃は密林などでは無く軽い洞穴かと思っていた矢先、いきなり視界が開け周りを見渡すと木々しか無かった...
勿論、アクとセリは普通の人間に比べ身体能力も順応力も高い。だがアクはともかくセリは女の子なのだ。最初は物陰から魔法を使い、攻撃していたが、ダンジョン前の階層だけあって体力は勿論の事レベルも相当高い。最低でも1000は超えてるしセリが見た中で600,000と言う頭がおかしいいレベルの昆虫がいた。
なら『即死』使えば?と思ったがセリいわく、この魔法は相手を殺す事は出来るけど経験値は入らないの。それにレベル差があり過ぎたら使えないとの事。
そんな訳あってかセリの表情は何時にも増して暗い。
俺ことアクは見た目女の子だが中身は男だ。
だが男だからといって昆虫が好きって言う訳でもないしはっきり言って苦痛だった。
うん、多分セリは魔法系だし遠距離で攻撃出来るから精神的苦痛は少ないと思うんだ。でもね、俺って大体の魔法規格外レベルだからぶっ放した瞬間に瞬殺、ってまではいかないものの結構体力削れると思うんだ...そうなったら俺とセリが別々になってやる必要が無くなるわけだから。
まぁ何が言いたいかというと『龍の鱗』って結構切れ味も良くなるんですね。
前、作ってあった剣と弓は龍化する時に壊しちゃったので使えないのでしょうが無く『龍の鱗』って硬いから相手殴り殺せるんじゃね?と思い立ったわけですよ。
やったところ相手のレベルが高いって言う理由があるが一応殴り殺せる事が発覚。戦っている最中だったが、龍人化のせいで少し鋭く尖ってしまった爪にも効果がある事が分かり切り裂ける事が分かった。
昆虫の体液ハンパじゃねぇ...
とまぁ波瀾万丈な4日間の成果が
アク
レベル:720,091
セリ
レベル:670,690
だ。時折出現する異様に経験値が貰えるモンスターに気付き一気にレベルが上がることに気が付いた2人。既に3日目では1日目と比較にならない程経験値稼ぎが向上し、昆虫マスターの2つ名を名乗って良い程まで上り詰めた。
「...お?セリセリ?聞こえてる?」
『...聞こえてるけど用は何?まだ5日経ってないけど?』
これくらいで良いだろ、後はセリと集合してのんびり進めばいいし。そう思い、ある事をすっかり忘れていた証で連絡をとった。
セリに繋ぐと数秒間ツーツー、と言う音が聞こえ少し暗い感じのセリの声が聞こえた。
「いやね、今結構レベル上がったでしょ?」
『まぁ、頑張ったからね』
少しだけだが自慢しているように感じた。
「もうここまでいったらキリの良い所で集合場所に戻らない?レベル上げなら2人でちまちま上げながら進もうかな?って思ってさ」
少しの間セリは考え
『わかった。戻るね』
「オッケー、んじゃ俺m...私も戻るから」
そう伝え通信を切る。正直昆虫の体液は見慣れたけどなんかこう、胸に来るものがあるからちょっと人肌が恋しくなってしまったぜ...ま、セリも同意した事だしさっさと戻るかな。
ちなみに自分の事を「俺」って変えたらセリに「中身が男なのはわかったけどその見た目で〝俺〟は変だと思うよ」と言われ元に戻すようにしてる。正直慣れない。と言うか男歴が長い?まぁ長かったから結構戻すのがしんどいのです。




