第六十六話 みみみm
肉の塊通称ミートボールと戯れること数時間。流石にここまで来ると体力の限界が近いので休憩をとる。相変わらずミートさんは跳ねてらっしゃる。それで良いのかよ...ボスさんよぉ。
「のぅ、セリさんや」
「何ですかアクさん」
ボス部屋の済に移動しティータイムと洒落こむ。赤く血に濡れた肉団子を見ながら飲み紅茶は血の味がする。てかこれ子供が見たら発狂もんだと思う。
「ばあs...すんません、マジすんません」
あぶねぇ...ノリで婆さんと呼ぼうとしたら鬼も逃げ出す形相で睨まれたぜ...ち、チビって無いかいからな!?
必死に宥めてやっと気が収まったセリちゃん、ふぅと溜息をつくなり、で、何言おうとしたの?と言った。
「えーとね。あ、そうそう確かアイツ倒さないと進めないんで倒してきちゃっていいッスか?って聞こうとしたんだよね」
「別に良いけどさ...倒せるなら何で言わなかったの?さっきまでの時間無駄だったじゃん」
そうですよね...と言うか倒せるかも?って気付いたのはあれをポンポン弾ませて遊んでた時だし《条件を満たしたので〝龍化〟が使えるようになります》っていきなり言われたんだぜ?てかずっと攻撃を当ててたの俺だからね?君、結構最初の頃に抜けてずっとゴロゴロしてたでは無いですかー、とは言わず「まぁ気にしないキニシナイ」と答え、大人な態度を見せた。実年齢はあんまり差はないと思うけどさ。
「んじゃまぁ、セリは離れててね?汚くなるからさ」
動かないと思うがセリにそう言いまだポイーンポイーンやってるミートの近くに寄った。
『龍化』
そう口に出しその言葉を言った。
恐らく字的に俺が龍になってしまう感じだと思う。と言うかそれ以外無いし...
『龍化』その言葉に反応し、アクの周りに少し赤い熱を帯びた魔力が回転しながらアクを包み込む。その光景はさながら小さい台風を思わせる印象があった。
その回転は止む事を知らず、どんどん大きくなりやがて肉ボールをも飲み込む程に強くなった。
『へ、へ、ヘクション!!!チクショウ...』
先程の一輪の花を思い浮かべさせるような少女が決して出さないくしゃみをして、その台風並みの風は止んだ。
まぁわかってると思うがくしゃみしたのはアクであってセリではない。
セリは呪縛から開放された反動か何かで少し頭がアレ、になってしなったが一応少女、元王女としての礼儀は最低限忘れずに身に付いている。
やったね、礼儀作法チートで俺tueeeでき...ません。と言うか一般常識です。まぁアクの中身は男ですからね。
盛大なくしゃみで登場したのが、龍人ことアク。現在進行形で龍になingしてますね、はい。背丈は獄炎龍と同じで...と言うか少し刺々しさが加わった以外は何も変わらないドラゴンさんです。
全長26m高さは東京タワー並。大きい確か333mだったっけ?まぁその位ある。ちなみに2足で立っている。
2本の太くてたくましい足、大木かと見間違える程の太さに腕に鋼鉄なんて豆腐並だぜ!と言わんばかりの鋭い爪、見るもの圧倒するその顔に恐怖感とは全然違う感情を抱かせる凛々しいドラゴンの中のドラゴン!の顔、これでお前に心を包んでやんよ...と言われればついて行くかもしれないどデカい翼。
これを紅茶を飲みながらセリは
(頭当たるよね...絶対)
と思っていた。




