第四十六話 〜階層目。結局どこかわからない
音が聞こえる方に進み、戦ってる人達の姿が見えるようになった。
「...え?何でここに?」
呆気にとられた様子のアク、何故かと言うと今、目の前で戦っていたのは朝...と言うか初日の食事時以外見ていなかった勇者とリュカだったからだ。
バレないように姿勢を低くしながらデッカイ岩に隠れ、勇者と豪華な武器を持っているゴブリンの戦いを見てみる。この階層のゴブリンは鎧着てるんだな、と思いながら息を潜めながら思った。
見る限りゴブリンの体力は残り僅かってとこで、勇者はリュカの微回復で受けたダメージをすぐさま回復してもらっている。あと2、3で終わるだろう。
勇者が今手に持っている剣を右手で持ち肩に置く、一方ゴブリンも負けじと剣を鞘に納め腰を落とす。この1回で決着をつけようとしているみたいだ。
最初に動き出したのが勇者だ。ゴブリンめがけ思いっきり飛び体を捻らせ叩き込もうとしている。だがゴブリンも負けじとさっきよりも一層低く腰を落とし勇者が来るのを待つ。
キンッ!
ゴブリンと勇者の剣先が交じり合い甲高い音を立てどちらかの剣先がくるくると飛んでいき少し離れた地面に刺さる。
ゴブリンの背後に着地した勇者は振り向き1つの欠けもない剣を相手に向ける。
その場から動かなかったゴブリンはいきなり胸のあたりから血が吹き出し折れた剣と共に倒れていく。最後に勇者の方に向け「俺を倒したんだから...最後まで行ってくれよ...」と言わんばかりに親指を立てた。
それを見た勇者は「ふっ、当たり前だろ...仇は俺がとってやるから...」とアイコンタクト?をとったように見えた。違うと思うが...
勇者はリュカに「お疲れ。助かったよ」と声を掛け何故かアクが隠れてる岩を向き「そこに隠れてる奴。何のようだ」と鋭い声で言った。あれ?バレてるね。
「わ、私だよ!私!アク!そこまで面識はないけど...」
慌てて物陰から出て説明する。スキルで消し飛ばしてあげてもいいが別に勇者は何もしてない、と言うか使ったらダンジョンごと壊れるし...
その説明を聞き「あ!食堂の時声掛けたね!」と言った。ごめん、それ俺聞いてないわ...と流石に言えず「そ、そう!」と応えた。
「もうこの階層まで来てたんだ...結構急いでた筈なんだけどね...」
と言い「ん?そういえばアクちゃんってここまで一人で来たの?」
「いや...セリと来たけど」
「え?ちょ!?マジ!?案内してくれない?」とくねくねしながら聞いてきた。あれ?こんなキャラだったっけ?と思いつつやんわりと断る。
「ごめん、無理だね。別に私一人だけ独り占めしようって訳じゃ無いんだけどね。えっと...勇者みたいな下半身に忠実な犬みたいな奴は入れないって言うか入れさせないって言うか...もし入ろうとしたなら全力で殺しにいくからね?」
あ、リュカは例外だよ。と付け足し来た道に戻る。結局ここがどこの階層かわからなかったけど...まぁセリと一緒にいた方がいいよね、多分。
そう自分を納得させ放心中の勇者をバックに俺は歩き出す。目指すは我が拠点TENNTOだ。
アク「勇者登場だぜぇ〜!!!wwwww」
勇者「だぜぇ〜!あと俺の名前『勇者』じゃねぇからwwww」
アク.勇者「(゜∀。)ウェーイwwwキェェェェェwww」




