第三十四話 お風呂(倍速)
ジャガルディさんと和気藹藹とまではいかないもののそれなりに楽しく食事をしていると前から勇者がこっちに向かってくる。しかもリュカちゃんも一緒だ。
「ねえ、なんか勇者がこっちに向かって来てるような気がするんだけど...気のせい?」
「気のせいだと思いたい...」
「ふむ、こっちに来てるな」
上から順にアク、セリ、ジャガさんだ。
てか何故こっちに向かってきてるんだろ?やっぱあれかな?セリが美人すぎて日本人には刺激が強すぎたのかな?いや、そしたら逆に向こうが避けてくるか...
そう一人で考えてた時勇者が意外な事を言った。え?ジャガさんは?って?あれは色々とヤバイから...
「あ!こんなとこで会うなんて奇遇だね!」
と言った...いや、奇遇じゃないから!お前らこっちに向かって来てたよね!?と言いたいがここは我慢だ。何事も我慢が大事だよな!?と自問自答を繰り返しているとセリが「いや、奇遇じゃないから...お前らがこっちに来てたんだろ...」と言った。てか口悪いな!
セリの発言が耳に入っていたのか勇者が突然笑い出した。
「ハハハ...いやいや、ごめんごめん。ちょっと学年1位のクリセリアさんと喋ってみたいと思ってさ」
「...キモ」
今度のは聞き取れなかったのかフフッと笑って「ここの席一緒に座っていいかな?」と聞いた。それに対しジャガさんが「ど、どうぞ!」と少し緊張気味に応えた。俺ジャガさんのキャラが掴めない...なに?ジャガさんって勇者にずっと前から憧れてた人だったの!?
「じ、実は私勇者様にずっと前から会いたいと思っていて...それでもし会えたなら魔王討伐に加わりたいと思っていてそれで少しでも役に立ちたいと思っていてずっと体を鍛えていて...あ~!もう何言ってるんだろ私!もうバカバカバカ~!」
そう言ってジャガさんは頭を叩きながら去っていった...と言うか頭叩くときめちゃ『ゴス!ドガ!』とか鳴ってたけど頭大丈夫なのかな?
ホントにジャガさんのキャラが掴めないんですけど...
勇者の話を聞き流しご飯を食べ終えたセリと一緒に食堂を出る。
「何だったんだろうね〜?全然内容がわからなかったんだけど...」
そう俺が言うとセリが「聞いてなかったんだ...」と言った。はい、すいません。
「確か...『魔王討伐の為学年一位の手を借りたい』とかだった気がする...」
「へぇーそうなんだね。全然聞いてなかったから覚えてないや」
「そりゃ聞いてなかったら覚えられないね」とセリが笑いながら言った。なんかその笑顔が怖い...
「で、セリはそれにOKしたの?」
「...一応アクも聞かれてたと思うけど...いや、了承はしてないよ、と言うか卒業まであと3年もあるのに今からって...バカじゃないの?」
「なんか今日やけに口悪いね...まぁ善は急げとか言うじゃん?それじゃないかな?流石に3年前からは早すぎだと思うけど...」
「そだよね〜」とお互いに言い合ってると俺達の部屋の前につきドアを開けた。もちろん誰もいない。
「やっと明日から授業始まりだね〜ま、食堂は空いてたんだけど...」
「少しでも早く慣れてもらおう的な思いだと私は思う。と言うか早く寝よ...流石にもう無理...」
今すぐにでも寝そうなセリを連れて入り口そばの風呂場に直行。流石にシャワーだけでも浴びような?
セリの衣服をテキパキと脱がせついでに俺も脱ぐ。ちなみに女になったせいか興奮してない。なんかも元だが男として情けない気が...そういう邪念(笑)を捨て風呂場に入る。何故か湯船があるが突っ込まないであげよう。
無事体を綺麗にし終わり布団を敷く。(流石に風呂場では目は覚めていたが...)服や、タオルなどを忘れた為自分で作成。当たり更のないどこにでもありそうな寝間着をセリに着させいざ就寝。勿論俺も同じのを着ている。あとセリちゃん?お前のスキルは睡眠時間を自分の力に出来るだけだから君が眠たくなるのは関係無いよね?いや、まぁ言ってなかったからいいけどさ。それって体質だったんだね...
その後アクとセリは朝までぐっすりと寝ていたがリュカは帰ってこなかった...
アク「ねぇ気になる事があるんだけどさ...」
セリ「...何?」
アク「いや...私服のままでいいのかな?っと思ってさ」
セリ「確か制服が支給されるみたいだけど...今無いね」
アク「へーそうなん?てかほんとにまだ来てないもんね。朝サンタみたいに枕元においてたりしてw」
セリ「...さんたってなに?」




