第124話 再会
「大体相手があの姿になってる事に疑問を持つべきだよ。普通に考えてこのまんま攻撃したらここら一体消し飛ぶ程の爆発が起こる可能性だってあるんだよ？それと同時に爆発しない可能性だってあるわけなんだけどここは待つべきだと思うなー」
「でもそれでもさー」
「うんうん、セリもそう思うよね？やっぱり危険を犯してでも手に入れたい物って結局壊れるのが普通なんだよねーだからここは落ち着いて行動するに一票だね。しかも相手は完全にヤバイですよーって言ってる感じがバシバシ感じるわけだから...っていない！？」
え！？マジでいないんですけど！？もしかして...。
もしかして、アクは直感を信じて幻想神の方を見る。まぁセリがいる訳なんですよね...マジかよ！？
アクがセリを止めようと足に力を入れようとした瞬間...。
「話が長いんじゃー！！！私にも話させろコノヤロー！！！」
「すんませんでしたー！」
どうやら俺のせいだったようです。てか叫びながら幻想神を攻撃すんの止めてくんない？まぁ今思い出そたんだけど魔術で無効化すればいい話だったんだけどね？
って事でイメージ...は耳栓でいっか。別にそこまで考える事ではないし。
アクとセリを包み込むように黒色の靄がかかった瞬間膨らみまくった幻想神はセリを吹き飛ばすように破裂した。デスヨネー。
吹き飛ばされたせりをキャッチし破裂した幻想神の方を見る。ナイスキャッチ！
「クックックックッキッキ...ゲッホゲッホ。ん゛ん゛私の名前は...ふむ、まぁ〝神〟でいいか」
破裂した方を見てみると中から顔が無い女が出てきた。ほぁ！？
しかも咽てるし...喋れてるみたいだから口はあるのかな？アクがそう考えていると〝神〟と名乗った女がこちらの方を向き...あ、ヤベ。
「セリごめん！！」
「...え？」
危機を感じたアクはセリに一言いい、遠くに投げ飛ばした。直後顔が無い女がアクの後ろに現れ...腕に噛み付いた。
「貴様か...貴様が最後の勇者か...」
肩から先を奪った女はアクをジッと見ていた。
腕に噛み付いた瞬間、セリがアクの腕に噛み付いた女を殴ったものの効果は無く、アクが元から〝腕が無い〟とイメージするまで離さなかった。いや、寧ろどんどんと顔の方に近づいていっていた。急展開ですね...。
「アク大丈夫！？痛くない！？」
「...ん。大丈夫かな？痛みはないから死にはしないと思うけど...回復できないのが痛いかな...」
「それなら私が...」
魔術で、魔法で治療しても腕は生えてこなかった。まぁ普通に考えて消したものを戻すってのは不可能だよね...消したアクの責任でもあるけど一番は顔無し女だな。正直勝てる見込み無いぜ？あれ。
「恐らく狙いは俺だね...って事でここでセリとサヨナラだね」
「それなら私も戦う！一人より二人の方がいいでしょ！？」
そう言って一歩前に出たセリの腕を掴み力ずくで投げ飛ばす。ごめんね。
「どちらかと言うと最初に〝死ぬなら〟がつくと思うんだよな...ま、俺一人だったらやりようもあるからセリは家にでも帰っててよ。そしたらまた俺がセリを探して向かいに行くからさ」
「待ってよ！アク！」
全力で投げられたセリには抵抗すること無く地面に激突した。ぶつかった痛みよりも一緒に戦えなかった自分の力の無さを恨んだ。セリの頭上にはアクと女が戦っているのが見える。またあの時のようになるの...。
「それは...いやだな...」
少し涙を浮かばせて上を見上げてるセリの背を押すように...首にかかったアクセサリーが光った。
急展開→{[ ゛ヘ(^▽^)]} おいでおいで
