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クオリア  作者: 管澤捻
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組織犯罪対策部組織犯罪対策治安維持強行課

 西暦二二〇〇年。人類は荒廃の一途をたどっていた。人口は全盛期の百分の一にまで減少。物資の流通は滞り、慢性的な食糧不足に苛まれていた。

 人類の歴史とは、科学技術の発展の歴史でもある。最先端の技術を駆使した製品やサービスはその時代の豊かさを支え、そしてさらなる豊かさを求め、人類は新しい技術を生み出してきた。しかし、高度な技術を維持するためには、潤沢な資源を、常に必要としてきた。それはエネルギーや資材、そして人材だ。この時代には、どの資源も絶望的なまでに不足していた。技術レベルは急速に後退。企業の多くが潰れ、人々は職を失うこととなった。

 貧困は人を内部から蝕む。窃盗や強盗、暴漢や殺人が多発し、治安は急速に悪化した。人々はせめてもの自衛手段として、極力外出は控えるようになり、これが経済循環を滞らせ、貧困を加速させた。この負のスパイラルを抜け出すために、誰もが早急な治安回復を望むも、既に日本の政治体制は崩壊しており、まともに機能していなかった。国に頼らない独自の統治機構を必要としていた。

 その革命に乗り出したのは警視庁だった。警視庁は自ら指揮を取り、各都道府県警察と連携。機能していない議会の解体を行うと、新しい政治体制の構築を行い、保守的な国法と代わる、強制力の強い都道府県法を定めた。この都道府県法は各都道府県によって細かい条例は異なるが、共通して、警察組織には強大な権力が与えられた。

 そして西暦二二〇二年。警視庁は年々増加する凶悪犯罪に対抗するために、各都道府県警察に、強力な自衛組織の設置を命じた。

 治安継続維持を脅かす直接的及び間接的な障害に対し、あらゆる手段を用いて事態を迅速に収束させる自衛組織――組織犯罪対策部組織犯罪対策治安維持強行課。

 事件解決の手段として『殺人』を積極的に利用する警察官が誕生した。


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