草創期 《魔界商人3》
※今回はグロイ表現が出ます。ぶっちゃけホラー要素満載です。これ書くために、ホラー小説呼んだよ…泣きたい…最後にパンドラの箱で言う<希望>を入れておいたよ
私はまず、人望を集めることにいそしんだ。優秀なアビス…優しいアビス…おしとやかなアビス…私の周りには大勢の魔女が集まった。私は良い魔女の役を演じきった。
そして
すぐに彼女らを殺した…
ドウヤッテ?
それは魔女狩りだよ
私は秘密裏に時の教皇と手を結び、魔女狩りを始めたんだよ。私は魔女たちの居場所を教える代わりに…
けど、ただ殺すのじゃぁ、足りない。
相手の教会勢力も力のある存在だ。
私は力が無き者のための世界を
なら戦争を始めようじゃないか
このクソッたれな世界を壊そうじゃないか
みんな死んでしまえ死んでしまえ
そして私は<魔女の宴>を結成した。
一度に親族を無くした私をみんな同情したよ。みんな私の駒として戦争してくれる。
それにしても父を、母を、祖母を…その他大勢の魔女を殺したのは気持ちが良かった…レムリアを否定した奴を浄化したんだ。
レムリア…ああ、愛しいレムリア…待ってね…迎えに行くから…
そして、魔女狩りが佳境に入った時…私に一つの連絡が入った
それは、私の取り巻き…レムリアをイジメたメンバーの最後の生き残りだ。私は彼女を嵌めて、死んでもらおうと思っていたのだが…
何故生きてるの?
とは、聞かない
「どうした?なぜ、戻ってきた」
そのメス豚は
「大変です!アビス様!レムリアが!レムリアが!魔女狩りに!捕まったの!アタシの代わりに!助けてあげて!お願い!」
どうやら彼女は慌てているようだ
そして、私はメス豚の首を絞め、
殺した
「なんで、あなたが生きてるの?」
私は禁術の一つ、死霊魔法を使い、案内させる
そして、私の眼の前にはレムリアの魂が封じられた墓がある
私は知っている
何故なら、私が教えたのだ…教会に
ああ、かわいそうなレムリア…痛かったでしょう…目玉を抉られ、のどを切り裂かれ、指を切り落とされ、男たちに犯され、足の腱を切られ、首を落とされ、魂は縛り付けられる
私はなんて愚かなんだろう…レムリアのために行ったことが…レムリアを殺すなんて…皮肉ね…ごめんね…レムリア…ゴメン…私は、あなたの姉失格よ
周囲には武器を持った街の人々が囲む
あなた達がレムリアを殺したのね…ぶっ殺してあげる…力が無き者でもぶっ殺したあげる
私はこの町に呪いをかけた…
この町の人間は町から出られない…この町の人間は死ねない…この町の人間はよそ者から認識されない…狂うことは許さない…一生かけて償え
終焉の世界
私は本部に戻り、先程のメス豚が持っていたカバンに目が止まる
アレは…私が誕生日にあげたカバンだ…
カバンを開けると中に一枚の絵があった…私の肖像画…肖像画にはところどころ、涙の跡があり、色が変色したり、輪郭がぼやけてたりしていた。
私は禁術の一種である時間魔法を使って、絵の記憶をさかのぼってレムリアの旅の足跡を眺める
レムリアはいつも笑っていた…人々の前は
そして、一人の時は、いつも泣いていた…私の絵を抱きしめて、私の名前を呟いて
私は彼女のカバンに入っていた手紙を広げる
拝啓 お姉ちゃんへ…
この手紙を読んでる時は、多分私は死んでいるだろうね。私は、旅をしてきました。大勢の人々の優しさに触れて…
お姉ちゃん、私は家を出たことに後悔はありません。何故なら、私は気づいたのです。出来損ないの私はお姉ちゃんの足手まといになる。お姉ちゃんはもっと素晴らしくなれるけど、私が傍にいるから自由に輝けないのだと…だったら私が消えればいいんだ。周りもそんなことを言ってたし、正しいんだろう。だって、私がお姉ちゃんと会わないとき、私はいつも遠くから見てたけど、お姉ちゃん輝いていたんだもん。
だから、お姉ちゃんの眼の前から消えたことに私は達成感と喜びを感じたの…それでも寂しさはぬぐえなかった。だから壁に飾ってあったお姉ちゃんの絵を勝手に盗んだけどごめんね
最後にお姉ちゃんへ、みんなは悪くないから恨まないでね。悪いのは力が無い私なのだから…お姉ちゃんへ、愛してます。離れてても、会えなくても、ずっとずっと愛してます。だからお姉ちゃんは自由にしていいんだよ
…レムリアより
私は泣いた…彼女の本心を知って…お互い愛してるのに…なんでこうもスレ違うのか、噛み合わないのか。私は唯、レムリアに見てほしかっただけなのに!レムリアさえいれば、こんな力!地位!名声!なんていらない!レムリアと二人っきりでささやかに暮らしたかっただけなのに…
だから、私は禁忌を犯した…
レムリアをよみがえらせるために
私は封印を壊した…棺を開けると無残な姿のレムリアの肉体と真っ白で綺麗な魂があった。
肉体はすぐに持ち帰り、魂は私の胎に安置させた
ゆっくり休みなさい…レムリア…
それから、私はレムリアの肉体を再生させるべく、時間魔法を駆使したが、やっぱり再生は出来ないため、仕方がなく肉体の時間を止める
別の方法を探さなければ…
まずは時間が必要だ
私は教会と取引して魔女狩りを終わらせた
私は地下書庫にあったあらゆる禁書を開く
そしてとある本を見つける
<屍食教典儀>
その中には魔女の死体の活用法が書いてあった
私はレムリアの肉体にかけていた魔法を解き、レムリアの肉体で、肉人形を作ってみた。
そして、肉体の時間を止め、試しに、先程召喚したメス豚に憑依させて動かすが…失敗する
本には肉体と魂を結び付けるには精神が必要だと書かれている
私は更なる実験を繰り返すために、各地に封印された魔女の死体を回収する。
魔女の死体を全て肉人形に作り替え、ついでに回収した魂の定着を試みるが失敗する
ただの魂だけでは定着しない…むしろ、死霊、地縛霊の方が成功率が高い…奴らには精神がこびりついているのか…レムリアや殺された魔女の精神は失われている…
ひとまず、私は魔女の死体を三つに分割した…魂、肉体、魔力の三つだ
魔力は全て原素石として抽出し、肉体は肉人形として召喚魔らに寄生させて働かせる。魂は…ひとまず、特殊な魔道具で保管。
私は研究に没頭したが何も成果が出なかった。
そして、魔女の墓を荒らすことを決意する
魔女は殺されない限り、死ぬことはない。だが、魂が壊れた魔女は地下牢で封印されるのだ。
私は各地を巡り、封印された魔女のなれ果てを回収した。全てをだ。
彼女らはなんと私が欲しがっていた精神を宿していたんだ。私は早速、彼女らを四つに分解する。得た精神を肉人形に括り付け、魂を入れたら定着した。
これで喜んだのもつかの間…魂が拒絶反応を起こしたのだ。
復活した試験体は、全身血を出して死んだ…魂が砕け、肉体は無残になり、精神は焼き切れていた。
私は彼女の肉体と魂をそのまま使うことを諦めた。
そして、私はこの本の奥義を使うことにした。
<転生の術>である
彼女には新たな人生を送ってもらおう
こんな醜い私のためでなく…
私は自分の腹を切り裂き、食道と胃を繋げている部分を切り落とし、食道を無理矢理、子宮につなげた。
その後、魔法で傷を塞ぎ・・・
これで準備は出来た
私は…
レムリアを食べた…
肉も…骨も…皮も…髪も…爪も…全てを食べた。
私の胎内で彼女の肉体と魂が合わさる
私は視線を横に向けると、淡い光を帯びる青っぽいものが見えた。
魔女たちの精神…
私は迷わずに飲み干した
ああ…生まれるのが楽しみだ
一年後、女の子が生まれた…育ててみたがレムリアの生まれ変わりではないようだ…何故なら、彼女の胎内にレムリアの魂が安置されているからだ
フフフ、お寝坊さんね…まだ眠りたいのね。いいわ、寝なさい。あなたが起きるまで待ってあげるから…
あれから長い時が経った。
食事が取れなくなった私は肉体がどんどん衰弱し、肉体の崩壊が始まったが、すぐに元の肉体を肉人形に作り替え、欠損したら別の肉人形をバラし、くっつける。魔女には寿命がある。それは魂の時間だ。
魂が崩壊する前に、保管した魂と入れ替えれば私はまだ生きることが出来る。
今の私には元の物がない…肉体も…魂も…そして精神も…
何年時が過ぎたのだろう。毎日、私の墓の周りに、魔女の死体か、なれの果てが運び込まれる。
肉体のスペアが…魂のスペアが…精神のスペアが運び込まれる
ワタシハマダイキテイル…れむりあヲマツコトガデキル
「そして、あなたに会うことが出来たんだ…待ったよ…愛しい愛しいレムリア…今度こそは離さない…二人で静かにくらそう」
アビスは光を失い、ドロドロに濁った瞳を向ける
セイラムこと私は動けなくなり、何も抵抗できず抱かれる
「そうだ…レムリア…君は力が無いから私の横に立つことが出来なかったんだよな?力をあげるよ」
私は抵抗が出来ない…震えが止まらない…
そして…
そのまま…
授業が始まった
こうして落ちこぼれ魔女であるセイラムと魔女たちの母と呼ばれたアビスとの奇妙な生活が始まった
今日は怒涛の更新疲れた…皆さんおやすみなさい