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草創期 《魔界商人5》

遅れてすまない…リアルがものスンゴイ忙しすぎて…魔界商人…ここで完結かな(笑)…嘘嘘!アーカム君とセイラム姉さんはまだ出るよ!


次はヤゲロー王国の出番です。何処かって?ポーランドです!

私は、多くの魔女の夢を渡り歩き、一人の魔女の少女に出会う。



彼女の名前は私と同じセイラムといい、とても好奇心旺盛で活発な女の子である。


初めて出会った時、彼女はとても驚いていたが、だんだん会ううちに親しくなり、私はこの女の子に決めたのだ




寄り代を…



私は、彼女に多くの知識を与えた。アビスから教わった知識全てを…


とても長い時間を費やしたが、彼女は全てを身につけた。だが、私を助けるにはまだ力が足りない…


次に私はアビスの地下牢に案内した。あのおぞましい儀式の後…あの部屋はそのままにしてあるのだ。



そこで、私は新たに習得した魔法…白昼夢を活用して、寝てる時間以外でも彼女と会えるようになった。そこで、彼女に学ばせたのは…




所謂…禁術というものである。



全てがおぞましく、生命を冒涜してる書物ばかりだったが…彼女は何度も発狂しながらも私は学ばせた。




そして、ついに、彼女を使って私は解き放たれた…



彼女は身につけた禁術を活用して魔女の宴(サバト)の機能を半壊させ、他の魔女が混乱してる間に最深部に突入…奥に安置されている私の魂を抜き取り、自らの体に取り込み、脱出する予定だったのだが…



その時、想定外の事が起こる。




禁術が暴走し始めたのだ…




しかも、それは、総本部に封印されていた禁術の暴走を誘発し、総本部の機能を完全に壊滅させてしまったのだ。




私は仕方がなく、彼女の体を乗っ取り、全ての禁術を一つの壺に封印したのだ。





私の魂を鍵として…




その壺の名は壺中の天(パンドラ)





彼女の肉体ごと閉じ込めた





そして、すぐに解放された…お姉さま方によって…




だが、お姉様たちは知らないだろう…壺中の天(パンドラ)の中の時間と現実世界の時間は大きくずれていることに…



お姉さま方は解放された彼女を倒すべく闘ったが、禁術の魅力にとりつかれ壺中の天(パンドラ)でさらに多くの禁術を身に着けた彼女には手も足も出なく敗北…


それだけでなく、脆弱にはなっているが、私の意思がかすかに残っていることに気づき、手を抜いた事も敗因の一つだろう




その後…彼女は魔女の宴(サバト)から抜け出し…旅をする…




レムリアのように…




だが、その旅には






優しさなどまったくない





あるのは…






絶望のみだ






そして、運命が動く




少年を拾った…セラエノが送った刺客によって爆破された列車の唯一の生き残りのアーカムを…気まぐれで







セイラムは目を覚ます…



「ずいぶんと懐かしい夢だ…」



外を見ると外はまだ暗い…ここは…




「ああ、なるほど…イシュトヴァーンの西地区(ブタ)か…」



そう、ここは商工ギルドが用意した一室…




「ククク…(セイラム)、まだ(セイラム)に抗おうとするか…夢では私に勝てるとでも?お前は所詮…その程度だ。夢の中でも同じ歴史を繰り返すだけだ…いや?私が見せてるのか?だが、それでもお前は 私には勝てない…いくら夢でセラエノやルルイエに助けを求めようとも彼女らでは私には勝てんよ…フフフ」

セイラムは空中をジーと見つめながらぶつぶつ言葉を発する



「ん?復讐?何のことだ?私は別にお前を恨んでるわけはないぞ…むしろ感謝してるぞ?お前が…お前らが…私…<魔界商人>を生んでくれたからな…アビスとレムリアから始まるこの物語は私まで続いてる…感謝するぞ!私を壊してくれて!」

セイラムは嗤う



「ん?助けが来たようだ…ククク」


セイラムはとなりでスヤスヤと寝ているアーカムのさらさらとした頭をなでる


アーカムはくすぐったそうに笑う



「行ってくるよ。アーカム…すぐ戻る」



窓を開け、外に飛び出すと、そこには大勢の魔女がいた



「おやおや、暗闇からサクッとやるのではなくて、私の目の前に堂々と姿を現すとはずいぶん自信があるのね?」

セイラムは馬鹿にしたようにいう





魔女たちは静かに襲いかかる…







「…」

セイラムは魔導書を読んでいた



「そろそろ頃合いか…」

本から目離すと



そこには、先程の魔女たちが倒れていた



全身陽炎のような蕾を咲かせながら…






「ぁあ…ッァ」

一人の魔女が呻く



「へぇ…まだ正気を保てるんだ…この花は凄いでしょう?全身に物凄い快感が襲ってくるはずだよ?私は何度もこれで壊されてるからね」

セイラムは口を空けて舌を出す


そこには小さい可愛らしい花を沢山生やした蔦がびっしり張り巡らされていた。



「クッ!この狂人が…セイラム様を返せッ!」

魔女は最後の力を振り絞り…



「ぁあ!」

暴力的に襲いかかる快感に打ちのめされる



「気持ちいいでしょう?これは絶頂の1000万倍の快感を得られるんだよ!私は四六時中感じてるけどね!」



魔女の全身の蕾が花開く…花の中心には親指より少し小さい原素石(オーブ)が生えていた。



「フフフ、みんなビックリするだろうな~魔物以外から原素石(オーブ)を作ることが出来ると知ったら




他の魔女達の蕾も一斉に花開く




「ハハハハ!安心してみんな!みんなは美しく生まれ変わるんだ!私が作る作品…魔導具として!大丈夫!すばらしいご主人様に会えるんだ!ハハハハ!」

セイラムは狂ったように笑い



手を叩く


地中から赤黒い光が道溢れ…大きな扉が出てくる



地獄門(ゲート・オブ・ヘル)へようこそ…私の工房にようこそ…みんな愛してあげる!ハハハハ!」

セイラムは悲鳴をあげる魔女達を一人ずつ扉に放り込む




それをアーカムは冷めた目で見ていた


「ねぇ…行った通りでしょ…彼女は危険だわ…早く…早く…逃げましょう」

何者が囁く



アーカムは囁く何者かの言葉を無視する








「ここは…」

先程の魔女の一人で唯一花の快感に打ち勝っていた魔女が目を覚ます



周囲にはおびただしい数の拷問器具が並べてあった



「ここは私の工房…さしずめ私は<魔界商人>というよりは<魔界職人>とでも言うべきかしら♪」



「ウッ…」

口から胃にあるものどころか…腸にあるものでさえ吐き出しそうになるが耐える



そこには…魔女の体を少しずつ溶かしているセイラムがいた…



「あっ、これ?これはねぇ…型に流し込むために体を溶かさないといけないんだ…ちなみにすっごい気持ちいいよ♪」

無邪気に話すセイラム





周囲には呪いに満ち、怨恨に満ちた魂がひしめき合っている


「彼女らは呪具の材料にする予定…君は安心して、まず君は愛してあげる…愛して愛して愛して壊してあげる!」




おわかりだろう…彼女が販売する魔導具は元は全て魔女達なのである…





この魔女は耐えた…あらゆる拷問に耐え…耐えきった




「…君名前は?…よく私の愛を受け入れたね…君はもう自由だよ♪」

セイラムが突如、慈愛に満ちた笑みを浮かべる




「…なん…だと…」

魔女は息を荒げながら問う




生き残りは彼女一人だけである




他の魔女は…あるものは体を溶かされながらも生き…あるものは体をバラバラに細かく解体されながらも生き…あるものは全身あらゆる植物を埋め込まれても生き…そして…例外なく、全員魔導具にされた…



魔力は原素石(オーブ)にされ、肉体はあらゆる素材と混ぜ合わさり無機物と化し、魂は魔導具の核とされ、残された精神は汚され、呪いと変貌した。



「だーかーらー、名前は?名前を聞いてんのよ!あなたはもう自由だよ♪これ以上やったら私が求める魔導具にならないんだもん」

セイラムは悔しがりながら言う



「…えっ…何で…どうして…」

魔女は呆然とする


さすがにセイラムもイライラする

「だッから!あなたッ…」



何故かキスされる…固まるセイラム…別に女性からのキスは驚くことではない…先程まで、目の前の魔女とレズってたから…



「私の名前はミスカ…ミスカトニック!私を捨てないで!お願い!魔導具にも奴隷にとなるから!」

ぶっ飛んだことを言い出す魔女



「へっ?逃げたいんじゃないの?普通…魔導具になりたい奴いる?」

首を傾げるセイラム




「お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします…」

壊れたように頭を下げるミスカ…



「うーん…股を開きなさい!」

完全にアウトなことを言い出すセイラム


ミスカは羞恥に顔を赤めながらなゆっくり足を開く




セイラムの手には羽ペンが握られていた…先は何もインクがついてない



「今から隷従刻印を彫らせてもらおう。所謂刺青みたいなものだ安心しろ…」

ため息をつきながら言う




ミスカは顔を真っ赤にしても眼は期待に満ちた目をしている



(このまま魔導具にしたら、絶対変な…愛属性の魔導具が出来る…愛属性の魔導具だけは絶対にダメだ…あれはヤバい…ヤンデレとメンヘラが融合したのか、カオスの魔導具…)

セイラムは全身汗をだらだらと流しながら…



(愛属性の魔導具はアビス=イステだけで十分だ…そうだ!こいつは…この変態はアーカムに任せよう…)



いくぞ…



突如…セイラムの体が拘束される


「しまった…」


解呪を試みるが…



「ダメですよー♪ウムッ」



キスされる…彼女は私の口を吸い、私の舌を犬歯で


ザクッ



と貫き、



自分の舌と絡める



「ぷはぁー…これでご主人様とは一生傍にいれます」



「おっ…お前…血盟契約の儀式を…男ではなく…女に…」

セイラムは顔を真っ赤ににして口をパクパクさせる…



「~!」


セイラムは羽ペンでミスカの肉体…下半身の女性器におもいっきり刻み込んでやった…インクは自分の血を…痛くするために、一番複雑な奴を選んだ。



結論から言おう…変態は強い…痛みつけるはずが…喜びやがった





翌朝…




「ねぇ、セイラム…この人誰?」

アーカム少年が常識のある質問をする




目の前には…セイラムの腕に頬擦りしてる変態…もとい、ミスカがいた


「この人魔女だよね…そのままにしていいの?」


やッぱりアーカム少年はいい人であった



「安心しろ…こいつには一生涯かけても解呪不可能な隷従刻印を彫ったし…」

セイラムの言葉を遮って



「私とセイラム様は結婚しました!」

ぶっ飛んだことを言い出すミスカ



「へっ?」

おお、いいリアクションだ!




「違うぞ…こいつに無理矢理血盟契約を結ばされたんだ…」


「それは…」




「私が説明するわ…血盟契約は血を介した魂と魂を結びつける儀式の一つなの。これがあればどんなに離れていても相手を感じることが出来るの!解呪は相手が死ぬが自分が死なない限り無理だね♪」

ミスカが説明する



「ありがとう…ええと…」



「ミスカトニック…それが私の名前よ。ミスカと呼んでちょうだい」



「ちなみに普通は生涯の伴侶にやるもので…ストーカーのツールに使われるものではないんだよ…」

補足するセイラム



「けど、セラエノ様とルルイエ様はセイラム様と前の肉体で魂の繋がりを得てます。故に、今のセイラム様の居場所を把握しているのですよ」

真顔でとんでもないことを言うミスカ



「なるほど…道理でしつこいわけだ…はぁー」



「セイラム様、次はどうするのですか?」


「まずはここでアーカムの教育だ…こいつには魔女になってもらわないとな…」



ミスカの目が光る

「かしこまりました!立派な男の娘に育てて差し上げますとも!」



アーカムが泡を吹いて倒れてしまった







それらを冷めた目で見ている存在がいた



セイラムがその存在の方へ目を向けると…





空中に漂う1枚の羽が残されていた

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