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草創期 《魔界商人4》

基本、魔界商人は胸くそ悪いなぁ…今回は気持ち悪いです…どうしてこうなった…カルトについて、調べて書いたらこのザマだ…奴ら頭大丈夫か?


魔界商人、次で最後になります。次が終わったら七国記に戻ります。さて、次はどの国が出てくるのでしょうか?

「フム、なるほど…レムリアが魔法が使えない理由は至ってシンプルだ。精神的な問題だ。前のレムリアと同じ理由だ。使えない…出来ないという、先入観が邪魔をしている」

アビスは冷静にアドバイスをする



「どういうこと?」



「魔法とは法則を理解すること…例えば、氷を作るには…水を低い温度にさらせば良い…水と炎の魔法を組み合わせれば良いとかね」


なに言ってんだ?このおばさんは



「フフフ、わからないのも仕方がない…炎の魔法は別に炎を出す魔法ではないのだよ。あれは、原素(マナ)を急速に振動させているだけなのだから。それで熱を発して燃やす。逆に振動を止めれば絶対零度の世界が出来る」

アビスは黒板にどんどん書いていく


「まぁ、これは理だね。つまり、レムリアは最初の、氷を作るには、水と炎の魔法が必要という法則を知らないんだ」


私はなんとなく、理解し、失敗する




その様子を見たアビスは

「カワイイ…大丈夫!私が立派な魔女にしてあげる!」




アビスはまず、セイラムの先入観をぶち壊すために、理から教えるようにした






あれから二年…




私はいつも通り、アビスの地下牢に訪れる


「いらっしゃい!また来たね♪さぁ、授業を始めよう。レムリアは大体の理を覚えたね」



実際アビスの授業は物凄く解りやすかった。

下町で買ったおもちゃ、絵本、たまに映像魔法などを使って色々と教えてくれたため、理をなんとか全部覚えることが出来た。理を覚えたら今度は法則を覚えて、実践する





「フフフ、これで中級魔法までは完璧だ。これでわかっただろ?我らの魔法とは魔力…即ち原素粒子の動きによって引き起こされるんだよ。火を起こしたければ、振動させればいい。氷を作りたければ完全に動きを止めればいい。風を作りたければ高速で移動させればいい。水を作りたければ大気中の水分を原素を使って吸着すればいい。雷を作りたければ風に土などの不純物を混ぜて摩擦を起こせばいい」



なるほど…こんな簡単に魔法が使えるのか



「そして、原素を使って別世界の生き物を召喚して」


突如、床に描かれた魔方陣から何か出てくる。それを原素で作った鎖で縛る



「こんな風に縛り付けて、自分の原素を流し込んで支配すれば使い魔の完成だ」





こんな日が何年も続く。



私は魔法の腕がメキメキと上がったが…アビスの言い付け通り、決して腕前を人目に晒さなかった。



私の今の腕前は初級、下級、中級、上級、最上級を飛び越えて、級外レベルまで伸ばした。これは、ルルイエ姉様と同じレベルだ。





ある時、アビスが唐突に宣言する


「もう、学ぶことはないんじゃないなかな…だから次のステップに生きたいかい?」



「どういうこと?」



「いや、君には魔法の基礎、応用、発展を教えた。今のレムリアは最高レベルの魔女だ。君のお姉さん、セラエノはもう越えているし、ルルイエとも肩を並べるレベルだ。だが、そのルルイエを越えたくはないかい?」

アビスはニヤリとする





「私は…越えたいとは思わない!」

セイラムはきっぱり言う



「私はこの授業を受けたのは、単純にお姉さま達の足を引っ張らないため…お姉さま達の手伝いになればと…」


アビスは寂しそうに笑い、セイラムの頭を撫でる

「本当にそっくり…貴方は紛れもなくレムリアの生まれ代わりよ…そのお姉さん思いも…この愚かな女にはもったいないわ…ゴメンね。もう、貴方に私は必要ないわ…アドバイスを一つ…お姉さん達を大切にね」



セイラムは何故か涙をボロボロ流す。



これはまるでお別れの挨拶ではないか…


だから一言…



一言だけ…



「お姉ちゃん…ありがとう!私また会いに行くからね!」

レムリア…セイラムは去っていった




「やれやれ、私はまだ死ねないようだな…手のかかる妹が自立出来るまで…肉体と魂は…増える一方だ」

アビスは静かに目を閉じる




セイラムはいつも上機嫌だった。周囲が何を言おうとも、自分のお母様とお姉さま達は素晴らしい存在だと敬愛していたのだから。セイラムはアビスの言いつけを守って、落ちこぼれを演じていた。





故に、周囲の目は変わることはなかった。


勿論、ルルイエ、セラエノ、母も変わらなかった。


三人は私をまるで哀願動物のように可愛がった。




母親は

「いつも、カワイイわね…セイラム…可愛そうなセイラム…守ってあげるわセイラム…貴方だけは私を裏切らない…貴方だけ…私が愛せるのは…」

濁った目でセイラムを撫で




セラエノは

「最近何をやってるの?ちゃんと私の言い付け通り、部屋で留守番をしてるかしら?外の世界には怖いものが一杯にあるのよ。だから出ていっちゃダメ!私の傍にずっといてね?」

濁った目で言い聞かせ



ルルイエは

「セイラム…愛しいセイラム…君はなにもしなくて良いんだ。私がやってあげる。だからその笑顔を私だけに見せろ。辛いことは全て私がやってあげよう。嫌な事は全て私が引き受けよう。だから…セイラム…私に甘えろ」

濁った目で甘やかす




三人は昔からその美貌とその能力で周囲にはいつも人が集まっていた。だが、その周囲の目はいつも、汚くてドロドロした目だった。どいつもこいつも、自分の利益のために、少しでもおこぼれを狙おうとしてるカスどもばかりだった。


だが、セイラムは違う。彼女は私たちを綺麗な目で見てくれる。彼女は輝く目で見てくれる彼女は希望に満ちた目で見てくれる




三人はセイラムが放つ光に、まるで誘蛾灯に群がる蛾のように集まる。




そして、



蛾は




その光が我が身を燃やす事を知りながらも、




光を求めずにはいられない…



だから、三人は




誘蛾灯(セイラム)で壊れた。







それから数年…偉大なるお母様が死んだ…死因は魂の崩壊だ…




私は泣いていた…一人で…



お姉さま達は長を決める権力争いに熱中していた。




「おかしいなぁ…」


突如、声が響く




「アビス…姉様」

私は呆然と呟く




「やぁ、レムリア。魔女の魂の崩壊は普通は300年位かかる。私はレムリアを思う気持ちが強かったかは500までは持ったけどね。けど君の母上はまだその段階に到ってないんだよ…けど壊れた…何故かわかるかな?」




私は呆然と首を振る



アビスはニヤリとする

「それは君だよ…セイラム…君の光が…レムリアを受け継いだ君の輝きが魂を砕くのさ!私はもう限界だよ。君の授業を請け負ってから魂のストックが一気な無くなったよ。今までは50年単位に交換してたのを月毎…いや、週毎に交換するときもあった。ああ、安心して!君に魂を壊されること、むしろ快感だね。知ってるかい?魂の崩壊はとてつもない快感を産むんだ。全てのしがらみから解放される…世界に溶け込んでいくような感覚…だから、もっともっと私にその光をくれ」



アビスは目をギラギラさせて言う。




「私…知らない…そんなの知らない…」

セイラムは目を閉じ、耳を塞ぎ、叫ぶ。



「ああ、かわいいようレムリア…カワイイ…そんな呪縛から解放されたいかい?」

アビスは悪魔の笑みを浮かべる




セイラムは呆然と手を取る





そこはアビスの地下牢…



さぁ、準備が出来た。






そこには、何故か死んだ筈のお母様…今権力闘争に忙しい筈のセラエノとルルイエがいた




「お母様…何故…」





外見が10代後半で通じる美貌を持つ美しい母がそこにいた…




「いやねぇ…セイラムちゃん。私はまだ死んでないわよ♪だって、私が死ぬときはセイラムと一緒よ」

不気味な笑みを浮かべていた



後ろを振り向くと同じような笑みを浮かべる姉二人がいた。




アビスが口を開く


「今からセイラムとセラエノ、ルルイエ、そしてレムリアと共にイステの胎内に戻ります」


イステとは私の母の名前だ





えっ…



なにこれ




「やっとだ…この時が来るまで2000年も待った…やっとレムリアが蘇る。始めよう」

狂気に狂ったアビスが快感に絶頂する


他の三人は


「フフフ…セイラムが産める。私の胎内にセイラムが戻ってくる」

狂った母が



「ははは…ルルイエ、これでセイラムと一つに溶け合って…フフフ、ずっと永遠に一緒だよ…」

狂った長女が



「ハァハァハァ…もうダメ…想像だけでイッちゃった!」

狂った次女がいた





アビスは、魔女の死体や、なれの果てから回収した膨大すぎる魔力を使って魔方陣を発動する。





「この魔法は体を作り替える魔法だ。この魔法で自分が望む体を手にいれることが出来る。何を望む?イステ?」



イステは狂ったように叫ぶ

「三人が入れる膣を!三人が入れる子宮を!三人を受け入れ、産める丈夫な体を!」



光がイステの体を包み込む


「さぁ、来て…」



セイラムは無理矢理母親の胎内に突っ込まれる。


体長30センチの赤ん坊が通るだけでも激痛が走るのに…外見はまだ可愛らしい女の子とはいえ、ずっと大きい体を入れると…




普通は激痛で即死する



だが…




「クッ…ハッ…モット…」


変態にはご馳走のようだ…



セイラムが終わると…次はルルイエとセラエノが入って行った。





「ふぅふぅ…20か月待てばいいのね…」

イステが頬を真っ赤に染めながら尋ねる



「ああ、セラエノとルルイエは任しといて、私の幻覚でうまくやっておくから。一旦、中の4人は一つの受精卵まで戻るよ。その後、お互いが融合して、三つの受精卵に分裂して、先程の姿までに成長する」


イステはその言葉を聞き、ブルッと歓喜に震える



では…




子宮内では…



セイラムは心地よい暖かさと安らぎに包まれ、膝を抱えて微睡む。




セイラムをセラエノとルルイエは優しく抱き締めて目を閉じる




3人と一体は溶けて一つの受精卵と変貌する






20か月後…



「クッ…ハッ…ウアアアア!」

イステは激しい陣痛と成人女性の大きさした何かが通る痛みに耐える




まず産まれたのが、長女がであるセラエノ、その次はルルイエ



二人は全身をヌラヌラと濡らしながら荒げる息を静める



記憶や能力は何も変わっていない…いや、記憶…セイラムの記憶が流れ込んでいる。



そして、体の一部も混ざっている





皆はセイラムが生まれるのを待つ





やっと出てきた。





イステはブルブル震えるセイラムを抱き締めて、その唇にキスをする。



何かが流し込まれるが今でもセイラムは知らない





アビスはたった一度抱き締めて、キスをし


ゴメンね



の一言と共に



消えた



そして、




お母様も消えた





その後…私は総本部の奥に安置された



私はここから出ることが出来ない。



何故なら、





歩く足がない




這う手がない




助けを叫ぶ声がない




周囲を見る目がないからだ。




何年経ったのだろうか…何十年経ったのだろうか…私にはわからない…けど、試行錯誤していくうちに、とある魔法が使えるようになった



その魔法は幻夢属性…一部の魔女しか開花しない魔法の種類だ。



私はそれで多くの魔女の夢を渡り歩いた…自分の身を解放してくれる魔女を探し求めて、ある時、たった一人の魔女と出会った…




彼女の名前は





…セイラム






そう、私だ

えっ、ドウイウコト?と思った方々、次回ちゃんと説明しますので安心してください!


では、次回魔界商人5へ、お会いしましょう

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